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らいふと宜いことであるけれども矢張腹に耐へるといふに至つては左樣でなく通常以上に進んで腹の置場を極めて置く方が宜いと思ふ後世の道家は一般にさういふことをやつた。ツマリ吾々が周易の書物の中から認めたる實際上の價値は其等の点であつて疑ふことは出來ない。之で第五段になる。先づ大体の点はさういふ所に止るのである。

二 易占

イ 占筮の原理

 占筮は未來の現象を知らんとする者である。故に曰はく占事知來〈下繫第十二章〉と又曰はく遂知來物〈上繫第十章〉と又曰はく極數知來之謂占〈上繫第五章〉と來は卽ち未來である。占筮の司る所を見るべきである。又曰はく

數往者順。知來者逆。是故易逆數也。〈說卦第三章〉

往を數ふるとは過去を知るの意にあらずして筮竹を數ふることを謂