さむしろ
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さむしろ
作者:不詳
『狭筵』と書く。作曲は、在原勾当。
去年《こぞ》の秋、散りし梢《こずゑ》は紅葉《もみぢ》して、今はた峯は有明《ありあけ》の、月日《つきひ》ばかりを数えても、まつに甲斐なき村時雨《むらしぐれ》。時しも分《わ》かずふるからに、色も褪せつついつしかに、我袖《わがそで》のみや変るらん。鳴く音《ね》をそへてきりぎりす、夜半《よは》の枕に告げ渡る。嵐の末の鐘の声、結ばぬ夢も覚めやらで、ただ偲ばるる昔なりけり。
- 底本: 今井通郎『生田山田両流 箏唄全解』中、武蔵野書院、1975年。
この作品は1899年3月4日以前に公表されたもので、作者の死亡から100年以上経過しているため全世界でパブリックドメインの状態にあります。