產(さん)を作(つく)り、又(また)病魔等(びやうまとう)に侵(をか)されぬ樣(やう)に、幸福(かうふく)を得(え)んとする爲(た)めなり。アイヌは、熊(くま)は神(かみ)なるが故(ゆゑ)に、肉體(にくたい)を幾囘(いくくわい)となく作(つく)り變(か)へて、土人(どじん)の獵(れふ)に供(きよう)するものであると信(しん)じ、子熊(こぐま)を飼(か)ひて、其(そ)の特徵(とくちよう)をよく知(し)り置(お)きしに、後年(こうねん)に至(いた)り、其(そ)の熊(くま)と思(お)ぼしき熊(くま)、幾囘(いくくわい)となく獲(と)られたりと言(い)へり。
(四)奇妙なる習俗數種
⑴ ノイボロクス
「ノイボロクス」は、土人(どじん)の少數(せうすう)の間(あひだ)にのみ行(おこな)はるゝものにして、之(こ)れを日本語(にほんご)に譯(やく)するに適當(てきたう)の語(ご)なし。强(しひ)て、言(い)はゞ、近年(きんねん)使用(しよう)せらるゝ動物電氣(どうぶつでんき)、又(また)は以心傳心(いしんでんしん)とも云(い)ふべきか。頭腦(づなう)の或(あ)る一種(しゆ)の