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ふために、如何なる手段を擇ぶことをも躊躇せざるに至つた。英米兩國政府は、この理由よりするも、單に現在に於いてのみならず、むしろ今後の全將來に亘つて、よりよき世界新秩序招來のための一切の正當なる修正に反對したわけである。

 開戰以來米國大統領ルーズヴエルトは、益々、一聯の重大極まる國際法侵犯の罪を犯して來た。獨伊兩國民の財產に對する數々の不法侵害は、拘禁その他による威嚇を伴つたばかりか、それらの國民の一身上の自由を勝手氣儘に剝奪するといふ如き不法行爲を敢てしたのである。合衆國大統領のさなきだに益々先銳化せる攻擊振りは、遂ひに一切の國際法上の規定に反して、彼が米國海軍に向ひ、獨伊の國籍を有する艦船は何處ででも見付け次第襲擊し、砲擊し、且つ擊沈するやうにとの命令を下すまでに立ち至つたのである。米國の國務大臣等は、かやうな犯罪的な遣り方によつて、ドイツ潜水艦若干隻を旣に擊沈したとまで揚言した。

 獨伊の多數商船は米國巡洋艦の襲擊を受けて拿捕された上に、その非戰鬪員たる乘組員は拉致せられ、且つ投獄せられたのであつた。それどころか、更に、アメリカ政