中学校学習指導要領

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目次

[編集] 第1章総則

[編集] 第1教育課程編成の一般方針

1 各学校においては,法令及びこの章以下に示すところに従い,生徒の人間として調和のとれた育成を目指し,地域や学校の実態及び生徒の心身の発達段階や特性等を十分考慮して,適切な教育課程を編成するものとする。

学校の教育活動を進めるに当たっては,各学校において,生徒に生きる力をはぐくむことを目指し,創意工夫を生かし特色ある教育活動を展開する中で,自ら学び自ら考える力の育成を図るとともに,基礎的・基本的な内容の確実な定着を図り,個性を生かす教育の充実に努めなければならない。

2 学校における道徳教育は,学校の教育活動全体を通じて行うものであり,道徳の時間をはじめとして各教科,特別活動及び総合的な学習の時間のそれぞれの特質に応じて適切な指導を行わなければならない。

道徳教育は,教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき,人間尊重の精神と生命に対する畏(い)敬の念を家庭,学校,その他社会における具体的な生活の中に生かし,豊かな心をもち,個性豊かな文化の創造と民主的な社会及び国家の発展に努め,進んで平和的な国際社会に貢献し未来を拓(ひら)く主体性のある日本人を育成するため,その基盤としての道徳性を養うことを目標とする。

道徳教育を進めるに当たっては,教師と生徒及び生徒相互の人間関係を深めるとともに,生徒が人間としての生き方についての自覚を深め,家庭や地域社会との連携を図りながら,ボランティア活動や自然体験活動などの豊かな体験を通して生徒の内面に根ざした道徳性の育成が図られるよう配慮しなければならない。

3 学校における体育・健康に関する指導は,学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に,体力の向上及び心身の健康の保持増進に関する指導については,保健体育科の時間はもとより,特別活動などにおいてもそれぞれの特質に応じて適切に行うよう努めることとする。また,それらの指導を通して,家庭や地域社会との連携を図りながら,日常生活において適切な体育・健康に関する活動の実践を促し,生涯を通じて健康・安全で活力ある生活を送るための基礎が培われるよう配慮しなければならない。

[編集] 第2 必修教科,道徳及び特別活動の内容等の取扱い

1 第2章以下に示す各教科,道徳及び特別活動の内容に関する事項は,特に示す場合を除き,いずれの学校においても取り扱わなければならない。
2 学校において特に必要がある場合には,第2章以下に示していない内容を加えて指導することができる。また,第2章以下に示す内容の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は,すべての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり,学校において特に必要がある場合には,この事項にかかわらず指導することができる。ただし,これらの場合には,第2章以下に示す各教科,道徳,特別活動及び各学年,各分野又は各言語の目標や内容の趣旨を逸脱したり,生徒の負担過重となったりすることのないようにしなければならない。
3 第2章以下に示す各教科,道徳,特別活動及び各学年,各分野又は各言語の内容に掲げる事項の順序は,特に示す場合を除き,指導の順序を示すものではないので,学校においては,その取扱いについて適切な工夫を加えるものとする。
4 学校において2以上の学年の生徒で編制する学級について特に必要がある場合には,各教科の目標の達成に支障のない範囲内で,各教科の目標及び内容について学年別の順序によらないことができる。

[編集] 第3 選択教科の内容等の取扱い

1

各学校においては,学校や生徒の実態を考慮し,必修教科や総合的な学習の時間などとの関連を図りつつ,選択教科の授業時数及び内容を適切に定め,選択教科の指導計画を作成するものとする。

2

選択教科の内容については,第2章の各教科に示すように課題学習,補充的な学習や発展的な学習など,生徒の特性等に応じた多様な学習活動が行えるよう各学校において適切に定めるものとする。その際,生徒の負担過重となることのないようにしなければならない。

3

生徒に履修させる選択教科の数は,第2学年においては1以上,第3学年においては2以上とし,生徒の特性等を十分考慮して,それぞれの生徒に適した選択教科を履修させるものとする。


4

各学校において開設することができる選択教科の種類は,各学年とも第2章に示す各教科とする。

5

各選択教科の授業時数は,第1学年については年間30単位時間の範囲内,第2学年及び第3学年については年間70単位時間の範囲内で当該選択教科の目的を達成するために必要な時数を各学校において適切に定めるものとする。


[編集] 第4 総合的な学習の時間の取扱い

1

総合的な学習の時間においては,各学校は,地域や学校,生徒の実態等に応じて,横断的・総合的な学習や生徒の興味・関心等に基づく学習など創意工夫を生かした教育活動を行うものとする。

2

総合的な学習の時間においては,次のようなねらいをもって指導を行うものとする。

  1. 自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を解決する資質や能力を育てること。
  2. 学び方やものの考え方を身に付け,問題の解決や探究活動に主体的,創造的に取り組む態度を育て,自己の生き方を考えることができるようにすること。
  3. 各教科,道徳及び特別活動で身に付けた知識や技能等を相互に関連付け,学習や生活において生かし,それらが総合的に働くようにすること。

3

各学校においては,1及び2に示す趣旨及びねらいを踏まえ,総合的な学習の時間の目標及び内容を定め,例えば国際理解,情報,環境,福祉・健康などの横断的・総合的な課題,生徒の興味・関心に基づく課題,地域や学校の特色に応じた課題などについて,学校の実態に応じた学習活動を行うものとする。

4

各学校においては,学校における全教育活動との関連の下に,目標及び内容,育てようとする資質や能力及び態度,学習活動,指導方法や指導体制,学習の評価の計画などを示す総合的な学習の時間の全体計画を作成するものとする。

5

各学校における総合的な学習の時間の名称については,各学校において適切に定めるものとする。

6

総合的な学習の時間の学習活動を行うに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

  1. 目標及び内容に基づき,生徒の学習状況に応じて教師が適切な指導を行うこと。
  2. 自然体験やボランティア活動などの社会体験,観察・実験,見学や調査,発表や討論,ものづくりや生産活動など体験的な学習,問題解決的な学習を積極的に取り入れること。
  3. グル-プ学習や異年齢集団による学習などの多様な学習形態,地域の人々の協力も得つつ全教師が一体となって指導に当たるなどの指導体制について工夫すること。
  4. 学校図書館の活用,他の学校との連携,公民館,図書館,博物館等の社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携,地域の教材や学習環境の積極的な活用などについて工夫すること。

[編集] 第5 授業時数等の取扱い

1

各教科,道徳,特別活動及び総合的な学習の時間(以下「各教科等」という。ただし,1及び3において,特別活動については学級活動(学校給食に係るものを除く。)に限る。)の授業は,年間35週以上にわたって行うよう計画し,週当たりの授業時数が生徒の負担過重にならないようにするものとする。ただし,各教科等(特別活動を除く。)や学習活動の特質に応じ効果的な場合には,これらの授業を特定の期間に行うことができる。なお,給食,休憩などの時間については,学校において工夫を加え,適切に定めるものとする。

2

特別活動の授業のうち,生徒会活動及び学校行事については,それらの内容に応じ,年間,学期ごと,月ごとなどに適切な授業時数を充てるものとする。

3

各教科等のそれぞれの授業の1単位時間は,各学校において,各教科等の年間授業時数を確保しつつ,生徒の発達段階及び各教科等や学習活動の特質を考慮して適切に定めるものとする。


[編集] 第6 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項

1

各学校においては,次の事項に配慮しながら,学校の創意工夫を生かし,全体として,調和のとれた具体的な指導計画を作成するものとする。

  1. 各教科等及び各学年相互間の関連を図り,系統的,発展的な指導ができるようにすること。
  2. 各教科の各学年,各分野又は各言語の指導内容については,そのまとめ方や重点の置き方に適切な工夫を加えるとともに,教材等の精選を図り,効果的な指導ができるようにすること。

2

以上のほか,次の事項に配慮するものとする。

  1. 学校生活全体を通して,言語に対する関心や理解を深め,言語環境を整え,生徒の言語活動が適正に行われるようにすること。
  2. 各教科等の指導に当たっては,体験的な学習や問題解決的な学習を重視するとともに,生徒の興味・関心を生かし,自主的,自発的な学習が促されるよう工夫すること。
  3. 教師と生徒の信頼関係及び生徒相互の好ましい人間関係を育てるとともに生徒理解を深め,生徒が自主的に判断,行動し積極的に自己を生かしていくことができるよう,生徒指導の充実を図ること。
  4. 生徒が自らの生き方を考え主体的に進路を選択することができるよう,学校の教育活動全体を通じ,計画的,組織的な進路指導を行うこと。
  5. 生徒が学校や学級での生活によりよく適応するとともに,現在及び将来の生き方を考え行動する態度や能力を育成することができるよう,学校の教育活動全体を通じ,ガイダンスの機能の充実を図ること。
  6. 各教科等の指導に当たっては,生徒が学習内容を確実に身に付けることができるよう,学校や生徒の実態に応じ,個別指導やグループ別指導,学習内容の習熟の程度に応じた指導,生徒の興味・関心等に応じた課題学習,補充的な学習や発展的な学習などの学習活動を取り入れた指導,教師の協力的な指導など指導方法や指導体制を工夫改善し,個に応じた指導の充実を図ること。
  7. 障害のある生徒などについては,生徒の実態に応じ,指導内容や指導方法を工夫すること。特に,特殊学級又は通級による指導については,教師間の連携に努め,効果的な指導を行うこと。
  8. 海外から帰国した生徒などについては,学校生活への適応を図るとともに,外国における生活経験を生かすなど適切な指導を行うこと。
  9. 各教科等の指導に当たっては,生徒がコンピュ-タや情報通信ネットワ-クなどの情報手段を積極的に活用できるようにするための学習活動の充実に努めるとともに,視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること。
  10. 学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り,生徒の主体的,意欲的な学習活動や読書活動を充実すること。
  11. 生徒のよい点や進歩の状況などを積極的に評価するとともに,指導の過程や成果を評価し,指導の改善を行い学習意欲の向上に生かすようにすること。
  12. 開かれた学校づくりを進めるため,地域や学校の実態等に応じ,家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること。また,中学校間や小学校,高等学校,盲学校,聾(ろう)学校及び養護学校などとの間の連携や交流を図るとともに,障害のある幼児児童生徒や高齢者などとの交流の機会を設けること。

[編集] 第2章 各教科

[編集] 第1節 国語

第1 目標

国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力や想像力を養い言語感覚を豊かにし,国語に対する認識を深め国語を尊重する態度を育てる。

第2 各学年の目標及び内容

〔第1学年〕
1 目標
(1)自分の考えを大切にし,目的や場面に応じて的確に話したり聞いたりする能力を高めるとともに,話し言葉を大切にしようとする態度を育てる。
(2)必要な材料を基にして自分の考えをまとめ,的確に書き表す能力を高めるとともに,進んで書き表そうとする態度を育てる。
(3)様々な種類の文章を読み内容を的確に理解する能力を高めるとともに,読書に親しみものの見方や考え方を広げようとする態度を育てる。
2 内容
話すこと・聞くこと
(1)話すこと・聞くことの能力を育成するため,次の事項について指導する。
自分の考えや気持ちを相手に理解してもらえるように話したり,話し手の意図を考えながら話の内容を聞き取ったりすること。
自分の考えや気持ちを的確に話すためにふさわしい話題を選び出すこと。
全体と部分,事実と意見との関係に注意して,話したり聞き取ったりすること。
話合いの話題や方向をとらえて的確に話したり,それぞれの発言を注意して聞いたりして,自分の考えをまとめること。
B 書くこと
(1)書くことの能力を育成するため,次の事項について指導する。
身近な生活や学習の中から課題を見付け,材料を集め,自分の考えをまとめること。
伝えたい事実や事柄,課題及び自分の考えや気持ちを明確にすること。
自分の考えや気持ちを的確に表すために,適切な材料を選ぶこと。
書いた文章を読み返し,表記や語句の用法,叙述の仕方などを確かめて,読みやすく分かりやすい文章にすること。
書いた文章を互いに読み合い,題材のとらえ方や材料の集め方などについて自分の表現の参考にすること。
C 読むこと
(1)読むことの能力を育成するため,次の事項について指導する。
文脈の中における語句の意味を正確にとらえ,理解すること。
文章の展開に即して内容をとらえ,目的や必要に応じて要約すること。
文章の中心の部分と付加的な部分,事実と意見などを読み分けて,文章の構成や展開を正確にとらえ,内容の理解に役立てること。
文章の展開を確かめながら主題を考えたり要旨をとらえたりすること。
文章に表れているものの見方や考え方を理解し,自分のものの見方や考え方を広くすること。
様々な種類の文章から必要な情報を集めるための読み方を身に付けること。
〔言語事項〕
(1)「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」及び「C読むこと」の指導を通して,次の事項について指導する。
話す速度や音量,言葉の調子や間のとり方などに注意すること。
語句の辞書的な意味と文脈上の意味との関係に注意すること。
事象や行為などを表す多様な語句について理解を深めるとともに,話や文章の中の語彙(い)について関心をもつこと。
話や文章の中の段落の役割や文と文との接続関係などを考えること。
単語の類別について理解し,指示語や接続詞及びこれらと同じような働きをもつ語句などに注意すること。
話し言葉と書き言葉との違いについて理解し,適切に使うこと。
(2)漢字に関する次の事項について指導する。
小学校学習指導要領第2章第1節国語の学年別漢字配当表(以下「学年別漢字配当表」という。)に示されている漢字に加え,その他の常用漢字のうち 250字程度から 300字程度までの漢字を読むこと。
学年別漢字配当表の漢字のうち 900字程度の漢字を書き,文や文章の中で使うこと。
(3)書写に関する次の事項について指導する。
字形を整え,文字の大きさ,配列・配置に気を付けて書くこと。
漢字の楷(かい)書とそれに調和した仮名に注意して書き,漢字の行書の基礎的な書き方を理解して書くこと。
〔第2学年及び第3学年〕
1 目標
(1)自分のものの見方や考え方を深め,目的や場面に応じて的確に話したり聞いたりする能力を身に付けさせるとともに,話し言葉を豊かにしようとする態度を育てる。
(2)様々な材料を基にして自分の考えを深め,自分の立場を明らかにして,論理的に書き表す能力を身に付けさせるとともに,文章を書くことによって生活を豊かにしようとする態度を育てる。
(3)目的や意図に応じて文章を読み,広い範囲から情報を集め,効果的に活用する能力を身に付けさせるとともに,読書を生活に役立て自己を向上させようとする態度を育てる。
2 内容
話すこと・聞くこと
(1)話すこと・聞くことの能力を育成するため,次の事項について指導する。
広い範囲から話題を求め,話したり聞いたりして,自分のものの見方や考え方を広めたり,深めたりすること。
話の中心の部分と付加的な部分,事実と意見との関係に注意し,話の論理的な構成や展開を考えて,話したり聞き取ったりすること。
話の内容や意図に応じた適切な語句の選択,文の効果的な使い方など説得力のある表現の仕方に注意して,話したり聞き取ったりすること。
相手の立場や考えを尊重し,話合いが目的に沿って効果的に展開するように話したり聞き分けたりして,自分の考えを深めること。
B 書くこと
(1)書くことの能力を育成するため,次の事項について指導する。
広い範囲から課題を見付け,必要な材料を集め,自分のものの見方や考え方を深めること。
自分の立場及び伝えたい事実や事柄を明確にすること。
文章の形態に応じて適切な構成を工夫すること。
自分の意見が相手に効果的に伝わるように,根拠を明らかにし,論理の展開を工夫して書くこと。
書いた文章を読み返し,文や文章を整えて,説得力のある文章にすること。
書いた文章を互いに読み合い,論理の展開の仕方や材料の活用の仕方などについて自分の表現に役立てること。
C 読むこと
(1)読むことの能力を育成するため,次の事項について指導する。
文脈の中における語句の効果的な使い方について理解し,自分の言葉の使い方に役立てること。
書き手の論理の展開の仕方を的確にとらえ,内容の理解や自分の表現に役立てること。
表現の仕方や文章の特徴に注意して読むこと。
文章を読んで人間,社会,自然などについて考え,自分の意見をもつこと。
目的をもって様々な文章を読み,必要な情報を集めて自分の表現に役立てること。
〔言語事項〕
(1)「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」及び「C読むこと」の指導を通して,次の事項について指導する。
音声の働きや仕組みについて関心をもち,理解を深めること。
慣用句,類義語と対義語,同音異義語や多義的な意味を表す語句の意味や用法に注意すること。
抽象的な概念などを表す多様な語句についての理解を深め,語感を磨き語彙を豊かにすること。
相手や目的に応じて話や文章の形態や展開に違いがあることに気付くこと。
文の中の文の成分の順序や照応,文の組立てなどについて考えること。
単語の活用について理解し,助詞や助動詞などの働きに注意すること。
共通語と方言の果たす役割などについて理解するとともに,敬語についての理解を深め生活の中で適切に使えるようにすること。
(2)漢字に関する次の事項について指導する。
(第2学年) 第1学年までに学習した常用漢字に加え,その他の常用漢字のうち 300字程度から 350字程度までの漢字を読むこと。
(第3学年) 第2学年までに学習した常用漢字に加え,その他の常用漢字の大体を読むこと。
(第2学年) 学年別漢字配当表の漢字のうち 950字程度の漢字を書き,文や文章の中で使うこと。
(第3学年) 学年別漢字配当表に示されている漢字を書き,文や文章の中で使うこと。
(3) 書写に関する次の事項について指導する。
字形,文字の大きさ,配列・配置などに配慮し,目的や必要に応じて調和よく書くこと。
漢字の楷書や行書とそれらに調和した仮名の書き方を理解して書くとともに,読みやすく速く書くこと。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1)第2の各学年の内容の「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」,「C読むこと」及び〔言語事項〕について相互に密接な関連を図るとともに,各学年にふさわしい学習活動を組織して効果的に指導すること。
(2)第2の各学年の内容の「A話すこと・聞くこと」に関する指導については,次の事項に留意すること。
目的や方向に沿って効果的に話したり,相手の意図を考えながら聞いたりする能力を高めるようにすること。その際,広く話題を求めるよう,意図的,計画的に指導する機会を設けること。
また,音声言語のための教材を積極的に活用するなどして,指導の効果を高めるよう工夫すること。
指導に当たっては,例えば次のような言語活動を通して行うこと。
(ア)説明や発表などを行うこと。
(イ)対話や討論などを行うこと。
指導に配当する授業時数の国語科の授業時数に対する割合は,各学年とも10分の1~10分の2程度とすること。
(3)第2の各学年の内容の「B書くこと」に関する指導については,次の事項に留意すること。
相手や目的に応じて効果的な文章を書くことのできる能力を高めるようにすること。その際,様々な形態の文章を書かせるとともに,論理的に書く能力を育てるようにすること。
指導に当たっては,例えば次のような言語活動を通して行うこと。
(ア)説明や記録などの文章を書くこと。
(イ)手紙や感想などの文章を書くこと。
(ウ)報告や意見発表などのために簡潔で分かりやすい文章や資料などを作成すること。
指導に配当する授業時数の国語科の授業時数に対する割合は,各学年とも10分の2~10分の3程度とすること。
(4)第2の各学年の内容の「C読むこと」に関する指導については,次の事項に留意すること。
目的や意図に応じて的確に読み取る能力や読書に親しむ態度を育てるようにすること。その際,広く言語文化についての関心を深めるようにしたり,日常生活における読書活動が活発に行われるようにしたりすること。
古典の指導については,古典としての古文や漢文を理解する基礎を養い古典に親しむ態度を育てるとともに,我が国の文化や伝統について関心を深めるようにすること。その教材としては,古典に関心をもたせるように書いた文章,易しい文語文や格言・故事成語,親しみやすい古典の文章などを生徒の発達段階に即して適宜用いるようにすること。なお,指導に当たっては,音読などを通して文章の内容や優れた表現を味わうことができるようにし,文語における言葉のきまりについては,細部にわたることなく,教材に即して必要な範囲の指導にとどめること。
文学作品などの成立年代やその特徴などに触れる場合には,通史的に扱うことはしないこと。
指導に当たっては,例えば次のような言語活動を通して行うこと。
(ア)様々な文章を比較して読んだり,調べるために読んだりすること。
(イ)目的や必要に応じて音読や朗読をすること。


(5)第2の各学年の内容の「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」及び「C読むこと」の言語活動の指導に当たっては,学校図書館などを計画的に利用しその機能の活用を図るようにすること。
第2の各学年の内容の〔言語事項〕については,次のとおり取り扱うものとする。
(1)〔言語事項〕の(1)に示す事項は,第2の各学年の内容の「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」及び「C読むこと」の指導を通して身に付けさせるとともに,国語の特質を理解させるために,ある程度まとまった知識を得させる指導にも配慮すること。その場合,日常の言語活動を振り返り言葉のきまりについて気付かせ,言語生活の向上に役立てることを重視するとともに,必要以上に細部にわたったり形式的になったりしないようにすること。
(2)〔言語事項〕の(1)に示す事項は,必要に応じて当該学年の前後の学年において取り上げることもできること。
(3)〔言語事項〕の(3)に示す事項については,次のとおり取り扱うこと。
文字を正しく整えて速く書くことができるようにするとともに,書写の能力を生活に役立てる態度を育てるよう配慮すること。
毛筆を使用する書写の指導は各学年で行い,硬筆による書写の能力の基礎を養うようにすること。
書写の指導に配当する授業時数の国語科の授業時数に対する割合は,第1学年は10分の2程度,第2学年及び第3学年は各学年10分の1程度とすること。


教材については,次の事項に留意するものとする。
(1)教材は,話すこと・聞くことの能力,書くことの能力及び読むことの能力を偏りなく養うことや読書に親しむ態度の育成をねらいとし,生徒の発達段階に即して適切な話題や題材を精選して調和的に取り上げること。また,1の(2)のイ,(3)のイ及び(4)のエに掲げる言語活動が十分行われるよう教材を選定すること。
(2)教材は,次のような観点に配慮して取り上げること。
国語に対する認識を深め,国語を尊重する態度を育てるのに役立つこと。
伝え合う力,思考力や想像力を養い言語感覚を豊かにするのに役立つこと。
公正かつ適切に判断する能力や創造的精神を養うのに役立つこと。
科学的,論理的な見方や考え方を養い,視野を広げるのに役立つこと。
人生について考えを深め,豊かな人間性を養い,たくましく生きる意志を育てるのに役立つこと。
人間,社会,自然などについての考えを深めるのに役立つこと。
我が国の文化と伝統に対する関心や理解を深め,それらを尊重する態度を育てるのに役立つこと。
広い視野から国際理解を深め,日本人としての自覚をもち,国際協調の精神を養うのに役立つこと。
(3)第2の各学年の内容の「C読むこと」の教材については,各学年で説明的な文章や文学的な文章などの文章形態を調和的に取り扱うこと。
第2の内容の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は,すべての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり,学校において特に必要がある場合には,この事項にかかわらず指導することができること。
選択教科としての「国語」においては,生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう,第2の内容その他の内容で各学校が定めるものについて,課題学習,表現や理解の能力を補充的に高める学習,発展的な学習などの学習活動を各学校において適切に工夫して取り扱うものとする。

[編集] 第2節 社会

第1 目 標

広い視野に立って,社会に対する関心を高め,諸資料に基づいて多面的・多角的に考察し,我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を深め,公民としての基礎的教養を培い,国際社会に生きる民主的,平和的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。


第2 各分野の目標及び内容

〔地理的分野〕 1 目 標
(1) 日本や世界の地理的事象に対する関心を高め,広い視野に立って我が国の国土の地域的特色を考察し理解させ,地理的な見方や考え方の基礎を培い,我が国の国土に対する認識を養う。
(2) 日本や世界の地域の諸事象を位置や空間的な広がりとのかかわりでとらえ,それを地域の規模に応じて環境条件や人間の営みなどと関連付けて考察し,地域的特色をとらえるための視点や方法を身に付けさせる。
(3) 大小様々な地域から成り立っている日本や世界の諸地域を比較し関連付けて考察し,それらの地域は相互に関係し合っていることや各地域の特色には地方的特殊性と一般的共通性があること,また,それらは諸条件の変化などに伴って変容していることを理解させる。
(4) 地域調査など具体的な活動を通して地理的事象に対する関心を高め,様々な資料を適切に選択,活用して地理的事象を多面的・多角的に考察し公正に判断するとともに適切に表現する能力や態度を育てる。
2 内 容
(1) 世界と日本の地域構成
ア 世界の地域構成
地球儀や世界地図を活用し,緯度と経度,大陸と海洋の分布,主な国々の名称と位置などを取り上げ,世界の地域構成を大観させる。
(ア) 地球上の位置関係と水陸の分布
地球儀や世界地図を活用し,緯度と経度,時差,大陸と海洋の分布などを取り上げ,生活舞台としての地球を大観させ,地球的規模での位置関係をとらえる基礎的な技能や知識を身に付けさせる。
(イ) 国々の構成と地域区分
現代の世界は,州や大陸及びそれらを幾つかに区分した地域でとらえられていることや様々な国々から構成されていることを理解させ,主な国々の名称と位置を地図を用いて身に付けさせるとともに,地名や地図への関心を高める。
イ 日本の地域構成
地球儀や地図を活用し,我が国の国土の位置,領域の特色,地域区分などを取り上げ,日本の地域構成を大観させる。
(ア) 日本の位置と領域
我が国の国土の位置及び領域の特色と変化を広い視野から考察し,日本の現状を位置と領域の面から大観させる。
(イ) 都道府県の構成と地域区分
現代の日本は都道府県などを基にして大小様々に地域区分できることなどを理解させ,日本の地域構成を地図上で大観させるとともに,地名や地図への関心を高める。


(2) 地域の規模に応じた調査
ア 身近な地域
身近な地域における諸事象を取り上げ,観察や調査などの活動を行い,生徒が生活している土地に対する理解と関心を深めさせるとともに,市町村規模の地域的特色をとらえる視点や方法,地理的なまとめ方や発表の方法の基礎を身に付けさせる。
イ 都道府県
47都道府県の中から幾つかの都道府県を取り上げ,地理的事象を見いだして追究し,地域的特色をとらえさせるとともに,都道府県規模の地域的特色をとらえる視点や方法を身に付けさせる。
ウ 世界の国々
世界の国々の中から幾つかの国を取り上げ,地理的事象を見いだして追究し,地域的特色をとらえさせるとともに,国家規模の地域的特色をとらえる視点や方法を身に付けさせる。
(3) 世界と比べて見た日本
ア 様々な面からとらえた日本
世界的視野から見た日本の地域的特色と日本全体の視野から見た国内の諸地域の特色を追究し,我が国の国土の特色を様々な面から大観させるとともに,地域の規模に応じて,また,地域間を比較し関連付けて,地域的特色を明らかにする視点や方法を身に付けさせる。
(ア) 自然環境から見た日本の地域的特色
世界的視野から見て,日本は環太平洋造山帯に属し大地の動きが活発であること,温帯の島国,山国で降水量が多く,緑におおわれた国であること,自然災害が発生しやすく防災対策が大切であることといった特色を理解させるとともに,国内では地形,気候などにおいて地域差がみられることを大観させる。
(イ) 人口から見た日本の地域的特色
世界的視野から見て,日本は人口が多く,また,人口密度が高く,平均寿命が長い国であること,少子化,高齢化に伴う課題を抱えていることといった特色を理解させるとともに,国内では平野部に多くの人口が集中し,過密・過疎地域がみられることを大観させる。
(ウ) 資源や産業から見た日本の地域的特色
世界的視野から見て,日本はエネルギー資源や鉱物資源に恵まれていない国であること,土地が高度に利用されていること,産業の盛んな国であることといった特色を理解させるとともに,国内では地域の環境条件を生かした多様な産業地域がみられること,環境やエネルギーに関する課題などを抱えていることを大観させる。
(エ) 生活・文化から見た日本の地域的特色
世界的視野から見て,日本においては比較的ものの豊かな中で人々が暮らしていること,また,近代化や国際化の進展などにより伝統的な生活・文化は変容していること,外国から入ってきた生活・文化は日本の環境条件に対応させて取り入れてきたことといった特色を理解させるとともに,国内では生活・文化の地域による差異が次第になくなりつつあるが,一方で各地に特色ある生活・文化がみられることを大観させる。
(オ) 地域間の結び付きから見た日本の地域的特色
世界的視野から見て,日本は国際間の交通・通信網の整備が進んでいること,世界の各地と強く結び付いていること,結び付きの深さや内容は相手の国や地域によって特色がみられることを理解させるとともに,国内でも交通・通信網の整備が進んでいること,各地の時間的な距離や位置の関係が大きく変化しつつあること,人や物資の移動には地域的特色がみられること,各地域の特色は他地域との結び付きの影響を受けながら変化していることを大観させる。
イ 様々な特色を関連付けて見た日本
アの各項目で学習した成果を相互に関連付け,世界的視野から見た日本の地域的特色,日本全体の視野から見た諸地域の特色を大観させる。
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1),(2)及び(3)については,この順序で取り扱うものとし,また,一部の項目に偏り過ぎないようにするものとする。
(2) 内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
ア 地埋的な見方や考え方及び地図の読図や作図,景観写真の読み取りなど地理的技能を身に付けることができるよう系統性に留意して計画的に指導すること。
また,地域に関する情報の収集,処理に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワークなどを積極的に活用するなどの工夫をすること。
イ 地域の特色や変化をとらえるに当たっては,歴史的分野との連携を踏まえ,歴史的背景に留意して地域的特色を追究するよう工夫するとともに,公民的分野との関連にも配慮すること。
ウ 地域的特色を追究する過程で生物や地学的な事象などを取り上げる際には,地域的特色をとらえる上で必要な範囲にとどめること。
(3) 内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)については,世界地図の投影法などの高度な内容は取り上げないこと。また,緯度と経度,時差などについては単に数量的な取扱いにとどめることなく,生徒の関心を高める工夫をすること。
イ アの(イ)については,州名,大陸名及びそれらを幾つかに区分した地域名なども合わせて取り上げること。なお,国名については,生徒の既得知識を踏まえ更に拡充が図れるよう配慮し,大まかに世界地図を描けるようにすること。
ウ イの(ア)については,地球儀や地図を活用して我が国の位置と領域の特色を多面的・多角的にとらえるようにすること。また,「領域の特色と変化」については,北方領土が我が国の固有の領土であることなど,我が国の領域をめぐる問題にも着目させるようにすること。
エ イの(イ)については,生徒の既得知識を踏まえて,都道府県名のほかに都道府県庁所在地名も取り上げること。なお,都道府県の位置と名称については地図を用いて身に付けさせ,大まかに日本地図を描けるようにすること。
オ 国名や都道府県名を確実に身に付けさせる観点から,適宜機会を設けて計画的に指導すること。
(4) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア ア~ウについては,各項目を比較し関連付けて取り扱い,地域の規模に応じて地域的特色をとらえる視点や方法が異なってくること,それに伴って地理的なまとめ方や発表の方法も工夫が必要であることなどに留意し,地域の規模に応じた調べ方,学び方を身に付けさせるようにすること。
イ アについては,学校所在地の事情を踏まえて観察や調査を指導計画に位置付け実施すること。その際,縮尺の大きな地図や統計その他の資料に親しませ,それらの活用の技能を高めるようにすること。
ウ イについては,二つ又は三つの都道府県を事例として選び,具体的に取り扱うようにすること。なお,事例として取り上げる都道府県については,学校所在地の都道府県を含めて選び,それぞれ特色ある視点や方法で追究するようにすること。
エ ウについては,二つ又は三つの国を事例として選び,具体的に取り扱うようにすること。なお,事例として取り上げる国については,近隣の国を含めて選び,それぞれ特色ある視点や方法で追究するようにすること。
(5) 内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)~(オ)で示した日本の地域的特色については,多面的・多角的に取り扱うよう配慮し,必要最小限の事柄で構成すること。
イ アの(ア)~(オ)の世界的視野から見た日本の地域的特色については,日本を一つの地域として取り扱うようにすること。また,国内の地域的特色については,日本全体の視野という点に留意し,類似性や傾向性に着目してとらえ,都道府県規模よりも細かな事象には深入りしないこと。
ウ アの(イ),(エ)及び(オ)の国内の地域的特色に関する取扱いに当たっては,一つ又は二つの事例地域を通して具体的に取り扱うようにすること。
エ アの(ア)~(オ)及びイの取扱いに当たっては,計画的に指導し,地域的特色を地域の規模や地域間の比較によってとらえる方法を効果的に身に付けることができるようにすること。
オ イについては,内容の(3)のまとめの項目であることに留意し,これに配当する授業時数はアの(ア)~(オ)の各項目に比べて増大することのないようにすること。



〔歴史的分野〕 1 目 標
(1) 歴史的事象に対する関心を高め,我が国の歴史の大きな流れと各時代の特色を世界の歴史を背景に理解させ,それを通して我が国の文化と伝統の特色を広い視野に立って考えさせるとともに,我が国の歴史に対する愛情を深め,国民としての自覚を育てる。
(2) 国家・社会及び文化の発展や人々の生活の向上に尽くした歴史上の人物と現在に伝わる文化遺産を,その時代や地域との関連において理解させ,尊重する態度を育てる。
(3) 歴史に見られる国際関係や文化交流のあらましを理解させ,我が国と諸外国の歴史や文化が相互に深くかかわっていることを考えさせるとともに,他民族の文化,生活などに関心をもたせ,国際協調の精神を養う。
(4) 身近な地域の歴史や具体的な事象の学習を通して歴史に対する興味や関心を高め,様々な資料を活用して歴史的事象を多面的・多角的に考察し公正に判断するとともに適切に表現する能力と態度を育てる。
2 内 容
(1) 歴史の流れと地域の歴史
ア 我が国の歴史について,関心ある主題を設定しまとめる作業的な活動を通して,時代の移り変わりに気付かせるとともに,歴史を学ぶ意欲を高める。
イ 身近な地域の歴史を調べる活動を通して,地域への関心を高め,地域の具体的な事柄とのかかわりの中で我が国の歴史を理解させるとともに,歴史の学び方を身に付けさせる。
(2) 古代までの日本
ア 人類が出現し,やがて世界の古代文明が生まれたこと,また,日本列島で狩猟・採集を行っていた人々の生活が農耕の広まりとともに変化していったことを理解させる。
イ 国家が形成されていく過程のあらましを,東アジアとのかかわり,古墳の広まり,大和朝廷による統一を通して理解させる。その際,当時の人々の信仰,大陸から移住してきた人々の我が国の社会に果たした役割に気付かせる。
ウ 大陸の文物や制度を積極的に取り入れながら国家の仕組みが整えられ,その後,天皇・貴族の政治が展開されたことを,聖徳(しょうとく)太子の政治と大化の改新,律令(りつりょう)国家の確立,摂関政治を通して理解させる。
エ 国際的な要素をもった文化が栄え,後に文化の国風化が進んだことを理解させる。
(3) 中世の日本
ア 武士が台頭し武家政権が成立したこととその後の武家社会の展開を鎌倉(かまくら)幕府の成立,南北朝の争乱と室町幕府,応仁(おうにん)の乱後の社会的な変動を通して理解させるとともに,元寇(げんこう),日明(にちみん)貿易,琉球(りゅうきゅう)の国際的な役割など,その間の東アジア世界とのかかわりに気付かせる。
イ 農業などの諸産業が発達し,畿内(きない)を中心とした都市や農村に自治的な仕組みが生まれたことを理解させるとともに,武士や民衆の活力を背景にして生み出された新たな文化の特色について考えさせる。
(4) 近世の日本
ア 戦国の動乱とその時期のヨーロッパ人の来航について理解させるとともに,その文化の伝来が我が国の社会に及ぼした影響について考えさせる。
イ 織田(おだ)・豊臣(とよとみ)による統一事業とその当時の対外関係のあらましを通して政治や社会の大きな変化を理解させるとともに,武将や豪商などの生活文化の展開に気付かせる。
ウ 江戸幕府の成立と大名統制,鎖国政策,身分制度の確立及び農村の様子を通して,江戸幕府の政治の特色について考えさせる。その際,鎖国下の対外関係に気付かせる。
エ 産業,交通などが発達し,町人文化が都市を中心に形成されたことを理解させるとともに,地方の生活文化について着目させ,現在との結び付きについて考えさせる。
オ 社会の変動や欧米諸国の接近に対応した幕府の政治改革と政治の行き詰まりを理解させるとともに,新しい学問・思想の動きについて気付かせる。
(5) 近現代の日本と世界
ア 市民革命や産業革命を経た欧米諸国のアジアへの進出を背景に,開国とその影響について理解させる。
イ 明治維新の経緯のあらましを理解させ,新政府の諸改革により近代国家の基礎が整えられたことに気付かせるとともに,人々の生活の大きな変化について考えさせる。
ウ 急速に近代化を進めた我が国の国際的地位の向上と大陸との関係のあらましを,自由民権運動と大日本帝国憲法の制定,日清(にっしん)・日露戦争,条約改正を通して理解させる。
エ 政府の富国強兵・殖産興業政策の下で進展した我が国の近代産業が産業革命を経て発展したことと,その中での国民生活の変化について理解させる。また,この時期に近代文化が形成され,都市を中心に文化の大衆化が進んだことに気付かせる。
オ 第一次世界大戦前後の国際情勢のあらましを理解させるとともに,民族運動の高まり,国際平和への努力,この時期の我が国の国民の政治的自覚の高まりに気付かせる。
カ 昭和初期から第二次世界大戦の終結までの我が国の政治・外交の動き,中国などアジア諸国との関係,欧米諸国の動きに着目させて,経済の混乱と社会問題の発生,軍部の台頭から戦争までの経過を理解させるとともに,戦時下の国民の生活に着目させる。また,大戦が人類全体に惨禍を及ぼしたことを理解させる。
キ 第二次世界大戦後,国際社会に復帰するまでの我が国の民主化と再建の過程や国際社会への参加について,世界の動きと関連させて理解させる。
ク 高度経済成長以降の我が国の動きを世界の動きと関連させてとらえさせ,経済や科学技術の急速な発展とそれに伴う国民の生活の向上や国際社会において我が国の役割が大きくなってきたことについて気付かせる。


3 内容の取扱い
(1) 内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
ア 生徒の発達段階を考慮し,抽象的で高度な内容や複雑な社会構造などに深入りすることは避けるとともに,各時代の特色を表す歴史的事象を重点的に選んで指導内容を構成することにより,細かな知識を記憶するだけの学習に陥らないようにすること。なお,年代の表し方や時代区分についても基本的な理解を得させるようにすること。
イ 世界の歴史については,我が国の歴史を理解する際の背景として我が国の歴史と直接かかわる事柄を取り扱うにとどめること。
ウ 歴史的事象の指導に当たっては,地理的分野との連携を踏まえ,地理的条件にも着目して取り扱うよう工夫するとともに,公民的分野との関連にも配慮すること。
エ 国家・社会及び文化の発展や人々の生活の向上に尽くした歴史上の人物に対する生徒の興味・関心を育てる指導に努めるとともに,それぞれの人物が果たした役割や生き方などについて時代的背景と関連付けて考察させるようにすること。その際,身近な地域の歴史上の人物を取り上げることにも留意すること。
オ 日本人の生活や生活に根ざした文化については,各時代の政治や社会の動き及び各地域の地理的条件,身近な地域の歴史とも関連付けて指導するとともに,民俗学などの成果の活用や博物館,郷土資料館などの見学・調査を通じて,生活文化の展開を具体的に学ぶことができるようにすること。
(2) 内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アについては,小学校における学習を踏まえ,中学校の歴史学習の導入として実施することを原則とすること。取り上げる主題は幾つかの時代にまたがるものとし,各時代ごとの細かな事象への深入りを避けるようにすること。
イ イについては,内容の(2)以下とかかわらせて計画的に実施し,地域の特性に応じた時代を取り上げるようにするとともに,人々の生活や生活に根ざした文化に着目した取扱いを工夫すること。その際,博物館,郷土資料館などの活用も考慮すること。
ウ ア及びイについては,適切かつ十分な授業時数を配当すること。
(3) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの「世界の古代文明」については,中国の古代文明を例として取り上げ,生活技術の発達,文字の使用などに気付かせるようにすること。また,稲作が大陸から日本列島に伝わったことについて気付かせるようにすること。
イ イの「国家が形成されていく過程のあらまし」については,氏姓制度などの細かな事象に深入りしないようにすること。また,「東アジアとのかかわり」については,我が国との交流を扱い,東アジアにおける王朝の変遷などの詳細は取り扱わないこと。
ウ ウについては,律令国家の形成以後,それを変質させながら奈良の都や平安京において天皇・貴族の政治が行われたことをとらえさせる観点から取り扱うようにすること。その際,律令制の変質や律令政治の実態などに深入りしないようにすること。
エ エについては,代表的な事例を取り上げて,仏教の影響,文化を担った人々などに着目して取り扱い,網羅的な取扱いにならないようにすること。
オ 考古学などの成果を活用するとともに,神話・伝承などの学習を通して,当時の人々の信仰やものの見方などに気付かせるよう留意すること。
(4) 内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。:
ア アについては,武家政治の特色をとらえさせるようにし,「武家社会の展開」については,土地制度などの細かな史実や政治機構の詳細などに深入りしないようにすること。
イ イの「農村」については,徳政令,一揆(いっき)について網羅的な取扱いにならないようにするとともに,それらの内容に深入りしないようにすること。文化については,代表的な事例を取り上げてその特色を考えさせるようにし,網羅的な取扱いにならないようにすること。
(5) 内容の(4)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの「ヨーロッパ人の来航」の背景については,新航路の開拓を中心に取り扱い,宗教改革については深入りしないようにすること。
イ イについては,それまでの時代との違いを理解させることを中心にし,細かな史実に深入りしないようにすること。
ウ ウの「鎖国下の対外関係」については,オランダ,中国との交易のほか,朝鮮との交流や琉球の役割についても扱うようにすること。また,北方との交易をしていたアイヌについても着目させるようにすること。
エ エの「産業,交通などが発達」したことについては,身近な地域の特色を生かして学習することを中心にし,網羅的な取扱いにならないようにすること。また,「町人文化」については,代表的な事例を取り上げて特色を考えさせるようにし,網羅的な取扱いにならないようにすること。「地方の生活文化」については,身近な地域の事例を取り上げるよう配慮すること。
オ オの「社会の変動」については,商業の発達,百姓一揆などを農村の変化との関連で取り扱うが,高度な内容や細かな史実に深入りしないようにすること。「欧米諸国の接近」については,国内の対応を扱うにとどめること。「幕府の政治改革と政治の行き詰まり」については,代表的な事例を通して指導するようにすること。
(6) 内容の(5)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの「市民革命」や「産業革命」については,代表的な一,二の国の例を取り上げて扱うようにすること。「欧米諸国のアジアへの進出」については,近代社会の成立の下,新たな市場や原料,植民地を求めてアジアにも進出したものであることを欧米諸国の事例を選んで取り上げるようにすること。ただし,これらは我が国の歴史を理解するための背景として取り扱うにとどめ,各事象の詳細にわたらないようにすること。
イ イの「明治維新」については,複雑な国際情勢の中で独立を保ち,近代国家を形成していった政府や人々の努力に気付かせるようにすること。「新政府の諸改革」については,廃藩置県,学制・兵制・税制の改革,身分制度の廃止,領土の画定を扱うこと。
ウ ウの「大日本帝国憲法の制定」については,これにより当時アジアで唯一の立憲制の国家が成立し議会政治が始まったことの意義について気付かせるようにすること。また,「条約改正」については,欧米諸国との対等の外交関係を樹立するための人々の努力に気付かせるようにすること。
エ エの「産業革命」については,都市や農山漁村の生活に大きな変化が生じたことに気付かせるようにすること。また,「近代文化」については,学問,教育,科学技術,芸術などの発展を扱い,その進歩が著しかったことや伝統的な文化の上に欧米文化を受容して形成されたものであることを,代表的な事例を取り上げて気付かせるようにし,網羅的な取扱いにならないようにすること。
オ オの「第一次世界大戦前後の国際情勢のあらまし」については,大戦の背景,日本の参戦,ロシア革命,戦後の国際協調の動きを通して,世界の動きと我が国との関連を重点的にとらえさせるようにすること。また,「我が国の国民の政治的自覚の高まり」については,大正デモクラシーの時期の政党政治の発達,民主主義思想の普及,社会運動の展開を扱うが,詳細な経緯は取り扱わないこと。
カ カについては,世界の動きと我が国との関連を重点的にとらえさせるとともに,国際協調と国際平和の実現に努めることが大切であることに気付かせるようにすること。
キ キについては,国民が苦難を乗り越えて新しい日本の建設に努力したことに気付かせるようにすること。
ク クについては,節目となる歴史的事象を取り上げて扱うようにすること。



〔公民的分野〕 1 目 標
(1) 個人の尊厳と人権の尊重の意義,特に自由・権利と責任・義務の関係を広い視野から正しく認識させ,民主主義に関する理解を深めるとともに,国民主権を担う公民として必要な基礎的教養を培う。
(2) 民主政治の意義,国民の生活の向上と経済活動とのかかわり及び現代の社会生活などについて,個人と社会とのかかわりを中心に理解を深めるとともに,社会の諸問題に着目させ,自ら考えようとする態度を育てる。
(3) 国際的な相互依存関係の深まりの中で,世界平和の実現と人類の福祉の増大のために,各国が相互に主権を尊重し,各国民が協力し合うことが重要であることを認識させるとともに,自国を愛し,その平和と繁栄を図ることが大切であることを自覚させる。
(4) 現代の社会的事象に対する関心を高め,様々な資料を適切に収集,選択して多面的・多角的に考察し,事実を正確にとらえ,公正に判断するとともに適切に表現する能力と態度を育てる。
2 内 容
(1) 現代社会と私たちの生活
ア 現代日本の歩みと私たちの生活
現代日本の発展の過程と国際化の進展のあらましについて理解させるとともに,現代社会の特色に気付かせる。その際,高度経済成長から今日までの我が国や国際社会の変容について,国民生活と関連させて理解させるとともに,国際社会における我が国の役割について考えさせる。
イ 個人と社会生活
家族や地域社会などの機能を扱い,人間は本来社会的存在であることに着目させ,個人と社会とのかかわりについて考えさせる。その際,現在の家族制度における個人の尊厳と両性の本質的平等,社会生活における取決めの重要性やそれを守ることの意義及び個人の責任などに気付かせる。
(2) 国民生活と経済
ア 私たちの生活と経済
身近な消費生活を中心に経済活動の意義を理解させるとともに,価格の働きに着目させて市場経済の基本的な考え方について理解させる。また,現代の生産の仕組みのあらましや金融の働きについて理解させるとともに,社会における企業の役割と社会的責任について考えさせる。その際,社会生活における職業の意義と役割及び雇用と労働条件の改善について,勤労の権利と義務,労働組合の意義及び労働基準法の精神と関連付けて考えさせる。
イ 国民生活と福祉
国民生活と福祉の向上を図るために,国や地方公共団体が果たしている経済的な役割について考えさせる。その際,社会資本の整備,公害の防止など環境の保全,社会保障の充実,消費者の保護,租税の意義と役割及び国民の納税の義務について理解させるとともに,限られた財源の配分という観点から財政について考えさせる。
(3) 現代の民主政治とこれからの社会
ア 人間の尊重と日本国憲法の基本的原則
人間の尊重についての考え方を,基本的人権を中心に深めさせるとともに,法の意義に着目させ,民主的な社会生活を営むためには,法に基づく政治が大切であることを理解させ,我が国の政治が日本国憲法に基づいて行われていることの意義について考えさせる。また,日本国憲法が基本的人権の尊重,国民主権及び平和主義を基本的原則としていることについての理解を深め,日本国及び日本国民統合の象徴としての天皇の地位と天皇の国事に関する行為について理解させる。
イ 民主政治と政治参加
地方自治の基本的な考え方について理解させる。その際,地方公共団体の政治の仕組みについて理解させるとともに,住民の権利や義務に関連させて,地方自治の発展に寄与しようとする住民としての自治意識の基礎を育てる。また,国会を中心とする我が国の民主政治の仕組みのあらましや政党の役割を理解させ,議会制民主主義の意義について考えさせるとともに,多数決の原理とその運用の在り方について理解を深める。さらに,法に基づく公正な裁判の保障があることについて理解させるとともに,民主政治を推進するためには,公正な世論の形成と国民の政治参加が大切であることに気付かせる。その際,選挙の意義について考えさせる。
ウ 世界平和と人類の福祉の増大
世界平和の実現と人類の福祉の増大のためには,国家間の相互の主権の尊重と協力,各国民の相互理解と協力が大切であることを認識させる。その際,日本国憲法の平和主義について理解を深め,我が国の安全と防衛の問題について考えさせるとともに,核兵器の脅威に着目させ,戦争を防止し,世界平和を確立するための熱意と協力の態度を育てる。また,人類の福祉の増大を図り,よりよい社会を築いていくために解決すべき課題として,地球環境,資源・エネルギー問題などについて考えさせる。


3 内容の取扱い
(1) 内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
ア 地理的分野及び歴史的分野の学習の成果を活用するとともに,これらの分野で育成された能力や態度が,更に高まり発展するようにすること。また,社会的事象は相互に関連し合っていることに留意し,特定の内容に偏ることなく,分野全体として見通しをもったまとまりのある学習が展開できるようにすること。
イ 生徒が内容の基本的な意味を理解できるように配慮して,専門用語を乱用したり細かな事柄や程度の高い事項の学習に深入りしたりすることを避け,日常の社会生活と関連付けながら具体的事例を通して政治や経済などについての見方や考え方の基礎が養えるようにすること。
(2) 内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アについては,次のとおり取り扱うものとすること。
(ア) 地理的分野,歴史的分野との関連を図り,世界と比べて見た日本や高度経済成長以降の我が国の節目となる歴史的事象についての学習を踏まえ,現代日本の様々な事象について身近な生活と関連付けて理解を深めることができるよう工夫を行うこと。
(イ) 調査や討論など多様な学習活動を取り入れたり,適切な課題を設けて行う学習を取り入れるなどの工夫を行うこと。例えば,日本経済の発展に伴う国民生活の向上,貿易を通しての日本と世界の結び付きの変化,国際社会における日本の役割の変化等の課題を設け,世界との関係を踏まえ,過去と現在との比較を通して追究させるなど,地理的分野,歴史的分野の学習の成果を生かすようにすること。
(ウ) 「現代日本の発展の過程」については,科学技術の発展や経済成長を通しての国民生活の変化,特に衣食住や生活意識の変化に着目させて理解させるとともに,職業や余暇生活の多様化,情報化の進展などが社会生活に与えた影響について気付かせること。
(エ) 「国際社会の変容」については,国際的な協力や協調が政治や経済の面で一層進んできたことに気付かせること。
(オ) 「国際社会における我が国の役割」については,国際平和や経済協力の具体的な事例を取り上げて考えさせること。
イ イについては,身近な社会集団として家族,学校,地域社会などを取り上げるとともに,個人が結び付いて社会が生まれ,社会生活が営まれていることを理解させ,社会生活を円滑にするために互いの合意に基づいてルールがつくられていることなど,日常の具体的な事例を取り上げて考えさせること。
ウ ア及びイについては,公民的分野の導入部として位置付け,適切かつ十分な授業時数を配当すること。
(3) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アについては,網羅的で高度な取扱いにならないよう特に配慮するとともに,身近で具体的な事例を取り上げ,経済活動が様々な条件の中での選択を通じて行われるという点に着目させて,市場経済の基本的な考え方を理解させること。また,「金融の働き」については,具体例を取り上げて理解させること。
イ イについては,全体として,細かな事柄,制度や仕組みの学習に深入りすることを避け,あらましについて理解させること。また,「消費者の保護」については,消費者保護行政を中心に取り扱うこと。「財政」については,少子高齢社会など現代社会の特色を踏まえて考えさせること。
(4) 内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アについては,日本国憲法の基本的な考え方を中心に理解させるようにし,条文解釈に深入りしないように留意すること。
イ イについては,次のとおり取り扱うものとすること。
(ア) 調査や見学などを通して具体的に理解させること。
(イ) 「地方公共団体の政治の仕組み」については,細かな事柄は取り扱わないようにし,基本的な内容の理解にとどめること。また,「国会を中心とする我が国の民主政治の仕組みのあらまし」については,議会制民主主義の意義,議院内閣制の仕組み,国民の権利・義務を保障し社会の秩序を維持するための裁判の働きなどの基本的な理解にとどめ,国会,内閣,裁判所の細かな組織や働きについて深入りしないこと。
ウ ウについては,次のとおり取り扱うものとすること。
(ア) 地理的分野,歴史的分野との関連を図り,その学習の成果を生かす工夫を行うこと。
(イ) 「世界平和の実現」については,領土(領海,領空を含む),国家主権,主権の相互尊重,国際連合の働きなど基本的な事項を踏まえて理解させるように留意すること。なお,国際連合などを取り上げる際には,主要な組織とその働きなどの基本的な理解にとどめること。
(ウ) 「国家間の相互の主権の尊重と協力」との関連で,国旗及び国歌の意義並びにそれらを相互に尊重することが国際的な儀礼であることを理解させ,それらを尊重する態度を育てるよう配慮すること。
(エ) 「地球環境,資源・エネルギー問題」については,適切な課題を設けて行う学習を取り入れるなどの工夫を行い,国際的な協力や協調の必要性に着目させるとともに,身近な地域の生活との関連性を重視し,世界的な視野と地域的な視点に立って追究させる工夫を行うこと。


(5) 内容の指導に当たっては,教育基本法第8条の規定に基づき,適切に行うよう特に慎重に配慮して,生徒の公正な判断力の育成を目指すものとする。


第3 指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 小学校社会科の内容との関連及び各分野相互の有機的な関連を図るとともに,地理的分野及び歴史的分野の基礎の上に公民的分野の学習を展開するこの教科の基本的な構造に留意して,全体として教科の目標が達成できるようにする必要があること。
(2) 各分野の履修については,第1学年から地理的分野と歴史的分野を並行して学習させることを原則とし,その基礎の上に第3学年で公民的分野を学習させること。各分野に配当する授業時数は,地理的分野105単位時間,歴史的分野105単位時間,公民的分野85単位時間とすること。これらの点に留意し,各学校で創意工夫して適切な指導計画を作成すること。
(3) 知識に偏り過ぎた指導にならないようにするため,基本的な事項・事柄を厳選して指導内容を構成するものとし,細かな事象を網羅的に羅列したり高度な事項・事柄に深入りしたりしないこと。
また,生徒の主体的な学習を促し,課題を解決する能力を一層培うため,各分野において,第2の内容の範囲や程度に十分配慮しつつ事項を再構成するなどの工夫をして,適切な課題を設けて行う学習の充実を図るようにすること。
2 指導の全般にわたって,資料を選択し活用する学習活動を重視するとともに作業的,体験的な学習の充実を図るようにする。その際,地図や年表を読みかつ作成すること,新聞,読み物,統計その他の資料に平素から親しみ適切に活用すること,観察や調査などの過程と結果を整理し報告書にまとめ,発表することなどの活動を取り入れるようにする。また,資料の収集,処理や発表などに当たっては,コンピュータや情報通信ネットワーク,教育機器の活用を促すようにする。
3 第2の内容の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は,すべての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり,学校において特に必要がある場合には,この事項にかかわらず指導することができること。
4 選択教科としての「社会」においては,生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう,第2の内容その他の内容で各学校が定めるものについて,見学・調査,課題学習,自由研究的な学習,作業的,体験的な学習,補充的な学習,発展的な学習などの学習活動を各学校において適切に工夫して取り扱うものとする。

[編集] 第3節 数学

第1 目 標
数量,図形などに関する基礎的な概念や原理・法則の理解を深め,数学的な表現や処理の仕方を習得し,事象を数理的に考察する能力を高めるとともに,数学的活動の楽しさ,数学的な見方や考え方のよさを知り,それらを進んで活用する態度を育てる。


第2 各学年の目標及び内容
〔第1学年〕
1 目 標
(1) 数を正の数と負の数まで拡張し,数の概念についての理解を深める。また,文字を用いることの意義及び方程式の意味を理解するとともに,数量などの関係や法則を一般的にかつ簡潔に表現し,処理できるようにする。
(2) 平面図形や空間図形についての観察,操作や実験を通して,図形に対する直観的な見方や考え方を深めるとともに,論理的に考察する基礎を培う。
(3) 具体的な事象を調べることを通して,比例,反比例の見方や考え方を深めるとともに,数量の関係を表現し考察する基礎を培う。
2 内 容
A 数と式
(1) 正の数と負の数について具体的な場面での活動を通して理解し,その四則計算ができるようにする。
ア 負の数の必要性を知り,正の数と負の数の意味を理解すること。
イ 正の数と負の数の四則計算の意味を理解し,簡単な計算ができること。
(2) 文字を用いて関係や法則を式に表現したり式の意味をよみとったりする能力を養うとともに,文字を用いた式の計算ができるようにする。
ア 文字を用いることの意義を理解すること。
イ 文字を用いた式における乗法,除法の表し方を知ること。
ウ 簡単な一次式の加法と減法の計算ができること。
(3) 方程式について理解し,一元一次方程式を用いることができるようにする。
ア 方程式及びその中の文字や解の意味を理解すること。
イ 等式の性質を見いだし,方程式がそれに基づいて解けることを知ること。
ウ 簡単な一元一次方程式を解くことができ,それを利用できること。
〔用語・記号〕
自然数 符号 絶対値 項 係数 < > ≦ ≧
B 図 形
(1) 基本的な図形を見通しをもって作図する能力を伸ばすとともに,平面図形についての理解を深める。
ア 線対称,点対称の意味を理解するとともに,対称性に着目して平面図形についての直観的な見方や考え方を深めること。
イ 角の二等分線,線分の垂直二等分線,垂線などの基本的な作図の方法を理解し,それを利用することができること。
(2) 図形を観察,操作や実験を通して考察し,空間図形についての理解を深める。また,図形の計量についての能力を伸ばす。
ア 空間における直線や平面の位置関係を知ること。
イ 空間図形を直線や平面図形の運動によって構成されているものととらえたり空間図形を平面上に表現したりすることができること。
ウ 扇形の弧の長さと面積及び基本的な柱体,錐(すい)体の表面積と体積を求めることができること。
〔用語・記号〕
弧 弦 回転体 π // ⊥ ∠ △
C 数量関係
(1) 具体的な事象の中にある二つの数量の変化や対応を調べることを通して,比例,反比例の関係を見いだし表現し考察する能力を伸ばす。
ア 比例,反比例の意味を理解すること。
イ 座標の意味を理解すること。
ウ 比例,反比例を表,式,グラフなどで表し,それらの特徴を理解すること。
エ 比例,反比例の見方や考え方を活用できること。
〔用語・記号〕
変数 変域
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A数と式」の(2)のウについては,一元一次方程式を解くのに必要な程度の式の計算を取り上げるものとする。
(2) 内容の「A数と式」の(2)における式の値を求める計算については,一つの文字に代入する場合のみを取り上げるものとする。
(3) 内容の「B図形」の(1)に関連して,円の接線はその接点を通る半径に垂直であることを取り扱うものとする。
(4) 内容の「B図形」の(2)のイについては,断面図や投影図は取り扱わないものとする。
(5) 内容の「B図形」の(2)のウについては,三角形や円などの図形を底面とする柱体,錐体について取り扱うものとする。


〔第2学年〕
1 目 標
(1) 文字を用いた式について,目的に応じて計算したり変形したりする能力を伸ばすとともに,連立二元一次方程式について理解し,それを用いる能力を養う。
(2) 基本的な平面図形の性質について,観察,操作や実験を通して理解を深めるとともに,図形の性質の考察における数学的な推論の意義と方法とを理解し,推論の過程を的確に表現する能力を養う。
(3) 具体的な事象を調べることを通して,一次関数について理解するとともに,関数関係を見いだし表現し考察する能力を養う。また,具体的な事象についての観察や実験を通して,確率の考え方の基礎を培う。
2 内 容
A 数と式
(1) 事象の中に数量の関係を見いだし,それを文字を用いて式に表現し活用する能力を伸ばすとともに,文字を用いた式の四則計算ができるようにする。
ア 簡単な整式の加法,減法及び単項式の乗法,除法の計算ができること。
イ 数量及び数量の関係をとらえるために文字式を利用できることを理解すること。
ウ 目的に応じて,簡単な式を変形できること。
(2) 連立二元一次方程式について理解し,それを用いることができるようにする。
ア 二元一次方程式とその解の意味を理解すること。
イ 連立二元一次方程式とその解の意味を理解し,簡単な連立二元一次方程式を解くことができ,それを利用できること。
〔用語・記号〕
同類項
B 図 形
(1) 観察,操作や実験を通して,基本的な平面図形の性質を見いだし,平行線の性質を基にしてそれらを確かめることができるようにする。
ア 平行線や角の性質を理解し,それに基づいて図形の性質を確かめることができること。
イ 平行線の性質や三角形の角についての性質を基にして,多角形の角についての性質が見いだせることを知ること。
(2) 平面図形の性質を三角形の合同条件などを基にして確かめ,論理的に考察する能力を養う。
ア 証明の意義と方法について理解すること。
イ 三角形の合同条件を理解し,それに基づいて三角形や平行四辺形の性質を論理的に確かめることができること。
ウ 円周角と中心角の関係を観察や実験などを通して見いだし,それが論理的に確かめられることを知ること。
〔用語・記号〕
対頂角 内角 外角 定義 証明 ≡
C 数量関係
(1) 具体的な事象の中から二つの数量を取り出し,それらの変化や対応を調べることを通して,一次関数について理解するとともに,関数関係を見いだし表現し考察する能力を養う。
ア 事象の中には一次関数を用いてとらえられるものがあることを知ること。
イ 一次関数のとる値の変化の割合とグラフの特徴を理解するとともに,一次関数を利用できること。
ウ 二元一次方程式を関数を表す式とみることができること。
(2) 具体的な事象についての観察や実験を通して,確率について理解する。
ア 起こり得る場合を順序よく整理することができること。
イ 不確定な事象が起こり得る程度を表す確率の意味を理解し,簡単な場合について確率を求めることができること。


3 内容の取扱い
(1) 内容の「A数と式」の(2)のイについては,A=B=Cの形の連立二元一次方程式は取り扱わないものとする。
(2) 内容の「B図形」の(2)のイに関連して,正方形,ひし形,長方形を取り扱う際には,これらが平行四辺形の特別な形であることを理解するにとどめるものとする。
(3) 内容の「B図形」の(2)のウについては,円周角の定理の逆は取り扱わないものとする。
(4) 内容の「C数量関係」の(1)のウについては,x=hは取り扱わないものとする。
(5) 内容の「C数量関係」の(2)のイについては,起こり得るすべての場合を樹形図などを利用して簡単に求めることができる程度の事象を取り上げるものとする。
(6) 内容の「C数量関係」の(2)のイについては,確率を余事象の考えによって求めることは取り扱わないものとする。


〔第3学年〕
1 目 標
(1) 数の平方根について理解し,数の概念についての理解を一層深める。また,目的に応じて計算したり式を変形したりする能力を一層伸ばすとともに,二次方程式について理解し,式を能率的に活用できるようにする。
(2) 図形の相似や三平方の定理について,観察,操作や実験を通して理解し,それらを図形の性質の考察や計量に用いる能力を伸ばすとともに,図形について見通しをもって論理的に考察し表現する能力を伸ばす。
(3) 具体的な事象を調べることを通して,関数 について理解するとともに,関数関係を見いだし表現し考察する能力を伸ばす。
2 内 容
A 数と式
(1) 正の数の平方根について理解し,それを用いることができるようにする。
ア 数の平方根の必要性と意味を理解すること。
イ 数の平方根を含む簡単な式の計算ができること。
(2) 文字を用いた簡単な多項式について,式の展開や因数分解ができるようにするとともに,目的に応じて式を変形できるようにする。
ア 単項式と多項式の乗法及び多項式を単項式で割る除法の計算ができること。
イ 簡単な一次式の乗法の計算ができ,次の公式を用いる簡単な式の展開や因数分解ができること。


(3) 二次方程式について理解し,それを用いることができるようにする。
ア 二次方程式の必要性を知り,その解の意味を理解すること。
イ 簡単な二次方程式を解くことができ,それを利用できること。
〔用語・記号〕
根号 素数 因数 √
B 図 形
(1) 図形の性質を三角形の相似条件を基にして確かめ,論理的に考察し表現する能力を伸ばす。
ア 図形の相似の意味を理解し,三角形の相似条件を用いて図形の性質を論理的に確かめることができること。
イ 平行線と線分の比についての性質を見いだし,それらを確かめることができること。
ウ 相似の考えを活用できること。
(2) 三平方の定理について理解し,それを用いることができるようにする。
ア 三平方の定理を見いだし,それが証明できることを知ること。
イ 三平方の定理の意味を理解し,それを利用できること。
〔用語・記号〕
C 数量関係
(1) 具体的な事象の中から二つの数量を取り出し,それらの変化や対応を調べることを通して,関数 について理解するとともに,関数関係を見いだし表現し考察する能力を伸ばす。
ア 事象の中には関数 としてとらえられるものがあることを知ること。
イ 関数 のグラフの特徴と関数のとる値の変化の割合について理解すること。


3 内容の取扱い
(1) 内容の「A数と式」の(1)については,平方根表は取り扱わないものとする。
(2) 内容の「A数と式」の(2)などに関連して,自然数を素因数に分解することを取り扱うものとする。
(3) 内容の「A数と式」の(2)のイについては,公式が利用できる程度のものにとどめ,多項式を一つの文字に置き換えての因数分解は取り扱わないものとする。
(4) 内容の「A数と式」の(3)のイについては,(a,bは有理数で,実数解をもつもの)の二次方程式及び (p,qは整数で,実数解をもつもの)の二次方程式のうち内容の「A数と式」の(2)のイに示した公式を利用し因数分解を用いて解くことのできるものを取り上げることを原則とする。因数分解を用いて解くことができない二次方程式については,xの係数が偶数である簡単な例を取り上げ,平方の形に変形して解く方法があることを知ることにとどめるものとする。解の公式は取り扱わないものとする。


第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 第2の各学年の目標の達成に支障のない範囲内で,当該学年の内容の一部を軽く取り扱い,それを後の学年で指導することができる。また,学年の目標を逸脱しない範囲内で,後の学年の内容の一部を加えて指導することもできる。
2 生徒の主体的な学習を促し数学的な見方や考え方の育成を図るため,各領域の内容を総合したり日常の事象に関連付けたりした適切な課題を設け,作業,観察,実験,調査などの活動を重視して行う課題学習を各学年で指導計画に適切に位置付け実施するものとする。
3 第2の各学年の内容に示す〔用語・記号〕は,当該学年で取り扱う内容の範囲や程度を明確にするために示したものであり,その指導に当たっては,各学年の内容と密接に関連させて取り上げるよう配慮するものとする。
4 各領域の指導に当たっては,必要に応じ,そろばん,電卓,コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用し,学習の効果を高めるよう配慮するものとする。特に,数値計算にかかわる内容の指導や観察,操作,実験などによる指導を行う際にはこのことに配慮するものとする。
5 第2の内容の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は,すべての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり,学校において特に必要がある場合には,この事項にかかわらず指導することができること。
6 選択教科としての「数学」においては,生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう,第2の内容その他の内容で各学校が定めるものについて,課題学習,作業,実験,調査,補充的な学習,発展的な学習などの学習活動を各学校において適切に工夫して取り扱うものとする。

[編集] 第4節 理科

第1 目 標
自然に対する関心を高め,目的意識をもって観察,実験などを行い,科学的に調べる能力と態度を育てるとともに自然の事物・現象についての理解を深め,科学的な見方や考え方を養う。
第2 各分野の目標及び内容
[第1分野]
1 目 標
(1) 物質やエネルギーに関する事物・現象に対する関心を高め,その中に問題を見いだし意欲的に探究する活動を通して,規則性を発見したり課題を解決したりする方法を習得させる。
(2) 物理的な事物・現象についての観察,実験を行い,観察・実験技能を習得させ,観察,実験の結果を考察して自らの考えを導き出し表現する能力を育てるとともに,身近な物理現象,電流とその利用,運動の規則性などについて理解させ,これらの事象に対する科学的な見方や考え方を養う。
(3) 化学的な事物・現象についての観察,実験を行い,観察・実験技能を習得させ,観察,実験の結果を考察して自らの考えを導き出し表現する能力を育てるとともに,身の回りの物質,化学変化と原子,分子,物質と化学反応の利用などについて理解させ,これらの事象に対する科学的な見方や考え方を養う。
(4) 物質やエネルギーに関する事物・現象を調べる活動を通して,日常生活と関連付けて科学的に考える態度を養うとともに,自然を総合的に見ることができるようにする。
2 内 容
(1) 身近な物理現象
身近な事物・現象についての観察,実験を通して,光や音の規則性,力の性質について理解させるとともに,これらの事象を日常生活と関連付けて科学的にみる見方や考え方を養う。
ア 光と音
(ア) 光の反射や屈折の実験を行い,光が水やガラスなどの物質の境界面で反射,屈折するときの規則性を見いだすこと。
(イ) 凸レンズの働きについての実験を行い,物体の位置と像の位置及び像の大きさの関係を見いだすこと。
(ウ) 音についての実験を行い,音はものが振動することによって生じ空気中などを伝わること及び音の高さや大きさは発音体の振動の仕方に関係することを知ること。
イ 力と圧力
(ア) 物体に力を働かせる実験を行い,物体に力が働くとその物体が変形したり動き始めたり,運動の様子が変わったりすることを見いだすとともに,物体に働く2力についての実験を行い,力がつり合うときの条件を見いだすこと。
(イ) 圧力についての実験を行い,圧力は力の大きさと面積に関係があることを見いだすとともに,空気に重さがあることを調べる実験を行い,その結果を大気圧と関連付けてとらえること。
(2) 身の回りの物質
身の回りの物質についての観察,実験を通して,固体や液体,気体の性質,物質の状態変化について理解させるとともに,物質の性質や変化の調べ方の基礎を身に付けさせる。
ア 物質のすがた
(ア) 身の回りの物質の性質を様々な方法で調べ,物質には密度や電気の通りやすさ,加熱したときの変化など固有の性質と共通の性質があることを見いだすとともに,実験器具の操作,記録の仕方などの技能を身に付けること。
(イ) 物質の状態変化についての観察,実験を行い,物質は融点や沸点を境に状態が変化することや沸点の違いによって物質の分離ができることを見いだすこと。また,状態変化によって物質の体積は変化するが質量は変化しないことを見いだすこと。
(ウ) 気体を発生させてその性質を調べる実験を行い,気体の種類による特性を見いだすとともに,気体を発生させる方法や捕集法などの技能を身に付けること。
イ 水溶液
(ア) 物質が水に溶ける様子の観察や再結晶の実験を行い,水溶液の中では溶質が均一に分散していること及び水溶液から溶質を取り出す方法を見いだすこと。
(イ) 酸,アルカリを用いた実験を行い,酸,アルカリの性質を見いだすとともに,酸とアルカリを混ぜると中和して塩が生成することを見いだすこと。
(3) 電流とその利用
電流回路についての観察,実験を通して,電流と電圧との関係及び電流の働きについて理解させるとともに,日常生活と関連付けて電流と磁界についての初歩的な見方や考え方を養う。
ア 電 流
(ア) 異なる物質同士をこすり合わせると静電気が起こり,帯電した物体間では空間を隔てて力が働くこと及び静電気と電流は関係があることを見いだすこと。
(イ) 回路をつくり,回路の電流や電圧を測定する実験を行い,各点を流れる電流や回路の各部に加わる電圧についての規則性を見いだすこと。
(ウ) 金属線に加わる電圧と電流を測定する実験を行い,電圧と電流の関係を見いだすとともに金属線には電気抵抗があることを見いだすこと。
イ 電流の利用
(ア) 磁石や電流による磁界の観察を行い,磁界を磁力線で表すことを理解するとともに,コイルの回りに磁界ができることを知ること。
(イ) 磁石とコイルを用いた実験を行い,磁界中のコイルに電流を流すと力が働くこと及びコイルや磁石を動かすことにより電流が得られることを見いだすこと。
(ウ) 電流によって熱や光などを発生させる実験を行い,電流から熱や光などが取り出せること及び電力の違いによって発生する熱や光などの量に違いがあることを見いだすこと。
(4) 化学変化と原子,分子
化学変化についての観察,実験を通して,化合,分解などにおける物質の変化やその量的な関係について理解させるとともに,これらの事象を原子,分子のモデルと関連付けてみる見方や考え方を養う。
ア 物質の成り立ち
(ア) 物質を分解する実験を行い,分解して生成した物質から元の物質の成分が推定できることを見いだすこと。
(イ) 物質は原子や分子からできていることを理解し,原子は記号で表されることを知ること。
イ 化学変化と物質の質量
(ア) 2種類の物質を化合させる実験を行い,反応前とは異なる物質が生成することを見いだすとともに,化学変化は原子や分子のモデルで説明できること,化合物の組成は化学式で表されること及び化学反応は化学反応式で表されることを理解すること。
(イ) 化学変化に関係する物質の質量を測定する実験を行い,反応の前後では物質の質量の総和が等しいこと及び反応する物質の質量の間には一定の関係があることを見いだすこと。
(5) 運動の規則性
物体の運動やエネルギーに関する観察,実験を通して,物体の運動の規則性やエネルギーの基礎について理解させるとともに,日常生活と関連付けて運動とエネルギーの初歩的な見方や考え方を養う。
ア 運動の規則性
(ア) 物体の運動についての観察,実験を行い,運動には速さと向きがあることを知ること。
(イ) 物体に力が働く運動及び力が働かない運動についての観察,実験を行い,力が働く運動では物体の速さなどが変わること及び力が働かない運動では物体は等速直線運動をすることを見いだすこと。
(ウ) エネルギーに関する実験や体験を通して,エネルギーには運動エネルギー,位置エネルギー,電気,熱や光など様々なものがあることを知るとともに,エネルギーが相互に変換されること及びエネルギーが保存されることを知ること。
(6) 物質と化学反応の利用
物質と化学反応に関する事象の観察,実験を通して,物質と化学反応の利用について理解させるとともに,これらの事象を日常生活と関連付けて科学的にみる見方や考え方を養う。
ア 物質と化学反応の利用
(ア) 酸化や還元の実験を行い,酸化や還元が酸素の関係する反応であることを見いだすこと。
(イ) 化学変化によって熱や電気を取り出す実験を行い,化学変化にはエネルギーの出入りが伴うことを見いだすこと。
(7) 科学技術と人間
エネルギー資源の利用と環境保全との関連や科学技術の利用と人間生活とのかかわりについて認識を深めるとともに,日常生活と関連付けて科学的に考える態度を養う。
ア エネルギー資源
(ア) 人間が利用しているエネルギーには水力,火力,原子力など様々なものがあることを知るとともに,エネルギーの有効な利用が大切であることを認識すること。
イ 科学技術と人間
(ア) 科学技術の進歩による成果として新素材などの利用が行われ,日常生活が豊かで便利になったことを知るとともに,環境との調和を図りながら科学技術を発展させていく必要があることを認識すること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)から(7)については,この順序で取り扱うものとする。
(2) 内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)については,全反射も扱うが,屈折率は扱わないこと。
イ アの(イ)については,実像と虚像を扱うが,レンズの公式は扱わないこと。また,像の位置,像の大きさの関係を実験により定性的に調べること。
ウ アの(ウ)については,音の伝わる速さについて,空気中を伝わるおよその速さを扱う程度とし,気温などとの関係には触れないこと。
エ イの(ア)については,力の合成と分解は扱わないこと。また,力の単位として「ニュートン」を用いること。
オ イの(イ)については,水圧は扱わないこと。
(3) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)については,有機物と無機物との違いや金属と非金属との違いにも触れること。「密度」については,同じ体積でも質量が異なるものがあることを知る程度にとどめること。
イ アの(イ)については,混合物の状態変化には深入りしないこと。
ウ アの(ウ)については,異なる方法を用いても同一の気体が得られることも扱うこと。
エ イの(ア)については,溶解度を定量的に扱うことはしないこと。
(4) 内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)については,帯電列には触れないこと。
イ アの(イ)の「回路」については,直列及び並列の回路のみを取り上げ,それぞれについて二つの抵抗のつなぎ方を扱う程度にとどめること。
ウ アの(ウ)の「電気抵抗」については,物質の種類によって抵抗の値が異なることを扱う程度とし,合成抵抗の式は扱わないこと。
エ イの(イ)については,レンツの法則,フレミングの法則は扱わないこと。
オ イの(ウ)については,電力量の概念は扱わないこと。また,定量的な扱いはしないこと。
(5) 内容の(4)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(イ)の「記号」については,指導上必要最小限のものにとどめること。
イ イの(ア)の「化学式」の種類については,必要最小限にとどめること。 「化学反応式」については,簡単な化学反応式が書ける程度とすること。
(6) 内容の(5)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)については,物体に力が働くとき反対向きにも力が働くことに触れること。
イ アの(イ)の「物体に力が働く運動」のうち,落下運動については自由落下ではなく斜面に沿った運動を扱い,規則性を定性的に見いだすこと。
ウ アの(ウ)については,エネルギーの変換に関連して摩擦にも触れること。
(7) 内容の(6)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)の「酸化や還元」については,必要最小限のものに限ること。
イ アの(イ)の「エネルギーの出入り」については,定量的な扱いはしないこと。また,イオンについては扱わないこと。
[第2分野]
1 目 標
(1) 生物とそれを取り巻く自然の事物・現象に対する関心を高め,その中に問題を見いだし意欲的に探究する活動を通して,規則性を発見したり課題を解決したりする方法を習得させる。
(2) 生物や生物現象についての観察,実験を行い,観察・実験技能を習得させ,観察,実験の結果を考察して自らの考えを導きだし表現する能力を育てるとともに,植物や動物の生活と種類,生物の細胞と生殖などについて理解させ,これらの事象に対する科学的な見方や考え方を養う。
(3) 地学的な事物・現象についての観察,実験を行い,観察・実験技能を習得させ,観察,実験の結果を考察して自らの考えを導きだし表現する能力を育てるとともに,大地の変化,天気とその変化,地球と宇宙などについて理解させ,これらの事象に対する科学的な見方や考え方を養う。
(4) 生物とそれを取り巻く自然の事物・現象を調べる活動を行い,自然の調べ方を身に付けるとともに,これらの活動を通して自然環境を保全し,生命を尊重する態度を育て,自然を総合的に見ることができるようにする。
2 内 容
(1) 植物の生活と種類
身近な植物についての観察,実験を通して,生物の調べ方の基礎を身に付けさせるとともに,植物の体のつくりと働きを理解させ,植物の種類やその生活についての認識を深める。
ア 生物の観察
(ア) 校庭や学校周辺の生物の観察を行い,いろいろな生物が様々な場所で生活していることを見いだすとともに,観察器具の操作,観察記録の仕方などの技能を身に付け,生物の調べ方の基礎を習得させること。
イ 植物の体のつくりと働き
(ア) いろいろな植物の花の観察を行い,その観察記録に基づいて,花の基本的なつくりの特徴を見いだすとともに,それらを花の働きと関連付けてとらえること。
(イ) いろいろな植物の葉,茎,根の観察を行い,その観察記録に基づいて,葉,茎,根の基本的なつくりの特徴を見いだすとともに,それらを光合成,呼吸,蒸散に関する実験結果と関連付けてとらえること。
ウ 植物の仲間
(ア) 花や葉,茎,根の観察記録に基づいて,それらを相互に関連付けて考察し,植物が体のつくりの特徴に基づいて分類できることを見いだすとともに,植物の種類を知る方法を身に付けること。
(2) 大地の変化
大地の活動の様子や身近な地形,地層,岩石などの観察を通して,地表に見られる様々な事物・現象を大地の変化と関連付けてみる見方や考え方を養う。
ア 地層と過去の様子
(ア) 野外観察を行い,観察記録を基に,地層のでき方を考察し,重なり方の規則性を見いだすとともに,地層をつくる岩石とその中の化石を手掛かりとして過去の環境と年代を推定すること。
イ 火山と地震
(ア) 火山の形,活動の様子及びその噴出物を調べ,それらを地下のマグマの性質と関連付けてとらえるとともに,火山岩と深成岩の観察を行い,それらの組織の違いを成因と関連付けてとらえること。
(イ) 地震の体験や記録を基に,その揺れの大きさや伝わり方の規則性に気付くとともに,地震の原因を地球内部の働きと関連付けてとらえ,地震に伴う土地の変化の様子を理解すること。
(3) 動物の生活と種類
身近な動物についての観察,実験を通して,動物の体のつくりと働きを理解させるとともに,動物の種類やその生活についての認識を深める。
ア 動物の体のつくりと働き
(ア) 身近な動物の観察を行い,その観察記録に基づいて,動物の体のつくりと働きとを関連付けてとらえること。
(イ) 動物が外界の刺激に適切に反応している様子の観察を行い,その仕組みを感覚器官,神経系及び運動器官のつくりと関連付けてとらえること。
(ウ) 消化や呼吸,血液の循環についての観察や実験を行い,動物の体には必要な物質を取り入れ運搬し,不要な物質を排出する仕組みがあることを観察や実験の結果と関連付けてとらえること。
イ 動物の仲間
(ア) 身近な動物の観察記録に基づいて,体のつくりや子の生まれ方などの特徴を比較し,動物が幾つかの仲間に分類できることを見いだすこと。
(4) 天気とその変化
身近な気象の観察,観測を通して,天気変化の規則性に気付かせるとともに,気象現象についてそれが起こる仕組みと規則性についての認識を深める。
ア 気象観測
(ア) 校庭などで気象観測を行い,観測方法や記録の仕方などを身に付けるとともに,その観測記録などに基づいて,気温,湿度,気圧,風向などの変化と天気との関係を見いだすこと。
イ 天気の変化
(ア) 霧や雲の発生についての観察,実験を行い,そのでき方を気圧,気温及び湿度の変化と関連付けてとらえること。
(イ) 前線の通過に伴う天気変化の観測結果などに基づいて,その変化を暖気,寒気と関連付けてとらえること。
(5) 生物の細胞と生殖
身近な生物についての観察,実験を通して,細胞のレベルで見た生物の体のつくりと生殖について理解させるとともに,親の形質が子に伝わる現象について認識させる。
ア 生物と細胞
(ア) いろいろな細胞の観察を行い,生物の体が細胞からできていること及び植物と動物の細胞のつくりの特徴を見いだすこと。
(イ) 体細胞分裂の観察を行い,その過程を確かめるとともに,細胞の分裂を生物の成長と関連付けてとらえること。
イ 生物の殖え方
(ア) 身近な生物の殖え方を観察し,有性生殖と無性生殖の特徴を見いだすとともに,生物が殖えていくときに親の形質が子に伝わることを見いだすこと。
(6) 地球と宇宙
身近な天体の観察を通して,地球の運動について考察させるとともに,太陽の特徴及び太陽系についての認識を深める。
ア 天体の動きと地球の自転・公転
(ア) 天体の日周運動の観察を行い,その観察記録を地球の自転と関連付けてとらえること。
(イ) 四季の星座の移り変わり,季節による昼夜の長さ,太陽高度の変化などの観察を行い,その観察記録を地球の公転や地軸の傾きと関連付けてとらえること。
イ 太陽系と惑星
(ア) 太陽,恒星,惑星とその動きの観察を行い,その観察記録や資料に基づいて,太陽の特徴を見いだし,恒星と惑星の特徴を理解するとともに,惑星の公転と関連付けて太陽系の構造をとらえること。
(7) 自然と人間
微生物の働きや自然環境を調べ,自然界における生物相互の関係や自然界のつり合いについて理解し,自然と人間のかかわり方について総合的に見たり考えたりすることができるようにする。
ア 自然と環境
(ア) 微生物の働きを調べ,植物,動物及び微生物を栄養摂取の面から相互に関連付けてとらえるとともに,自然界では,これらの生物がつり合いを保って生活していることを見いだすこと。
(イ) 学校周辺の身近な自然環境について調べ,自然環境は自然界のつり合いの上に成り立っていることを理解するとともに,自然環境を保全することの重要性を認識すること。
イ 自然と人間
(ア) 自然がもたらす恩恵や災害について調べ,これらを多面的,総合的にとらえて,自然と人間のかかわり方について考察すること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)から(7)については,この順序で取り扱うものとする。
(2) 内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア ア及びイについては,器具を用いた観察では,細胞の構造などについては内容の(5)で扱うので深入りしないこと。アの(ア)の「生物」については,植物を中心に取り上げ,水中の微小生物についても簡単に扱うこと。
イ イの(ア)については,被子植物を中心に取り上げ,裸子植物は簡単に扱うこと。「花の働き」については,受粉によって胚(はい)珠が種子になることを扱う程度とし,受精などは,内容の(5)で扱うこと。
ウ イの(イ)については,光合成における葉緑体の働きにも触れること。また,葉,茎,根の働きを相互に関連付けて全体の働きとしてとらえること。
エ ウの(ア)については,植物が種子をつくる植物と種子をつくらない植物に分けられることを扱うが,種子をつくらない植物については,その存在を指摘する程度にとどめること。
(3) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)については,地層を形成している代表的な堆積岩も取り上げること。「野外観察」については,学校の周辺で地層の様子を観察する活動とすること。「化石」については,示相化石及び示準化石を取り上げるが,地質年代の区分は古生代,中生代,新生代の第三紀及び第四紀を取り上げるにとどめること。地層の「重なり方」については,野外観察で見られた地層について,その重なり方の規則性をとらえることにとどめること。
イ イの(ア)の「火山」については,代表的なものを二つ又は三つ取り上げること。「マグマの性質」については,粘性を中心に取り上げ,化学組成は扱わないこと。「火山岩」及び「深成岩」については,それぞれ1種類を扱うものとし,代表的な造岩鉱物にも触れること。
ウ イの(イ)については,地震の現象面を中心に取り扱い,初期微動継続時間と震源までの距離との関係も取り上げるが,その公式は取り上げないこと。「地球内部の働き」については,プレートの動きに触れる程度にとどめること。
(4) 内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの「動物」については,脊椎(せきつい)動物を取り上げること。
イ アの(ア)については,動物を観察し,食物のとり方,運動・感覚器官の発達,体の表面の様子や呼吸の仕方の違いに気付かせること。
ウ アの(イ)については,各器官の働きを中心に扱い,構造の詳細は扱わないこと。
エ アの(ウ)については,各器官の働きを中心に扱い,構造の詳細は扱わないこと。また,心臓の構造は扱わないこと。「消化」については,消化に関係する一つ又は二つの酵素の働きを取り上げること。「呼吸」については,外呼吸を中心に取り上げるとともに,細胞の呼吸については簡単に扱い,呼吸運動は扱わないこと。「血液の循環」に関連して,血液成分の働き,腎臓(じんぞう)や肝臓の働きにも触れること。
オ イの(ア)については,動物が脊椎動物と無脊椎動物に分けられることを扱うが,無脊椎動物については,その存在を指摘する程度にとどめること。
(5) 内容の(4)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア イの(ア)における湿度や露点の取扱いに当たっては,気温による飽和水蒸気量の変化が湿度の変化や凝結にかかわりがあることを扱うにとどめること。
(6) 内容の(5)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア イの(ア)については,有性生殖の仕組みを減数分裂と関連付けて簡単に扱うこと。その際,遺伝の規則性は扱わないこと。「無性生殖」については,単細胞の分裂や挿し木,挿し芽を扱うにとどめること。
(7) 内容の(6)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アについては,観察された事実を基に多様な視点から考察を行わせるようにすること。
イ アの(イ)については,太陽高度の変化に伴う気温の変化にも触れること。
ウ イの(ア)の「太陽の特徴」については,形,大きさ,表面の様子などを取り上げ,放出された多量の光による地表への影響にも触れること。「恒星と惑星の特徴」については,「恒星」については自ら光を放ち相互の星の位置を変えずに星座をつくっている天体であることを扱う程度とし,「惑星」については恒星との対比において違いを扱う程度とすること。「太陽系の構造」における惑星の見え方については,内惑星のみを扱うこと。「太陽系の構造」を扱う際に,惑星の大きさにも触れること。
また,太陽系外に恒星があることにも触れること。
(8) 内容の(7)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)については,生産者,消費者及び分解者の関連を扱い,土壌動物については簡単に扱うこと。
イ アの(イ)の自然環境について調べることについては,学校周辺の生物や大気,水などの自然環境を直接調べたり,記録や資料を基に調べたりする活動などを適宜行うこと。
ウ イの(ア)については,記録や資料を基に調べること。「災害」については,地域において過去に地震,火山,津波,台風,洪水などの災害があった場合には,その災害について調べること。


第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 3学年間を通して,各分野におよそ同程度の授業時数を配当すること。その際,各学年において両分野を扱い,各分野間及び各項目間の関連を十分考慮して,各分野の特徴的な見方や考え方が互いに補い合って育成されるようにすること。
(2) 学校や生徒の実態に応じ,十分な観察や実験の時間,課題解決のために探究する時間などを設けるよう配慮すること。
2 各分野の内容の指導については,次の事項に配慮するものとする。
(1) 観察,実験,野外観察を重視するとともに,地域の環境や学校の実態を生かし,自然を科学的に調べる能力の育成及び基本的な概念の形成が段階的に無理なく行えるようにすること。
(2) 生命の尊重や自然環境の保全に関する態度が育成されるようにすること。
3 観察,実験,野外観察の指導においては,特に事故防止に十分留意するとともに,使用薬品の管理及び廃棄についても適切な措置をとるよう配慮するものとする。
4 各分野の指導に当たっては,観察,実験の過程での情報の検索,実験,データの処理,実験の計測などにおいて,コンピュータや情報通信ネットワークなどを積極的に活用するよう配慮するものとする。
5 第2の内容の第1分野(7)のイの(ア)と第2分野(7)のイの(ア)については,生徒や学校,地域の実態に応じていずれかを選択するものとする。
6 第2の内容の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は,すべての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり,学校において特に必要がある場合には,この事項にかかわらず指導することができること。
7 選択教科としての「理科」においては,生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう,第2の内容その他の内容で各学校が定めるものについて,課題研究,野外観察,補充的な学習,発展的な学習などの学習活動を各学校において適切に工夫して取り扱うものとする。

[編集] 第5節 音楽

第1 目 標
表現及び鑑賞の幅広い活動を通して,音楽を愛好する心情を育てるとともに,音楽に対する感性を豊かにし,音楽活動の基礎的な能力を伸ばし,豊かな情操を養う。
第2 各学年の目標及び内容
〔第1学年〕
1 目 標
(1) 音楽活動の楽しさを体験することを通して,音や音楽への興味・関心を養い,音楽によって生活を明るく豊かなものにする態度を育てる。
(2) 音楽表現の豊かさや美しさを感じ取り,基礎的な表現の技能を身に付け,創造的に表現する能力を育てる。
(3) 多様な音楽に興味・関心をもち,幅広く鑑賞する能力を育てる。
2 内 容
A 表 現
(1) 表現の活動を通して,次の事項を指導する。
ア 歌詞の内容や曲想を感じ取って,歌唱表現を工夫すること。
イ 曲種に応じた発声により,言葉の表現に気を付けて歌うこと。
ウ 楽器の基礎的な奏法を身に付け,美しい音色を工夫して表現すること。
エ 声部の役割を感じ取り,全体の響きに気を付けて合唱や合奏をすること。
オ 短い歌詞に節付けしたり,楽器のための簡単な旋律を作ったりして声や楽器で表現すること。
カ 表現したいイメ-ジや曲想をもち,様々な音素材を用いて自由な発想による即興的な表現や創作をすること。
キ 音色,リズム,旋律,和声を含む音と音とのかかわり合い,形式などの働きを感じ取って表現を工夫すること。
ク 速度や強弱の働きによる曲想の変化を感じ取って表現を工夫すること。
(2) 表現教材は,次に示すものを取り扱う。
ア 我が国及び世界の古典から現代までの作品,郷土の民謡など我が国及び世界の民謡のうち,平易で親しみのもてるものであること。
イ 歌唱教材には,各学校や生徒の実態を考慮して,次の観点から取り上げたものを含めること。
(ア) 我が国で長く歌われ親しまれているもの
(イ) 我が国の自然や四季の美しさを感じ取れるもの
(ウ) 我が国の文化や日本語のもつ美しさを味わえるもの
B 鑑 賞
(1) 鑑賞の活動を通して,次の事項を指導する。
ア 声や楽器の音色,リズム,旋律,和声を含む音と音とのかかわり合い,形式などの働きとそれらによって生み出される楽曲の雰囲気や曲想を感じ取って聴くこと。
イ 速度や強弱の働き及びそれらによって生み出される楽曲の雰囲気や曲想の変化を感じ取って聴くこと。
ウ 我が国の音楽及び世界の諸民族の音楽における楽器の音色や奏法と歌唱表現の特徴から音楽の多様性を感じ取って聴くこと。
エ 音楽をその背景となる文化・歴史などとかかわらせて聴くこと。
(2) 鑑賞教材は,我が国及び世界の古典から現代までの作品,郷土の伝統音楽及び世界の諸民族の音楽を取り扱う。
〔第2学年及び第3学年〕
1 目 標
(1) 音楽活動の楽しさを体験することを通して,音や音楽への興味・関心を高め,音楽によって生活を明るく豊かなものにし,生涯にわたって音楽に親しんでいく態度を育てる。
(2) 楽曲構成の豊かさや美しさを感じ取り,表現の技能を伸ばし,創造的に表現する能力を高める。
(3) 音楽に対する総合的な理解を深め,幅広く鑑賞する能力を高める。
2 内 容
A 表 現
(1) 表現の活動を通して,次の事項を指導する。
ア 歌詞の内容や曲想を味わい,曲にふさわしい歌唱表現を工夫すること。
イ 曲種に応じた発声により,美しい言葉の表現を工夫して歌うこと。
ウ 楽器の特徴を生かし,曲にふさわしい音色や奏法を工夫して表現すること。
エ 声部の役割を生かし,全体の響きに調和させて合唱や合奏をすること。
オ 歌詞にふさわしい旋律や楽器の特徴を生かした旋律を作り,声や楽器で表現すること。
カ 表現したいイメ-ジや曲想をもち,様々な音素材を生かして自由な発想による即興的な表現や創作をすること。
キ 音色,リズム,旋律,和声を含む音と音とのかかわり合い,形式などの働きを理解して表現を工夫すること。
ク 速度や強弱の働きによる曲想の変化を理解して表現を工夫すること。
(2) 表現教材は,次に示すものを取り扱う。
ア 我が国及び世界の古典から現代までの作品,郷土の民謡など我が国及び世界の民謡のうち,生徒の意欲を高め親しみのもてるものであること。
イ 歌唱教材には,各学校や生徒の実態を考慮して,次の観点から取り上げたものを含めること。
(ア) 我が国で長く歌われ親しまれているもの
(イ) 我が国の自然や四季の美しさを感じ取れるもの
(ウ) 我が国の文化や日本語のもつ美しさを味わえるもの
B 鑑 賞
(1) 鑑賞の活動を通して,次の事項を指導する。
ア 声や楽器の音色,リズム,旋律,和声を含む音と音とのかかわり合い,形式などの働きとそれらによって生み出される曲想とのかかわりを理解して,楽曲全体を味わって聴くこと。
イ 速度や強弱の働き及びそれらによって生み出される曲想の変化を理解して聴くこと。
ウ 我が国の音楽及び世界の諸民族の音楽における楽器の音色や奏法と歌唱表現の特徴から音楽の多様性を理解して聴くこと。
エ 音楽をその背景となる文化・歴史や他の芸術とのかかわりなどから,総合的に理解して聴くこと。
(2) 鑑賞教材は,我が国及び世界の古典から現代までの作品,郷土の伝統音楽及び世界の諸民族の音楽を取り扱う。
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 第2の各学年の内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導並びに「A表現」の歌唱,器楽及び創作の指導については,それぞれ特定の活動のみに偏らないようにするとともに相互の関連を図るようにすること。
(2) 第2の第2学年及び第3学年の内容については,生徒がより個性を生かした音楽活動を展開できるようにするため,興味・関心をもつ学習活動を選択できるようにするなど,学校や生徒の実態に応じ,効果的な指導ができるよう工夫すること。
2 第2の内容の指導については,次の事項に配慮するものとする。
(1) 変声期について気付かせるとともに,変声期の生徒に対しては,心理的な面についても配慮し,適切な声域と声量によって歌わせるようにすること。
(2) 歌唱指導における階名唱については,移動ド唱法を原則とすること。
(3) 読譜指導については,小学校における学習の経験の上に立ち,♯や♭の意味を理解させるとともに,3学年間を通じて,1♯,1♭程度をもった調号の楽譜の視唱や視奏に慣れさせるようにすること。
(4) 器楽指導については,指導上の必要に応じて弦楽器,管楽器,打楽器,鍵盤楽器,電子楽器及び世界の諸民族の楽器を適宜用いること。また,和楽器については,3学年間を通じて1種類以上の楽器を用いること。
(5) 創作指導については,理論に偏らないようにするとともに,必要に応じて作品を記録する方法なども工夫させること。
(6) 第2学年及び第3学年の「A表現」の指導に当たっては,生徒の実態等を考慮して,生徒が表現方法や表現形態を選択できるよう,小アンサンブルなどの編成を工夫すること。
(7) 各学年の「A表現」の指導に当たっては,指揮などの身体的表現活動も取り上げること。
(8) 各学年の「A表現」及び「B鑑賞」の指導に当たっては,楽曲の背景にある文化・歴史や他の芸術とのかかわりなどについて,必要な範囲で触れるにとどめること。
(9) 音楽の諸要素とそれらの働きを表す記号や用語などについては,表現活動及び鑑賞活動を通して理解させるものとし,それぞれの指導のねらいに即し,重点的に取り扱うこと。
(10) 鑑賞教材のうち世界の諸民族の音楽については,第1学年においては主としてアジア地域の諸民族の音楽のうちから適切なものを選んで取り上げるようにすること。
(11) 各学年の「A表現」及び「B鑑賞」の指導に当たっては,適宜,自然音や環境音などについても取り扱うとともに,コンピュ-タや教育機器の活用も工夫すること。
3 選択教科としての「音楽」においては,生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう,第2の内容その他の内容で各学校が定めるものについて,課題学習,創造的な表現活動の学習,郷土の伝統芸能など地域の特質を生かした学習,表現の能力を補充的に高める学習,芸術表現を追求する発展的な学習などの学習活動を各学校において適切に工夫して取り扱うものとする。

[編集] 第6節 美術

第1 目 標
表現及び鑑賞の幅広い活動を通して,美術の創造活動の喜びを味わい美術を愛好する心情を育てるとともに,感性を豊かにし,美術の基礎的能力を伸ばし,豊かな情操を養う。


第2 各学年の目標及び内容
[第1学年]
1 目 標
(1) 楽しく美術の活動に取り組み美術を愛好する心情を培い,心豊かな生活を創造していく意欲と態度を育てる。
(2) 対象を深く観察する力,感性や想像力を高め,豊かに発想し構想する能力や基礎的技能を身に付け,多様な表現方法や造形要素に関心をもち,創意工夫し美しく表現する能力を育てる。
(3) 自然や美術作品などについての基礎的な理解や見方を広げ,よさや美しさなどを感じ取る鑑賞の能力を育てる。
2 内 容
A 表 現
(1) 絵や彫刻などに表現する活動を通して,次のことができるよう指導する。
ア 自然や身近なものを観察し,形や色彩の特徴や美しさなどをとらえスケッチをすること。
イ 対象を見つめ感じ取ったよさや美しさ,想像したことなどを基に主題を発想し,全体と部分との関係を考えて創造的な構成を工夫し,心豊かに表現する構想を練ること。
ウ 描画における形や色彩の表し方,彫刻などにおける立体としてのものの見方や形体の表し方,意図に応じた材料や用具の生かし方などの基礎的技能を身に付けること。
エ 自分の表したい感じを大切にして多様な表現方法を工夫し,絵やイラストレ-ション,彫刻などに美しく生き生きと表現すること。
(2) デザインや工芸などに表現する活動を通して,次のことができるよう指導する。
ア 形や色彩,材料,光などがもたらす性質や感情を理解し,機能的な生かし方を考え,美的感覚を働かせて美しく構成したり装飾したりすること。
イ 用途や機能,使用する者の気持ち,材料などから発想し構想を練り,つくり方,意図に応じた材料や用具の生かし方などの基礎的技能を身に付け,造形感覚を働かせ創意工夫してつくること。
ウ 伝えたい内容を図や写真・ビデオ・コンピュ-タ等映像メディアなどで,効果的で美しく表現し伝達・交流すること。
B 鑑 賞
鑑賞の活動を通して,次のことができるよう指導する。
ア 想像力を働かせ,美術作品や児童生徒の表現などに表された作者の心情や意図と表現の工夫を感じ取り,作品の見方を広げ,多様な表現のよさや美しさなどを味わい,鑑賞に親しむこと。
イ 生活の中のデザインや伝統的な工芸を鑑賞し,豊かな発想と工夫,美と機能性の調和,作品に託された願いと造形的なよさなどに気付き,生活におけるデザインや工芸の働きについて理解すること。


[第2学年及び第3学年]
1 目 標
(1) 主体的に美術の活動に取り組み美術を愛好する心情を深め,心豊かな生活を創造していく意欲と態度を高める。
(2) 対象を深く見つめる力,感性や想像力を一層高め,独創的・総合的な見方や考え方を培い,豊かに発想し構想する能力や自分の表現方法を創意工夫し創造的に表現する能力を伸ばす。
(3) 自然,美術作品や文化遺産などについての理解や見方を深め,心豊かに生きることと美術とのかかわりに関心をもち,よさや美しさなどを味わう鑑賞の能力を高める。
2 内 容
A 表 現
(1) 絵や彫刻などに表現する活動を通して,次のことができるよう指導する。
ア 対象を深く見つめ感じ取ったこと,考えたこと,夢,想像や感情など心の世界をスケッチに表すこと。
イ 主題を発想し,スケッチなどを基に想像力を働かせ,単純化や省略,強調,構成の仕方,材料の組合せなどを工夫し,心豊かな表現の構想を練ること。
ウ 日本及び諸外国の作品の独特な表現形式や構成,技法などに関心をもち,自分の表現意図に合う新たな表現方法を研究するなどして創造的に表現すること。
エ 表したい内容を漫画やイラストレ-ション,写真・ビデオ・コンピュ-タ等映像メディアなどで表現すること。
(2) デザインや工芸などに表現する活動を通して,次のことができるよう指導する。
ア デザインの効果を考え,形や色彩,図柄,材料,光などの構成を簡潔にしたり総合化したり,取り合わせを工夫するなどして,美しく心豊かなデザインをすること。
イ 使用する者の気持ちや機能,夢や想像などから独創的に発想し,造形的な美しさ,材料や用具の生かし方などを総合的に考え,創意工夫してつくること。
ウ 伝えたい内容をイラストレ-ションや図,写真・ビデオ・コンピュータ等映像メディアなどで,分かりやすく美しく表現し,発表したり交流したりすること。
エ 身近な環境について,安らぎや自然との共生などの視点から心豊かなデザインをすること。
B 鑑 賞
鑑賞の活動を通して,次のことができるよう指導する。
ア 作者の心情や意図と創造的な表現の工夫などを理解し見方を深め,作品に対する自分の価値意識をもって批評し合い,よさや美しさを幅広く味わうこと。
イ 日本の美術の概括的な変遷や作品の特質を調べたり,それらの作品を鑑賞したりして,日本の美術や文化と伝統に対する理解と愛情を深め,美術文化の継承と創造への関心を高めること。
ウ 日本及び諸外国の美術の文化遺産を鑑賞し,表現の相違と共通性に気付き,それぞれのよさや美しさ,創造力の豊かさなどを味わい,文化遺産を尊重するとともに,美術を通した国際理解を深めること。
エ 現代及び文化遺産としてのデザインの洗練された美しさなどを感じ取り,自己の美意識や美的選択能力を高めること。
オ 美術作品や生活の中の造形に取り入れられている自然のよさや美しさ,素材の生かし方などを感じ取り,自然や生活と美術との深いかかわりを理解すること。


第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 第2の各学年の内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導並びに「A表現」の(1)及び(2)の指導については,それぞれ相互の関連も図るようにすること。
(2) 第2の各学年の内容の「A表現」については,次のように扱い効果的な指導ができるよう工夫すること。
ア 第1学年においては,美術の基礎的能力を総合的に身に付けられるようにするため,(1)及び(2)それぞれにおいて,描く活動とつくる活動のいずれも経験させるようにすること。その際,(1)と(2)の各内容を関連付けたり一体的に扱ったりすることもできること。
イ 第2学年及び第3学年においては,(1)及び(2)それぞれにおいて,描く活動とつくる活動のいずれかを選択して扱ったり,相互に関連付けたり一体的に扱ったりするものとすること。その際,(1)と(2)の全体を通して描く活動とつくる活動が調和的に行えるようにすること。
(3) 第2の内容の「B鑑賞」の指導については,各学年とも適切かつ十分な授業時数を配当すること。
2 第2の内容の指導については,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各学年の「A表現」の指導に当たっては,生徒の学習経験や能力,発達特性等の実態を踏まえ,生徒が自分の表現意図に合う表現形式や技法,材料などを選択し創意工夫して表現できるようにすること。
(2) 互いの個性を生かし合い協力して創造する喜びを味わわせるため,適切な機会を選び共同で行う創造活動を経験させること。また,各表現の完成段階で作品を発表し批評し合い,互いの表現のよさや個性などを認め尊重し合う活動をするようにすること。
(3) 主題の発想から表現の確認及び完成に至る全過程を通して,生徒が夢と目標をもち,自分のよさを発見し喜びをもって自己実現を果たしていく態度の形成を図るようにすること。
(4) 表現の材料や方法などについては,地域の身近なものや伝統的なものも取り上げるようにすること。
(5) 各学年の「B鑑賞」の題材については,日本や諸外国の児童生徒の作品,アジアの文化遺産についても取り上げるとともに,美術館・博物館等の施設や文化財などを積極的に活用するようにすること。
3 事故防止のため,特に,刃物類,塗料,器具などの使い方の指導と保管,活動場所における安全指導などを徹底するものとする。
4 生徒が随時鑑賞に親しむことができるよう,校内の適切な場所に鑑賞作品などを展示するとともに,学校図書館等における鑑賞用図書,映像資料などの活用を図るものとする。
5 選択教科としての「美術」においては,生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう,第2の内容その他の内容で各学校が定めるものについて,課題学習,伝統工芸など地域の特質を生かした学習,表現の能力を補充的に高める学習,創造的・独創的な芸術表現を追求する発展的な学習などの学習活動を各学校において適切に工夫して取り扱うものとする。

[編集] 第7節 保健体育

第7節 保健体育


第1 目 標
心と体を一体としてとらえ,運動や健康・安全についての理解と運動の合理的な実践を通して,積極的に運動に親しむ資質や能力を育てるとともに,健康の保持増進のための実践力の育成と体力の向上を図り,明るく豊かな生活を営む態度を育てる。


第2 各分野の目標及び内容
[体育分野]
1 目 標
(1) 各種の運動の合理的な実践を通して,課題を解決するなどにより運動の楽しさや喜びを味わうとともに運動技能を高めることができるようにし,生活を明るく健全にする態度を育てる。
(2) 各種の運動を適切に行うことによって,自己の体の変化に気付き体の調子を整えるとともに,体力の向上を図り,たくましい心身を育てる。
(3) 運動における競争や協同の経験を通して,公正な態度や,進んで規則を守り互いに協力して責任を果たすなどの態度を育てる。また,健康・安全に留意して運動をすることができる態度を育てる。
2 内 容
A 体つくり運動
(1) 自己の体に関心をもち,自己の体力や生活に応じた課題をもって次の運動を行い,体ほぐしをしたり,体力を高めたりすることができるようにする。
ア 体ほぐしの運動
(ア) 自己の体に気付き,体の調子を整えたり,仲間と交流したりするためのいろいろな手軽な運動や律動的な運動
イ 体力を高める運動
(ア) 体の柔らかさ及び巧みな動きを高めるための運動
(イ) 力強い動きを高めるための運動
(ウ) 動きを持続する能力を高めるための運動
(2) 体つくり運動に対する関心や意欲をもって互いに協力して運動ができるようにする。
(3) 自己の体力や生活に応じて,体ほぐしの行い方と体力の高め方を工夫することができるようにする。
B 器械運動
(1) 自己の能力に適した課題をもって次の運動を行い,その技能を高め,技がよりよくできるようにする。
ア マット運動
イ 鉄棒運動
ウ 平均台運動
エ 跳び箱運動
(2) 互いに協力して練習ができるようにするとともに,器械・器具を点検し安全に留意して練習ができるようにする。
(3) 自己の能力に適した技を習得するための練習の仕方を工夫することができるようにする。
C 陸上競技
(1) 自己の能力に適した課題をもって次の運動を行い,その技能を高め,競技したり,記録を高めたりすることができるようにする。
ア 短距離走・リレー,長距離走又はハードル走
イ 走り幅跳び又は走り高跳び
(2) 互いに協力して練習や競技ができるようにするとともに,勝敗に対して公正な態度がとれるようにする。また,練習場などの安全を確かめ,健康・安全に留意して練習や競技ができるようにする。
(3) 自己の能力に適した課題の解決を目指して,練習の仕方や競技の仕方を工夫することができるようにする。
D 水 泳
(1) 自己の能力に適した課題をもって次の運動を行い,その技能を高め,続けて長く泳いだり,速く泳いだりすることができるようにする。
ア クロール
イ 平泳ぎ
ウ 背泳ぎ
(2) 互いに協力して練習ができるようにするとともに,水泳の事故防止に関する心得を守り,健康・安全に留意して練習ができるようにする。
(3) 自己の能力に適した課題の解決を目指して,練習の仕方を工夫することができるようにする。
E 球 技
(1) チームの課題や自己の能力に適した課題をもって次の運動を行い,その技能を身に付け,作戦を生かした攻防を展開してゲームができるようにする。
ア バスケットボール又はハンドボール
イ サッカー
ウ バレーボール
エ テニス,卓球又はバドミントン
オ ソフトボール
(2) チームにおける自己の役割を自覚して,その責任を果たし,互いに協力して練習やゲームができるようにするとともに,勝敗に対して公正な態度がとれるようにする。また,練習場などの安全を確かめ,健康・安全に留意して練習やゲームができるようにする。
(3) チームの課題や自己の能力に適した課題の解決を目指して,ルールを工夫したり作戦を立てたりして練習の仕方やゲームの仕方を工夫することができるようにする。
F 武 道
(1) 自己の能力に適した課題をもって次の運動を行い,その技能を身に付け,相手の動きに対応した攻防を展開して練習や試合ができるようにする。
ア 柔道
イ 剣道
ウ 相撲
(2) 伝統的な行動の仕方に留意して,互いに相手を尊重し,練習や試合ができるようにするとともに,勝敗に対して公正な態度がとれるようにする。また,禁じ技を用いないなど安全に留意して練習や試合ができるようにする。
(3) 自己の能力に適した技を習得するための練習の仕方や試合の仕方を工夫することができるようにする。
G ダンス
(1) 自己の能力に適した課題をもって次の運動を行い,感じを込めて踊ったり,みんなで楽しく踊ったりすることができるようにする。
ア 創作ダンス
イ フォークダンス
ウ 現代的なリズムのダンス
(2) 互いのよさを認め合い,協力して練習したり発表したりすることができるようにする。
(3) グループの課題や自己の能力に適した課題の解決を目指して,練習の仕方や発表の仕方を工夫することができるようにする。
H 体育に関する知識
(1) 運動の特性と学び方
各種の運動の特性に応じた学び方や安全の確保の仕方について理解するとともに,自己の生活の中での生かし方を理解する。
(2) 体ほぐし・体力の意義と運動の効果
体ほぐしの意義と行い方及び体力の意義と体力の高め方について理解する。また,運動の心身にわたる効果について理解する。
3 内容の取扱い
(1) 内容の各領域については,次のとおり取り扱うものとする。
ア 第1学年においては,「A体つくり運動」から「E球技」まで及び「H体育に関する知識」については,すべての生徒に履修させること。「F武道」及び「Gダンス」については,これらのうちから一を選択して履修できるようにすること。
イ 第2学年及び第3学年においては,「A体つくり運動」及び「H体育に関する知識」については,すべての生徒に履修させること。「B器械運動」から「D水泳」までについてはこれらのうちから一又は二を,「E球技」から「Gダンス」までについてはこれらのうちから二をそれぞれ選択して履修できるようにすること。
(2) 内容の「A体つくり運動」から「Gダンス」までに示す事項については,各学年において次のとおり取り扱うものとする。
ア 「A体つくり運動」の(1)のアの運動については,「B器械運動」から「Gダンス」までにおいても関連を図って指導することができるとともに,心の健康など保健分野との関連を図ること。「A体つくり運動」の(1)のイの運動については,これらのうちから(ウ)に重点を置いて指導することができるが,調和のとれた体力を高めることに留意すること。
イ 「B器械運動」の(1)の運動については,これらのうちから選択して履修できるようにすること。
ウ 「C陸上競技」の(1)の運動については,ア及びイに示すそれぞれの運動のうちから選択して履修できるようにすること。
エ 「D水泳」の(1)の運動については,これらのうちから選択して履修できるようにすることとし,泳法との関連においてスタート及びターンも取り上げること。その際,スタートの指導については,段階的な指導を行うとともに安全に十分留意すること。なお,水泳の指導については,適切な水泳場の確保が困難な場合にはこれを扱わないことができるが,水泳の事故防止に関する心得については,必ず取り上げること。また,保健分野の応急手当との関連を図ること。
オ 「E球技」の(1)の運動については,これらのうちから二を選択して履修できるようにすること。なお,地域や学校の実態に応じて,その他の運動についても履修させることができること。
カ 「F武道」の(1)の運動については,これらのうちから一を選択して履修できるようにすること。なお,地域や学校の実態に応じて,なぎなたなどその他の武道についても履修させることができること。
キ 「Gダンス」の(1)の運動については,これらのうちから選択して履修できるようにすること。なお,地域や学校の実態に応じて,その他のダンスについても履修させることができること。
(3) 内容の「A体つくり運動」から「Gダンス」までの領域及び運動の選択並びにその指導に当たっては,地域や学校の実態及び生徒の特性等を考慮するものとする。その際,指導に当たっては,内容の「H体育に関する知識」との関連を図るとともに,内容の「B器械運動」から「Gダンス」までの領域については,それぞれの運動の特性に触れるために必要な体力を生徒自ら高めるように留意するものとする。
(4) 自然とのかかわりの深いスキー,スケートや水辺活動などの指導については,地域や学校の実態に応じて積極的に行うことに留意するものとする。
(5) 集合,整とん,列の増減,方向変換などの行動の仕方を身に付け,能率的で安全な集団としての行動ができるようにするための指導については,内容の「A体つくり運動」から「Gダンス」までの領域において適切に行うものとする。


[保健分野]
1 目 標
個人生活における健康・安全に関する理解を通して,生涯を通じて自らの健康を適切に管理し,改善していく資質や能力を育てる。
2 内 容
(1) 心身の機能の発達と心の健康について理解できるようにする。
ア 身体の機能は年齢とともに発達すること。
イ 思春期には,内分泌の働きによって生殖にかかわる機能が成熟すること。また,こうした変化に対応した適切な行動が必要となること。
ウ 知的機能,情意機能,社会性などの精神機能は,生活経験などの影響を受けて発達すること。また,思春期においては,自己の認識が深まり,自己形成がなされること。
エ 心の健康を保つには,欲求やストレスに適切に対処するとともに,心身の調和を保つことが大切であること。また,欲求やストレスへの対処の仕方に応じて,精神的,身体的に様々な影響が生じることがあること。
(2) 健康と環境について理解できるようにする。
ア 身体には,環境に対してある程度まで適応能力があること。また,快適で能率のよい生活を送るための温度,湿度や明るさには一定の範囲があること。
イ 飲料水や空気は,健康と密接なかかわりがあることから,衛生的な基準に適合するよう管理する必要があること。
ウ 人間の生活によって生じた廃棄物は,衛生的に,また,環境の保全に十分配慮し,環境を汚染しないように処理する必要があること。
(3) 傷害の防止について理解を深めることができるようにする。
ア 自然災害や交通事故などによる傷害は,人的要因や環境要因などがかかわって発生すること。また,傷害の多くは安全な行動,環境の改善によって防止できること。
イ 応急手当を適切に行うことによって,傷害の悪化を防止することができること。
(4) 健康な生活と疾病の予防について理解を深めることができるようにする。
ア 健康は,主体と環境の相互作用の下に成り立っていること。さらに,疾病は主体の要因と環境の要因がかかわりあって発生すること。
イ 健康の保持増進には,年齢,生活環境等に応じた食事,運動,休養及び睡眠の調和のとれた生活が必要なこと。また,食事の量や質の偏り,運動不足,休養や睡眠の不足などの生活習慣の乱れは,健康を損なう原因となること。
ウ 喫煙,飲酒,薬物乱用などの行為は,心身に様々な影響を与え,健康を損なう原因となること。また,そのような行為には,個人の心理状態や人間関係,社会環境が影響することから,それらに適切に対処する必要があること。
エ 感染症は,病原体が主な要因となって発生すること。また,感染症の多くは,発生源をなくすこと,感染経路を遮断すること,主体の抵抗力を高めることによって予防できること。
オ 個人の健康と集団の健康とは密接な関係があり,相互に影響し合うこと。また,健康を保持増進するためには,保健・医療機関を有効に利用することが大切であること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の(1)は第1学年,内容の(2)及び(3)は第2学年,内容の(4)は第3学年で取り扱うものとする。
(2) 内容の(1)のアについては,身体機能の発達の順序性及び呼吸器,循環器を中心に取り扱うものとする。
(3) 内容の(1)のイについては,妊娠や出産が可能となるような成熟が始まるという観点から,受精・妊娠までを取り扱うものとし,妊娠の経過は取り扱わないものとする。また,生殖にかかわる機能の成熟に伴い,性衝動が生じたり,異性への関心が高まることなどから,異性の尊重,情報への適切な対処や行動の選択が必要となることについて取り扱うものとする。
(4) 内容の(1)のエについては,体育分野の内容の「A体つくり運動」の(1)のアの指導との関連を図って指導するものとする。
(5) 内容の(2)については,地域の実態に即して公害と健康との関係を取り扱うことも配慮するものとする。また,生態系については,取り扱わないものとする。
(6) 内容の(3)のイについては,包帯法,止血法,人工呼吸法など傷害時の応急手当を取り扱い,実習を行うものとする。また,効果的な指導を行うため,水泳など体育分野の内容との関連を図るものとする。
(7) 内容の(4)のイについては,必要に応じて,コンピュータなどの情報機器の使用と健康とのかかわりについて取り扱うことも配慮するものとする。
(8) 内容の(4)のウについては,心身への急性影響及び依存性について取り扱うこと。また,薬物は,覚せい剤や大麻等を取り扱うものとする。
(9) 内容の(4)のエについては,後天性免疫不全症候群(エイズ)及び性感染症についても取り扱うものとする。
(10) 保健分野の指導に際しては,積極的に実験や実習を取り入れたり,課題学習を行うなど指導方法の工夫を行うものとする。


第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 授業時数の配当については,次のとおり取り扱うこと。
ア 保健分野の授業時数は,3学年間で,48単位時間程度を配当すること。
イ 体育分野の授業時数は,各学年にわたって適切に配当すること。
ウ 体育分野の内容の「A体つくり運動」から「H体育に関する知識」までの領域の授業時数は,その内容の習熟を図ることができるよう考慮して配当すること。
エ 保健分野の授業時数は,3学年間を通して適切に配当し,各学年において効果的な学習が行われるよう適切な時期にある程度まとまった時間を配当すること。
(2) 第1章総則第1の3に示す学校における体育・健康に関する指導の趣旨を生かし,特別活動,運動部の活動などとの関連を図り,日常生活における体育・健康に関する活動が適切かつ継続的に実践できるよう留意すること。
なお,体力の測定については,計画的に実施し,運動の指導及び体力の向上に活用するようにすること。
2 第2の内容の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は,すべての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり,学校において特に必要がある場合には,この事項にかかわらず指導することができること。
3 選択教科としての「保健体育」においては,生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう,第2の内容その他の内容で各学校が定めるものについて,各種の運動の学習及び体育に関する知識,健康・安全に関する事項についての課題学習などの学習活動を各学校において適切に工夫して取り扱うものとする。

[編集] 第8節 技術・家庭

第1 目 標
生活に必要な基礎的な知識と技術の習得を通して,生活と技術とのかかわりについて理解を深め,進んで生活を工夫し創造する能力と実践的な態度を育てる。


第2 各分野の目標及び内容
〔技術分野〕
1 目 標
実践的・体験的な学習活動を通して,ものづくりやエネルギー利用及びコンピュータ活用等に関する基礎的な知識と技術を習得するとともに,技術が果たす役割について理解を深め,それらを適切に活用する能力と態度を育てる。
2 内 容
A 技術とものづくり
(1) 生活や産業の中で技術の果たしている役割について,次の事項を指導する。
ア 技術が生活の向上や産業の発展に果たしている役割について考えること。
イ 技術と環境・エネルギー・資源との関係について知ること。
(2) 製作品の設計について,次の事項を指導する。
ア 使用目的や使用条件に即した製作品の機能と構造について考えること。
イ 製作品に用いる材料の特徴と利用方法を知ること。
ウ 製作品の構想の表示方法を知り,製作に必要な図をかくことができること。
(3) 製作に使用する工具や機器の使用方法及びそれらによる加工技術について,次の事項を指導する。
ア 材料に適した加工法を知ること。
イ 工具や機器を適切に使い,製作品の部品加工,組立て及び仕上げができること。
(4) 製作に使用する機器の仕組み及び保守について,次の事項を指導する。
ア 機器の基本的な仕組みを知ること。
イ 機器の保守と事故防止ができること。
(5) エネルギーの変換を利用した製作品の設計・製作について,次の事項を指導する。
ア エネルギーの変換方法や力の伝達の仕組みを知り,それらを利用した製作品の設計ができること。
イ 製作品の組立て・調整や,電気回路の配線・点検ができること。
(6) 作物の栽培について,次の事項を指導する。
ア 作物の種類とその生育過程及び栽培に適する環境条件を知るこ

[編集] 第9節 外国語

第1 目 標
外国語を通じて,言語や文化に対する理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,聞くことや話すことなどの実践的コミュニケーション能力の基礎を養う。


第2 各言語の目標及び内容等
英 語
1 目 標
(1) 英語を聞くことに慣れ親しみ,初歩的な英語を聞いて話し手の意向などを理解できるようにする。
(2) 英語で話すことに慣れ親しみ,初歩的な英語を用いて自分の考えなどを話すことができるようにする。
(3) 英語を読むことに慣れ親しみ,初歩的な英語を読んで書き手の意向などを理解できるようにする。
(4) 英語で書くことに慣れ親しみ,初歩的な英語を用いて自分の考えなどを書くことができるようにする。
2 内 容
(1) 言語活動
英語を理解し,英語で表現する能力を養うため,次の言語活動を3学年間を通して行わせる。
ア 聞くこと
主として次の事項について指導する。
(ア) 強勢,イントネーション,区切りなど基本的な英語の音声の特徴をとらえ,正しく聞き取ること。
(イ) 自然な口調で話されたり読まれたりする英語を聞いて,具体的な内容や大切な部分を聞き取ること。
(ウ) 質問や依頼などを聞いて適切に応じること。
(エ) 話し手に聞き返すなどして内容を正しく理解すること。
イ 話すこと
主として次の事項について指導する。
(ア) 強勢,イントネーション,区切りなど基本的な英語の音声の特徴に慣れ,正しく発音すること。
(イ) 自分の考えや気持ちなどが聞き手に正しく伝わるように話すこと。
(ウ) 聞いたり読んだりしたことについて,問答したり意見を述べ合ったりすること。
(エ) つなぎ言葉を用いるなどいろいろな工夫をして話が続くように話すこと。
ウ 読むこと
主として次の事項について指導する。
(ア) 文字や符号を識別し,正しく読むこと。
(イ) 書かれた内容を考えながら黙読したり,その内容が表現されるように音読すること。
(ウ) 物語や説明文などのあらすじや大切な部分を読み取ること。
(エ) 伝言や手紙などから書き手の意向を理解し,適切に応じること。
エ 書くこと
主として次の事項について指導する。
(ア) 文字や符号を識別し,語と語の区切りなどに注意をして正しく書くこと。
(イ) 聞いたり読んだりしたことについてメモをとったり,感想や意見などを書いたりすること。
(ウ) 自分の考えや気持ちなどが読み手に正しく伝わるように書くこと。
(エ) 伝言や手紙などで読み手に自分の意向が正しく伝わるように書くこと。
(2) 言語活動の取扱い
ア 3学年間を通した全体的な配慮事項
3学年間を通じ指導に当たっては,次のような点に配慮するものとする。
(ア) 実際に言語を使用して互いの気持ちや考えを伝え合うなどのコミュニケーションを図る活動を行うとともに,(3)に示す言語材料について理解したり練習したりする活動を行うようにすること。
(イ) コミュニケーションを図る活動においては,具体的な場面や状況に合った適切な表現を自ら考えて言語活動ができるようにすること。
(ウ) 言語活動を行うに当たり,主として次に示すような言語の使用場面や言語の働きを取り上げるようにすること。
〔言語の使用場面の例〕
a 特有の表現がよく使われる場面
・ あいさつ ・ 自己紹介 ・ 電話での応答
・ 買い物 ・ 道案内 ・ 旅行
・ 食事 など
b 生徒の身近な暮らしにかかわる場面
・ 家庭での生活 ・ 学校での学習や活動
・ 地域の行事 など
〔言語の働きの例〕
a 考えを深めたり情報を伝えたりするもの
・ 意見を言う ・ 説明する ・ 報告する
・ 発表する ・ 描写する など
b 相手の行動を促したり自分の意志を示したりするもの
・ 質問する ・ 依頼する ・ 招待する
・ 申し出る ・ 確認する ・ 約束する
・ 賛成する/反対する ・ 承諾する/断る など
c 気持ちを伝えるもの
・ 礼を言う ・ 苦情を言う ・ ほめる
・ 謝る など
イ 学習段階を考慮した指導上の配慮事項
生徒の学習段階を考慮して各学年の指導に当たっては,次のような点に配慮するものとする。
(ア) 第1学年における言語活動
英語を初めて学習することに配慮し,コミュニケーションに対する積極的な態度の育成を重視するとともに,身近な言語の使用場面や言語の働きに配慮した言語活動を行わせること。その際,自分の気持ちや身の回りのできごとなどの中から簡単な表現を用いてコミュニケーションを図れるような話題を取り上げること。
(イ) 第2学年における言語活動
第1学年の学習を基礎として,言語の使用場面や言語の働きを更に広げた言語活動を行わせること。その際,第1学年に加え,特に,事実関係を伝えたり,物事について判断したりした内容などの中からコミュニケーションを図れるような話題を取り上げること。
(ウ) 第3学年における言語活動
第2学年の学習を基礎として,言語の使用場面や言語の働きを一層広げた言語活動を行わせること。その際,第2学年に加え,特に,様々な考えや意見などの中からコミュニケーションが図れるような話題を取り上げること。
(3) 言語材料
(1)の言語活動は,以下に示す言語材料のうちから,1の目標を達成するのにふさわしいものを適宜用いて行わせる。
ア 音声
(ア) 現代の標準的な発音
(イ) 語と語の連結による音変化
(ウ) 語,句,文における基本的な強勢
(エ) 文における基本的なイントネーション
(オ) 文における基本的な区切り
イ 文字及び符号
(ア) アルファベットの活字体の大文字及び小文字
(イ) 終止符,疑問符,コンマ,引用符,感嘆符などの基本的な符号
ウ 語,連語及び慣用表現
(ア) 別表1に示す語を含めて,900語程度までの語(季節,月,曜日,時間,天気,数(序数を含む),家族などの日常生活にかかわる基本的な語を含む)
(イ) 連語のうち基本的なもの
(ウ) 慣用表現のうち,excuse me,I see,I'm sorry,thank you,you're welcome,for exampleなど基本的なもの
エ 文法事項
(ア) 文
a 単文,重文及び複文
b 肯定及び否定の平叙文
c 肯定及び否定の命令文
d 疑問文のうち,動詞で始まるもの,can,do,mayなどの助動詞で始まるもの,orを含むもの及びhow,what,when,where,which,who,whose,whyの疑問詞で始まるもの
(イ) 文 型
a [主語+動詞]の文型
b [主語+動詞+補語]の文型のうち,
(a) 主語+be動詞+ (名詞/代名詞/形容詞)
(b) 主語+be動詞以外の動詞+(名詞/形容詞)
c [主語+動詞+目的語]の文型のうち
(a) 主語+動詞+(名詞/代名詞/動名詞/to不定詞/how(など)to不定詞
thatで始まる節)
(b) 主語+動詞+whatなどで始まる節
d [主語+動詞+間接目的語+直接目的語]の文型のうち,
(a) 主語+動詞+間接目的語+(名詞/代名詞)
(b) 主語+動詞+間接目的語+how(など)to不定詞
e [主語+動詞+目的語+補語]の文型のうち,
(a) 主語+動詞+目的語+(名詞/形容詞)
f その他の文型のうち,
(a) There+be動詞+~
(b) It+be動詞+~(+for~)+to不定詞
(c) 主語+tell,wantなど+目的語+to不定詞
(ウ) 代名詞
a 人称,指示,疑問,数量を表すもの
b 関係代名詞のうち,主格のthat,which,who及び目的格のthat,whichの制限的用法の基本的なもの
(エ) 動詞の時制など
現在形,過去形,現在進行形,過去進行形,現在完了形及び助動詞などを用いた未来表現
(オ) 形容詞及び副詞の比較変化
(カ) to不定詞のうち基本的なもの
(キ) 動名詞のうち基本的なもの
(ク) 現在分詞及び過去分詞の形容詞としての用法
(ケ) 受け身のうち現在形及び過去形
(4) 言語材料の取扱い
ア (3)の「エ文法事項」の(イ)のcの(b),dの(b)及び(ウ)のbについては,理解の段階にとどめること。
イ (3)の「エ文法事項」の取扱いについては,用語や用法の区別などの指導が中心とならないよう配慮し,実際に活用する指導を重視するようにすること。
3 指導計画の作成と内容の取扱い
(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
ア 各学校においては,生徒の実態や地域の実情に応じて,学年ごとの目標を適切に定め,3学年間を通して英語の目標の実現を図るようにすること。
イ 各学年とも,2の「(1)言語活動」のうち,特に聞くこと及び話すことの言語活動に重点をおいて指導すること。
ウ 2の「(3)言語材料」については,学習段階に応じて平易なものから難しいものへと段階的に指導するとともに,理解の段階にとどめたり表現の段階まで高めたりするなどして効果的に指導すること。
エ 音声指導に当たっては,聞くこと及び話すことを重視する観点から発音練習などを通して2の(3)の「ア音声」に示された言語材料を継続して指導すること。
また,音声指導の補助として,必要に応じて発音表記を用いて指導することもできること。
オ 文字指導に当たっては,生徒の学習負担に配慮し筆記体を指導することもできること。
カ 語,連語及び慣用表現の指導に当たっては,運用度の高いものを厳選し,習熟を図るようにすること。
キ 辞書の初歩的な使い方に慣れ,必要に応じて活用できるようにすること。
ク 生徒の実態や教材の内容に応じて,コンピュータや情報通信ネットワーク,教育機器などの有効活用やネイティブ・スピーカーなどの協力を得ることなどに留意すること。
また,学習形態などを工夫し,ペアワーク,グループワークなどを適宜取り入れること。
(2) 教材は,英語での実践的コミュニケーション能力を育成するため,実際の言語の使用場面や言語の働きに十分配慮したものを取り上げるものとする。その際,英語を使用している人々を中心とする世界の人々及び日本人の日常生活,風俗習慣,物語,地理,歴史などに関するもののうちから,生徒の心身の発達段階及び興味・関心に即して適切な題材を変化をもたせて取り上げるものとし,次の観点に配慮する必要がある。
ア 多様なものの見方や考え方を理解し,公正な判断力を養い豊かな心情を育てるのに役立つこと。
イ 世界や我が国の生活や文化についての理解を深めるとともに,言語や文化に対する関心を高め,これらを尊重する態度を育てるのに役立つこと。
ウ 広い視野から国際理解を深め,国際社会に生きる日本人としての自覚を高めるとともに,国際協調の精神を養うのに役立つこと。
別表1


    a     about     across     after
  all   am   among   an
  and   another   anyone   anything
  are   as   at   because
  before   between   both   but
  by   can   could   do
  down   during   each   either
  everyone   everything   for   from
  has   have   he   her
  hers   him   his   how
  I   if   in   into
  is   it   may   me
  mine   must   my   near
  nothing   of   off   on
  one   or   other   our
  ours   over   shall   she
  should   since   so   someone
  something   than   that   the
  their   them   then   these
  they   this   those   through
  to   under   until (till)   up
  us   we   what   when
  where   which   who   whose
  why   will   with   without
  would   you   your   yours


その他の外国語
その他の外国語については,英語の目標及び内容等に準じて行うものとする。


第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 必修教科としての「外国語」においては,英語を履修させることを原則とする。
2 選択教科としての「外国語」においては,生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう,第2の内容その他の内容で各学校が定めるものについて,課題学習,コミュニケーション能力の基礎を培う補充的な学習,発展的な学習などの学習活動を各学校において適切に工夫して取り扱うものとする。

[編集] 第10節 その他特に必要な教科

第10節 その他特に必要な教科
学校教育法施行規則第53条第3項のその他特に必要な教科は,地域や学校の実態及び生徒の特性等を考慮して,特に必要がある場合に,この章の第1節から第9節までにおいて定める教科のほかに設けることができる。この場合においては,各学校が,名称,目標,内容などについて適切に定めるものとする。

[編集] 第3章 道徳

第1 目 標
道徳教育の目標は,第1章総則の第1の2に示すところにより,学校の教育活動全体を通じて,道徳的な心情,判断力,実践意欲と態度などの道徳性を養うこととする。
道徳の時間においては,以上の道徳教育の目標に基づき,各教科,特別活動及び総合的な学習の時間における道徳教育と密接な関連を図りながら,計画的,発展的な指導によってこれを補充,深化,統合し,道徳的価値及び人間としての生き方についての自覚を深め,道徳的実践力を育成するものとする。


第2 内 容
1 主として自分自身に関すること。
(1) 望ましい生活習慣を身に付け,心身の健康の増進を図り,節度を守り節制に心掛け調和のある生活をする。
(2) より高い目標を目指し,希望と勇気をもって着実にやり抜く強い意志をもつ。
(3) 自律の精神を重んじ,自主的に考え,誠実に実行してその結果に責任をもつ。
(4) 真理を愛し,真実を求め,理想の実現を目指して自己の人生を切り拓いていく。
(5) 自己を見つめ,自己の向上を図るとともに,個性を伸ばして充実した生き方を追求する。
2 主として他の人とのかかわりに関すること。
(1) 礼儀の意義を理解し,時と場に応じた適切な言動をとる。
(2) 温かい人間愛の精神を深め,他の人々に対し感謝と思いやりの心をもつ。
(3) 友情の尊さを理解して心から信頼できる友達をもち,互いに励まし合い,高め合う。
(4) 男女は,互いに異性についての正しい理解を深め,相手の人格を尊重する。
(5) それぞれの個性や立場を尊重し,いろいろなものの見方や考え方があることを理解して,謙虚に他に学ぶ広い心をもつ。
3 主として自然や崇高なものとのかかわりに関すること。
(1) 自然を愛護し,美しいものに感動する豊かな心をもち,人間の力を超えたものに対する畏敬の念を深める。
(2) 生命の尊さを理解し,かけがえのない自他の生命を尊重する。
(3) 人間には弱さや醜さを克服する強さや気高さがあることを信じて,人間として生きることに喜びを見いだすように努める。
4 主として集団や社会とのかかわりに関すること。
(1) 自己が属する様々な集団の意義についての理解を深め,役割と責任を自覚し集団生活の向上に努める。
(2) 法やきまりの意義を理解し,遵(じゅん)守するとともに,自他の権利を重んじ義務を確実に果たして,社会の秩序と規律を高めるように努める。
(3) 公徳心及び社会連帯の自覚を高め,よりよい社会の実現に努める。
(4) 正義を重んじ,だれに対しても公正,公平にし,差別や偏見のない社会の実現に努める。
(5) 勤労の尊さや意義を理解し,奉仕の精神をもって,公共の福祉と社会の発展に努める。
(6) 父母,祖父母に敬愛の念を深め,家族の一員としての自覚をもって充実した家庭生活を築く。
(7) 学級や学校の一員としての自覚をもち,教師や学校の人々に敬愛の念を深め,協力してよりよい校風を樹立する。
(8) 地域社会の一員としての自覚をもって郷土を愛し,社会に尽くした先人や高齢者に尊敬と感謝の念を深め,郷土の発展に努める。
(9) 日本人としての自覚をもって国を愛し,国家の発展に努めるとともに,優れた伝統の継承と新しい文化の創造に貢献する。
(10) 世界の中の日本人としての自覚をもち,国際的視野に立って,世界の平和と人類の幸福に貢献する。


第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 各学校においては,校長をはじめ全教師が協力して道徳教育を展開するため,次に示すところにより,道徳教育の全体計画と道徳の時間の年間指導計画を作成するものとする。
(1) 道徳教育の全体計画の作成に当たっては,学校における全教育活動との関連の下に,生徒,学校及び地域の実態を考慮して,学校の道徳教育の重点目標を設定するとともに,第2に示す道徳の内容と各教科,特別活動及び総合的な学習の時間における指導との関連並びに家庭や地域社会との連携の方法を示す必要があること。
(2) 道徳の時間の年間指導計画の作成に当たっては,道徳教育の全体計画に基づき,各教科,特別活動及び総合的な学習の時間との関連を考慮しながら,計画的・発展的に授業がなされるよう工夫すること。その際,各内容項目の指導の充実を図る中で,生徒や学校の実態に応じ,3学年間を見通した重点的な指導や内容項目間の関連を密にした指導を行うよう工夫すること。
(3) 各学校においては,特に,規律ある生活ができ,自分の将来を考え,国際社会に生きる日本人としての自覚が身に付くようにすることなどに配慮し,生徒や学校の実態に応じた指導を行うよう工夫すること。また,悩みや心の揺れ,かっ藤等の課題を積極的に取り上げ,人間としての生き方について考えを深められるよう配慮すること。
2 第2の内容は,生徒が自ら道徳性をはぐくむためのものであり,道徳の時間はもとより,各教科,特別活動及び総合的な学習の時間においてもそれぞれの特質に応じた適切な指導を行うものとする。その際,生徒自らが成長を実感でき,これからの課題や目標が見付けられるよう工夫する必要がある。
3 道徳の時間における指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 学級担任の教師が行うことを原則とするが,校長や教頭の参加,他の教師との協力的な指導などについて工夫し指導体制を充実すること。
(2) ボランティア活動や自然体験活動などの体験活動を生かすなど多様な指導の工夫,魅力的な教材の開発や活用などを通して,生徒の発達段階や特性等を考慮した創意工夫ある指導を行うこと。
4 道徳教育を進めるに当たっては,学校や学級内の人間関係や環境を整えるとともに,学校の道徳教育の指導内容が生徒の日常生活に生かされるようにする必要がある。また,家庭や地域社会との共通理解を深め,授業の実施や地域教材の開発や活用などに,保護者や地域の人々の積極的な参加や協力を得るなど相互の連携を図るよう配慮する必要がある。
5 生徒の道徳性については,常にその実態を把握して指導に生かすよう努める必要がある。ただし,道徳の時間に関して数値などによる評価は行わないものとする。
※(「かっ藤」の「かっ」については,実際の中学校学習指導要領は漢字であるが,ホームページに表すことができないので,ひらがなにより記載。)

[編集] 第4章 特別活動

第4章 特 別 活 動


第1 目 標
望ましい集団活動を通して,心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り,集団や社会の一員としてよりよい生活を築こうとする自主的,実践的な態度を育てるとともに,人間としての生き方についての自覚を深め,自己を生かす能力を養う。


第2 内 容
A 学級活動
学級活動においては,学級を単位として,学級や学校の生活への適応を図るとともに,その充実と向上,生徒が当面する諸課題への対応及び健全な生活態度の育成に資する活動を行うこと。
(1) 学級や学校の生活の充実と向上に関すること。
学級や学校における生活上の諸問題の解決,学級内の組織づくりや仕事の分担処理,学校における多様な集団の生活の向上など
(2) 個人及び社会の一員としての在り方,健康や安全に関すること。
ア 青年期の不安や悩みとその解決,自己及び他者の個性の理解と尊重,社会の一員としての自覚と責任,男女相互の理解と協力,望ましい人間関係の確立,ボランティア活動の意義の理解など
イ 心身ともに健康で安全な生活態度や習慣の形成,性的な発達への適応,学校給食と望ましい食習慣の形成など
(3) 学業生活の充実,将来の生き方と進路の適切な選択に関すること。
学ぶことの意義の理解,自主的な学習態度の形成と学校図書館の利用,選択教科等の適切な選択,進路適性の吟味と進路情報の活用,望ましい職業観・勤労観の形成,主体的な進路の選択と将来設計など
B 生徒会活動
生徒会活動においては,学校の全生徒をもって組織する生徒会において,学校生活の充実や改善向上を図る活動,生徒の諸活動についての連絡調整に関する活動,学校行事への協力に関する活動,ボランティア活動などを行うこと。
C 学校行事
学校行事においては,全校又は学年を単位として,学校生活に秩序と変化を与え,集団への所属感を深め,学校生活の充実と発展に資する体験的な活動を行うこと。
(1) 儀式的行事
学校生活に有意義な変化や折り目を付け,厳粛で清新な気分を味わい,新しい生活の展開への動機付けとなるような活動を行うこと。
(2) 学芸的行事
平素の学習活動の成果を総合的に生かし,その向上の意欲を一層高めるような活動を行うこと。
(3) 健康安全・体育的行事
心身の健全な発達や健康の保持増進などについての理解を深め,安全な行動や規律ある集団行動の体得,運動に親しむ態度の育成,責任感や連帯感の涵(かん)養,体力の向上などに資するような活動を行うこと。
(4) 旅行・集団宿泊的行事
平素と異なる生活環境にあって,見聞を広め,自然や文化などに親しむとともに,集団生活の在り方や公衆道徳などについての望ましい体験を積むことができるような活動を行うこと。
(5) 勤労生産・奉仕的行事
勤労の尊さや創造することの喜びを体得し,職業や進路にかかわる啓発的な体験が得られるようにするとともに,ボランティア活動など社会奉仕の精神を養う体験が得られるような活動を行うこと。


第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 学校の創意工夫を生かすとともに,学校の実態や生徒の発達段階などを考慮し,教師の適切な指導の下に,生徒による自主的,実践的な活動が助長されるようにすること。また,家庭や地域の人々との連携,社会教育施設等の活用などを工夫すること。
(2) 生徒指導の機能を十分に生かすとともに,教育相談(進路相談を含む。)についても,生徒の家庭との連絡を密にし,適切に実施できるようにすること。
(3) 学校生活への適応や人間関係の形成,選択教科や進路の選択などの指導に当たっては,ガイダンスの機能を充実するよう学級活動等の指導を工夫すること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 学級活動については,学校や生徒の実態に応じて取り上げる指導内容の重点化を図るようにすること。また,個々の生徒についての理解を深め,信頼関係を基礎に指導を行うとともに,指導内容の特質に応じて,教師の適切な指導の下に,生徒の自発的,自治的な活動が助長されるようにすること。
(2) 生徒会活動については,教師の適切な指導の下に,生徒の自発的,自治的な活動が展開されるようにすること。
(3) 学校行事については,学校や地域及び生徒の実態に応じて,各種類ごとに,行事及びその内容を重点化するとともに,行事間の関連や統合を図るなど精選して実施すること。また,実施に当たっては,幼児,高齢者,障害のある人々などとの触れ合い,自然体験や社会体験などを充実するよう工夫すること。
3 入学式や卒業式などにおいては,その意義を踏まえ,国旗を掲揚するとともに,国歌を斉唱するよう指導するものとする。

[編集] 参考

中学校学習指導要領