しらなみの、かかるうき身と知らでやは、わかにみるめを恋すてふ。渚に迷《まよ》ふ海人小舟《あまをぶね》。浮きつ沈みつ寄る辺《べ》さへ、あらしそ伝ふ芦田鶴《あしたづ》の、なきてぞともに、たつかゆみ、はるを心の花と見て、忘れ給ふなかくしつつ、八千代経《ふ》るとも君まして、心の末の契り違《たが》ふな。
- 底本: 今井通郎『生田山田両流 箏唄全解』中、武蔵野書院、1975年。
この作品は1899年3月4日以前に公表されたもので、作者の死亡から100年以上経過しているため全世界でパブリックドメインの状態にあります。