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202 とんごとあるなく、しんごとつみあるなし、(1)蘊集をんしふごとあるなく、寂滅じやくめつまされるらくあるなし。

203 飢餓きが最大さいだいやまひ諸蘊しよをん最極さいごくなり、これじつごとくにれば、最勝さいしよう安樂あんらく涅槃ねはん〔を〕。

204 無病むびやう最上さいじやう知足ちそく最上さいじやうざいなり、信賴しんらい最上さいじやう親族しんぞくにして、涅槃ねはん最勝さいしよう安樂あんらくなり。

205 獨處どくしよ妙味めうみ寂靜じやくじやう妙味めうみとをあぢはひ、法悅ほふえつ妙味めうみうて怖畏ふゐもなく、またあくもなし。

206 聖者しやうしやるはく、おなじくむはつねらくなり、愚者ぐしやざればつねこころよからん。

207 愚人ぐじんともみちくものにはながうれひあり、愚者ぐしやともぢゆうするのなるは、てきと〔おなじくぢゆうするの〕つねに〔なる〕がごとし、賢者けんしや同住どうぢゆうしてたのしきものにして、親緣しんねん合會がふゑするのたのしきがごとし。

208 されば賢者けんしやと、智者ちしやと、多聞たもんと、重擔ぢゆうたんひ、禁戒きんかいある聖者しやうしやかくごときの善士ぜんし上智じやうちひとに〔よること〕、つき星道せいだうによるがごとくせよ。

(1) 五蘊の合會して成れる此の身體を云ふ。次偈に諸蘊と云へるも同じ。


愛樂品あいげうほんだい十六

209 非處ひしよきて是處ぜしよかず、てて、愛樂あいげうるものは、是處ぜしよきたるひとうらやむにいたる。

210 あいせるものとふことなかれ、にくめるものと〔ふこと〕なかれ、あいせるものをざるはにくめるものをるもまたなり〕。