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つく）すと、やや長（なが）き真直（まっすぐ）なる廊下（ろうか）に出（で）た。右手（みぎて）には大（おお）きな絵（え）を画（か）いた印度（いんど）の掛毛氈（かけもうせん）が掛（かか）り、左手（ひだりて）には三（み）つの扉（と）が次（つ）ぎ次（つ）ぎに列（なら）んでいる。博士（はかせ）は依然（いぜん）た…

ウ））　ごうぜん（傲然（ガウゼン）（×　）） ごうごう（轟（グワウ）（×）々） いちごう（一合（イチガフ）） えいごう（永劫（エイゴフ）（　×））　ざいごう（罪業（ザイゴフ）） 　　例 はなそう（話（ハナ）さう）　かえそう（返（カヘ）さう）　ちらそう（散（チ）らさう）』　あそう（浅（アサ）う）』　…

かずかず）を　擔（にな）ひて帰（かえ）る錦町（にしきちょう） 譽（ほまれ）は末（すえ）の世々迄（よよまで）も　流（なが）れて尽（つ）きぬ小川町（おがわまち）　招（まね）く柳（やなぎ）の下影（したかげ）を　往来（ゆきこ）ふ人（ひと）のいと多（おお）し 秩父甲斐（ちちぶかい）が根遥（ねはる）か…

か）えられ候（そろ）。元和（げんな）五年御当代光尚（みつひさ）公御誕生遊ばされ、御幼名六丸君（ろくまるぎみ）と申候。景一は六丸君御附（おつき）と相成り候。元和（げんな）七年三斎公御致仕（ちし）遊ばされ候時、景一も剃髪（ていはつ）いたし、宗也（そうや）と名告（なの）り候。寛永（かんえい…

つ）まれる　電車（でんしゃ）の道（みち）は十文字（じゅうもんじ）　まづ上野（うえの）へと遊（あそ）ばんか 左（ひだり）に宮城（きゅうじょう） をがみつつ　東京府廳（とうきょうふちょう）を右（みぎ）に見（み）て　馬場先門（ばばさきもん）や和田倉門（わだくらもん）　大手町（おおてまち）には内務省（ないむしょう）…

いちがい）に外国交際（がいこくこうさい）に在（あ）りと言（い）う可（べか）らず。余輩（よはい）は此（この）外国（がいこく）の字義（じぎ）を狭（せま）くして欧米諸国（おうべいしょこく）との交際（こうさい）に付（つ）き困難（こんなん）ありと言（い）わざるを得（え）ざる也（なり）。…

其時陣所（じんしょ）見廻（みまわ）りとして大野（おおの）修理亮（しゅりのすけ）治長（はるなが）が来た。 「上様（うえさま）には最早（もはや）、桜の御門までお出（い）でなされた、戦（いくさ）の首尾は如何（いかが）、お問合（といあわ）せに参つた」と修理は云ふ。 「天下の事は今日一日（いち…

え）ん。その時（とき）は内部（ないぶ）の人（ひと）も霊的（れいてき）行為（こうい）に覚醒（かくせい）せられて、霊中（れいちゅう）に花（はな）咲（さ）く神秘（しんぴ）なる智（ち）慧（けい）を日（ひ）にますます感知（かんち）せん。 問　人（ひと）は如何（いか）なる確実（かくじつ…

つ所（ところ）の地位（ちい）より下（くだ）るなかれ。神（かみ）が惠（めぐ）み給（たま）ふときは免（まぬか）るるを得（え）ん。目（め）と瞼（まぶた）の相近（あいちか）きが如（ごと）く、試（し）惑（わく）も人々（ひとびと）に近（ちか）し、而（しか）して神（かみ）が汝（なんじ）を益（え…

おつかはしになつて、神のおつげをたしかにお聞かせになりました。 Clip 清麻呂の奏上 宇佐から歸つた清麻呂は、天皇の御（おん）前に進んで、道鏡にはばかるところなく、きつぱりと、かう申しあげました。 「わが國は、神代（か…

その　悔いのおぞましさ 聖栄のひろやかさよ おお　人の子よ おまへは　それを　はぢらうのか ああ はるか よるの 薔薇 わが児と すなを　もり 砂を　くづし 浜に　あそぶ つかれたれど かなし　けれど うれひなき　はつあきのひるさがり ふるへるのか そんなに　白つぽく、さ これは つばねの　ほうけた　穂…

かみ）自（みづ）からなればなり。 問　我（われ）らを睿（えい）智（ち）に近（ちか）づかしむる第一（だいいち）の途（みち）は如何（いか）なるか、その途（みち）の起首（はじめ）は何（なに）にあるか。 答　神（かみ）の睿（えい…

え）付（つ）かざらん、神聖（しんせい）なる熱愛（ねつあい）も安佚（あんいつ）を愛（あい）する者（もの）の心（こころ）に燃（もえ）付（つ）かざるなり。淫（いん）婦（ぷ）は一人（いちにん）に情（じょう）誼（ぎ）を守（まも）らず、多（おお…

屋誰袖（たがそで）に案内した。成善も跡に附いて往った。誰袖は当時川長（かわちょう）、青柳（あおやぎ）、大七（だいしち）などと並称せられた家である。 　三人の通った座敷の隣に大一座（おおいちざ）の客があるらしかった。しかし声高（こえたか）く語り合うこともなく、矧（まし）てや絃歌（げんか）の響などは起ら…

つ）れて 終點驛（しゅうてんえき）の横河原（よこがわら）　おりて進（すす）めば讚岐道（さぬきみち）　夏白糸（なつしらいと）を繰（く）り出（い）だす　白猪唐岬滝近（しらゐからかいたきちか）し 立花驛（たちばなえき）に立（た）ち戻（もど）り　森松線（もりまつせん）に乘（の）り換（か…

「いえいえ、だめです、なんといったって頭のとがってるのがいちばんえらいんです。そしてわたしがいちばんとがっています。」 「いいえ、ちがいます。まるいのがえらいのです。いちばんまるいのはわたしです。」 「大きなことだよ。大きなのがいちばんえらいんだよ。わたしがいちばん大きいからわたしがえらいんだよ。」…

「今、西の市（いち）で、績麻（うみそ）の鄽（みせ）を出している女なぞもそうでございますが。」 「だから、私はさっきから、お爺さんの話を聞きたがっているじゃないか。」 　二人は、暫くの間、黙った。青侍は、爪で頤（あご）のひげを抜きながら、ぼんやり往来を眺めている。貝殻のように白く光るのは、大方（おおかた）さっきの桜の花がこぼれたのであろう。…

150p 第二十三説教　黙想を愛する一兄弟（いちけいてい）に遣（つかわ）す書。 / 152p 第二十四説教　同胞にして同教なる兄弟（けいてい）に遣（つかわ）す書。彼は世に居りてイサアクに遇（あ）はんと欲し、其（その）来（きた）らんことを書（しょ）を以（もっ）て勤（つと）め且（かつ）懇願（こんがん）したるによる。…

大阪相撲（おおさかずもう）の大場所（おおばしょ）も　難波市場（なんばいちば）も程近（ほどちか）く　新川橋（しんかわばし）のほとりには　黄檗著名（おうばくちょめい）の鉄眼寺（てつげんじ） 大阪附近（おおさかふきん）に聞（きこ）えたる　住吉浜寺和歌（すみよしはまでらわか）…

黒けぶり群（むらが）りたたせ手もすまに吹（ふき）鑠（とろ）かせばなだれ落（おつ）るかね 鑠（とろ）くれば灰とわかれてきはやかにかたまり残る白銀の玉 銀（しろがね）の玉をあまたに筥（はこ）に収（い）れ荷緒（にのお）かためて馬馳（はし）らする しろがねの荷負（おえ）る馬を牽（ひき）たてて御貢（みつぎ）つかふる御世のみさかえ…