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さとれば、婆羅門ばらもんなんぢ(2)無爲むゐ〔のほふ〕をらん。

384 婆羅門ばらもんし〔止觀しくわんの〕二ほふおいて、彼岸ひがんたつするときは、智者ちしや愛結あいけつすべくるにいたる。

385 ひと(3)彼岸ひがんなく此岸しがんなく、彼此兩岸ひしりやうがんともになし、怖畏ふゐはなれ、愛結あいけつのぞきたる、かくごときをわれ婆羅門ばらもんぶ。

386 禪思ぜんしありて、離垢りくもとめ、所作しよさすでべんじて、あるなく、最上利さいじやうりたつせるもの、われはこれを婆羅門ばらもんぶ。

387 ひるり、つきよるかがやく、武服ぶふくせる刹利種せつなしゆひかり、禪思ぜんしある婆羅門ばらもんひかる、されどほとけ威光ゐくわうもつすべ晝夜ちうやひかる。

388 惡業あくごふのぞけるは婆羅門ばらもんぎやうしづかにせるは沙門しやもんしようせらる、おのれ(5)垢穢くゑてたるによりて、かれ出家者しゆつけしやしようせらる。

389 婆羅門ばらもんなかれ、婆羅門ばらもんは〔たるるとも〕いかりはななかれ、わざはひあれ、婆羅門ばらもんつものに。さらわざはひあれ、〔たれて〕いかるものに。

390 婆羅門ばらもんこころ愛好あいかう〔するところ〕よりとほざくれば、これかれせうならざる利益りやくあり、〔を〕がいするこころゆるごと苦惱くなうまたしたがつてめつす。

391 ひとにも、ことばにも、こころにも、惡作あくさなく、三しよせつするところある、われこれ婆羅門ばらもんぶ。

392ひと〕より〔きて〕ほとけたまひしほふさとらば、〔の〕をうやまふこと、婆羅門ばらもん火祠くわしを〔うやまふ〕がごとくせよ。

393 婆羅門ばらもん結鬘けつまんしやうしやうとにるにあらず、ひと諦理たいりほふとあらばかれ淸白しやうびやくなり、又婆羅門ばらもんなり。

394 愚者ぐしやよ、結鬘けつまんは、なんぢなん〔のよう〕かある、皮衣ひえなんぢなん〔のよう〕かある、なんぢうち愛著あいぢやくを〔いだきて〕、ただほかきよ