夜々の星
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玉櫛笥《たまくしげ》、ふたたび三度《みたび》思ふこと、思ふが儘に書きつけて、見すれど海女《あま》のかづきして、苅るてふ底のみるめにも、ふれぬをいたみ頼みにし、筆にさへだに恥かしの、軒の葱《しのぶ》に消えやすき、露の身にもならもほし。ならまく星の光すら、絶えてあやなくなるまでも、八夜九夜《やよここのよ》と思ひあかし、雲井をながめすべをなみ。袖の雫《しづく》にせき入るる、硯の海に玉や沈めん。
- 底本: 今井通郎『生田山田両流 箏唄全解』下、武蔵野書院、1975年。
この作品は1899年3月4日以前に公表されたもので、作者の死亡から100年以上経過しているため全世界でパブリックドメインの状態にあります。