第五「カフィズマ」
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< 聖詠経
第三十二聖詠
- (ダワィドの詠)
- 義人よ、主の爲に喜べ、讃詠するは義者に適う。
- 瑟を以て主を崇め讃めよ、十弦の琴を以て彼に歌え、
- 新たなる歌を彼に歌え、聲を揃え、歓び呼んで彼に歌えよ。
- 蓋主の言葉は正直にして、其の悉くの行爲は真実なり。
- 彼は公義と審判とを好み、主の慈憐は地に満てり。
- 天は主の言葉にて造られ、天の全軍は其の口の気にて造られたり。
- 彼は海の水を聚めしこと塁の如く、淵を庫に蔵めたり。
- 全地は主を畏るべし、凡そ世界に居る者は彼の前に戦くべし。
- 蓋彼言えば則成り、命ずれば則顕れたり。
- 主は異邦人の議する所を廃し、諸民の謀る所を破り、牧伯の議する所を破る。
- 惟主の議する所は永く立ち、其の心の意いは世々に立つ。
- 主を以て神となす民は福なり、主の選びて己の嗣業となす族は福なり。
- 主は天より鑑みて悉くの人の子を視、
- 其の宝座より悉くの地に居る者を顧みる。
- 彼は衆人の心を造り、凡そ彼等の行う所を鑑察す。
- 王は大軍に依りて救われず、勇士は大力に依りて衛られず。
- 馬は救いの爲に虚し、其の大力を以て援くる能わず。
- 夫れ主の目は彼を畏るる者と、彼の憐れみを恃む者と顧み、
- 主は彼等の霊を死より救い、飢饉の時に彼等を養わん。
- 我等の霊は主を恃む、彼は我が助けなり、我が衛なり、
- 我が心は彼の爲に楽しむ、蓋我等は其の聖なる名を頼めり。
- 主よ、我等爾を頼むが如く、爾の憐れみを我等に垂れ給え。
第三十三聖詠
- ダワィドの詠、ダワィド、アワィメレフの前に在りて佯狂し、彼に追われて去り、乃ち此を作れり、
- 我何れの時にも主を讃め揚げん、彼を讃むるは恒に我が口に在り、
- 我が霊は主を以て誇らん、温柔なる者は聞きて楽しまん。
- 我と偕に主を尊め、偕に彼の名を崇め讃めん。
- 我嘗て主を尋ねしに、彼は我に聆き納れて、我が総ての危うきより我を免れしめ給えり。
- 目を挙げて彼を仰ぐ者は照らされたり、彼等の面は愧を受けざらん。
- 此の貧しき者呼びしに、主は聆き納れて、之を其の悉くの艱難より救えり。
- 主の使いは主を畏るる者を環り衛りて、彼等を援く。
- 味わえよ、主の如何に仁慈なるを見ん、彼を恃む人は福なり。
- 凡そ主の聖人よ、主を畏れよ、蓋彼を畏るる者は乏しきことなし。
- 少き獅子は乏しくして餓え、唯主を尋ぬる者は何の幸福にも缺くるなし。
- 小子よ、来たりて我に聴け、主を畏るる畏れを爾等に訓えん。
- 人、生くるを望み、又寿らえて幸福を見んことを欲するか、
- 爾の舌をより、爾の口を偽りの言葉より止めよ。
- 悪を避けて善を行い、和平を尋ねて之に従え。
- 主の目は義人を顧み、其の耳は彼等の呼ぶを聆く。
- 唯主の面は悪を爲す者に対う、其の名を地より滅ぼさん爲なり。
- 義人は呼ぶに、主は之を聴き、彼等を悉くの憂いより免れしむ。
- 主は心の傷める者に近し、霊の謙る者を救わん。
- 義人には憂い多し、然れども主は之を悉く免れしめん。
- 主は彼が悉くの骨を護り、其の一も折れざらん。
- 悪は罪人を殺し、義人を憎む者は亡びん。
- 主は其の諸僕の霊を救い、彼を頼む者は一人も亡びざらん。
光榮讃詞
第三十四聖詠
- ダワィドの詠。
- 主よ、我と争う者と争い、我と戦う者と戦い給え。
- 盾と甲とを執り、起ちて我を助け、
- 剣を抜きて、我を逐う者の途を遮り、我が霊に向かいて、我は爾の救いなりと曰え。
- 我が霊を求むる者は、願わくは恥を得て辱しめを受けん、我を害せんと謀る者は、願わくは退けられて辱しめられん、
- 願わくは彼等は風前の塵の如くなり、主の使い彼等を払わん、
- 願わくは彼等の途は暗くして滑らかになり、主の使い彼等を追わん、
- 蓋彼等は故なくして密かに我が爲に其の網なる落とし穴を設け、故なくして之を我が爲に穿てり。
- 願わくは滅びは俄に彼に至り、其の密かに我が爲に設けし網は彼を掩い、彼自ら之に陥りて亡びん。
- 唯我が霊は主の爲に喜び、其の施せる救いの爲に楽しまん。
- 我が悉くの骨曰わん、主よ、誰か爾弱き者を強き者より救い、貧しき者乏しき者を掠むる者より救う者に似たる。
- 不義なる証者は起ちて我を責め、我が知らざる事を我に詰り問う。
- 彼等は悪を以て我が善に報い、我が霊を孤独の者と爲す。
- 彼等の病める時我麻を衣、斎を以て我が霊を卑くし、我の祈祷は我が懐に帰れり。
- 我彼を待ちしこと、我が友我が兄弟の如し、我憂いて行き、首を垂れしこと、母を喪するが如し。
- 唯我躓きたれば、彼等は喜びて集まり、詬る者は集まりて我を攻めたり、我何の所以を知らず、我を謗りて息めざりき、
- 偽りなる嘲笑者と偕に我に向かいて切歯せり。
- 主よ、爾之を観ること何れの時に至るか、我が霊を彼等の悪事より逃れしめ、我の独りなる者を獅子より逃れしめ給え。
- 我爾を大会の中に讃榮し、爾を衆民の間に讃揚せん、
- 不義にして我に仇する者の我に勝ちて喜ばず、我に咎なくして我を憎む者の互いに目配せせざらん爲なり。
- 蓋彼等の言う所は和平に非ず、乃ち地上の和平を好む者に向かいて詐りの謀を設く。
- 其の口を開きて我に向かいて曰く、良し良し、我が目已に見たり。
- 主よ、爾已に見て黙す毋れ、主よ、我に離るる毋れ。
- 我が神我が主よ、起ちて、寤めて我が爲に裁きを行い、我が訴えを理めよ。
- 主我が神よ、爾の義に依りて我を裁き給え、彼等をして我に勝ちて喜ばしむる毋れ、
- 其の心の中に、良し良し、我等の望みの如しと謂わしむる毋れ、其れをして我等已に之を呑めりと謂わしむる毋れ。
- 凡そ我が災いを喜ぶ者は、願わくは耻を得て辱めを受けん、我に向かいて高ぶる者は、願わくは耻と侮りとを被らん。
- 我が義とせらるるを望む者は、喜び楽しみて恒に云わん、其の僕の平安を望む主は尊み讃めらるべし。
- 我が舌も爾の義を伝え、日々に爾を讃め揚げん。
第三十五聖詠
- 伶長に歌わしむ、主の僕ダワィドの詠。
- 悪者の不法は我が心の中に曰う、其の目の前に神を畏るる畏れなし、
- 蓋彼自ら己の目前に諂いて、其の不法を疾まんとして、之を糺すに似たり、
- 其の口の言葉は不実にして偽りなり、彼は悟りて善を行うを望まず、
- 其の床に在りて不法を謀り、自ら不善の途に立ちて、悪を憎まず。
- 主よ、爾の慈憐は天に戻り、爾の真実は雲に戻る。
- 爾の義は神の山の如く、爾の裁きは大いなる淵の如し。主よ、爾は人と獣とを守る。
- 神よ、爾の憐れみは何ぞ貴き、人の子は爾が翼の蔭に安んじ、
- 爾が家の腴に飫く、爾は彼等に爾の甘味の流れより飲ましむ、
- 蓋生命の源は爾に在り、我等爾の光に於いて光を見る。
- 爾の憐れみを知る者に、爾の義を心の直き者に恒に垂れ給え。
- 願わくは驕りの足は我を踏まず、罪人の手は我を逐わざらん。
- 不法を行う者は彼処に倒れ、隕されて起つ能わず。
光榮讃詞
第三十六聖詠
- ダワィドの詠。
- 悪者を妬む毋れ、不法を行う者を猜む毋れ、
- 蓋彼等は草の如く早く刈られ、青草の如く萎まん。
- 主を恃みて善を行え、地に住みて真実を守れ。
- 主を以て慰めと爲せ、彼は爾が心の望みを適えん。
- 爾の途を主に託して彼を恃め、彼は成さん、
- 爾の義を光の如く、爾の正しきを真昼の如く著さん。
- 主に順いて彼を頼め、其の道に利達を得る偽りなる人を妬む毋れ。
- 怒りを息め、恨みを捨てよ、妬みて悪を爲す毋れ、
- 蓋悪を爲す者は絶たれん、惟主を恃む者は地を嗣がん。
- 久しからずして悪者は無きに帰せん、爾其の処を見れば有るなし。
- 惟温柔なる者は地を嗣ぎ、平安の多きを楽しまん。
- 悪者は謀りて義人を攻め、之に向かいて切歯みす、
- 然れども主は之を嗤う、其の日の至るを見ればなり。
- 悪者はツルギを抜き、弓を張りて、乏しき者と貧しき者とを倒し、直き道を行く者を刺さんと欲す、
- 其の剣は反りて其の心を貫き、其の弓は折られん。
- 義人の所有の少なきは多くの悪者の富に勝る、
- 蓋悪者の肱は折られん、惟義人は主之を扶く。
- 主は瑕なき者の日を知る、彼等の嗣業は永く存せん、
- 彼等は患難の時に羞を被らず、飢饉の日に飫くことを得ん、
- 惟悪者は滅び、主の敵は羔の脂の如く消え、烟の中に消えん。
- 悪者は借りて償わず、義人は憐れみて予う、
- 蓋主に降福せられし者は地を嗣ぎ、彼に詛われし者は絶たれん。
- 主は義人の足を固め、其の行く途を喜ぶ、
- 彼は躓けども倒れず、主其の手を執りて之を扶くればなり。
- 我幼なきより今老ゆるに至るまで、未だ義人の遺てられ、其の裔の食を丐うを見ざりき、
- 彼は毎日憐れみを施し、又貸し与う、彼の裔は福を受けん。
- 悪を避けて善を行え、然からば永く生きん、
- 蓋主は義を愛し、其の聖者を遺てず、彼等は永く護られん、惟不法の者は倒され、悪者の裔は絶たれん。
- 義人は地を嗣ぎ、永く之に居らん。
- 義人の口は睿智を言い、其の舌は義を語る。
- 其の神の法は其の心に在り、其の足は撼かざらん。
- 悪者は義人を窺い、之を殺さんと欲す、
- 惟主は彼を其の手に付さず、彼が裁きを受くる時、彼を罪するを赦さざらん。
- 主を恃み、其の道を守れ、然からば彼爾を挙げて、爾に地を嗣がしめん、悪者の絶たるる時爾之を見ん。
- 我嘗て悪者の誇大にして、蔓延ること根の深き茂りたる樹の如きを見たり、
- 然れども彼過ぎて、視よ、無に帰せり、我之を尋ねて得ず。
- 瑕なき者を鑑み、義人を視よ、蓋此くの如き人の将来は平安なり、
- 惟不法の者は皆絶たれ、悪者の将来は滅びん。
- 義人の救いは主よりす、其の憂いの時に於いて主は其の防固なり、
- 主は彼等を援け彼等を逃さん、彼等を悪者より逃し彼等を救わん、彼等主を恃めばなり。
光榮讃詞

