ヘルプ:タイポグラフィの基本ガイド

提供:Wikisource
基本ガイド タイポグラフィ
ページのテキストを整形して配置する方法

ウィキソース用の作品を校正する際、ウィキソースが原作にできるだけ近い組版にする支援をします。しかし、ウィキソースには独自の様式があり、ここが印刷本というよりもウェブサイトであるという事実が、組版時にできることに影響を及ぼしています。このページは作品の組版を始める手助けとなるはずです。

組版は文章そのものに対して2の次であることに留意してください。この2つの間に対立があったり、組版に問題があるならば、文章の言い回しを完全のままにし、不都合なフォーマットは無視するか後回しにするかしてください。ウィキソースはウィキであるため、訂正と改善は、好きなときにいつでも、あなただけでなく他の利用者もすることができます。

段落と文章[編集]

ウィキソースの普遍的金言は原文をできるだけそのまま保存するというものですが、印刷版ページからデジタル・フォーマットへと媒体を変えるために作られた妥協策もあります。このうち主要なものは、段落を整形する方法とそれに伴う変化です。

段落や他の文章に字下げをしない。
段落の始めは原文に関係なく、インデントすべきではありません。なぜならば、印刷版作品では通常、段落の最初の行を左余白から少し離すことでインデントします。このインデントが新しい段落の始まりであるという視覚的サインになります。ウィキソースでは、視覚的サインは段落と段落のの広めの空白という形で提供されます。ある段落の最終行と次の段落の最初の行との間に広めの空白行があるのはわたしたちのソフトウェアでは当然の帰結です。このような視覚的サインがあるため、通常の段落インデントは使用しません。

いかなる状況でも行の始めに半角の空白を使用すべきではありません。これによって、ソフトウェアが次の行を表示させる際に不幸な結果になります。文章は以下のように、陰付きの長方形の中に等幅フォントで表示されます:

文章の行の前に半角の空白がある場合はこのようになります。
段落の間は1行空ける。
段落間の広めの空白を作るには、単に編集の際に2つの段落の間に1行空けるだけです。これは、いかなる文字や空白文字もない、完全な空白行にしなければなりません。
複数の空白行は除く。
印刷版書籍では行数をページに合わせるように、改行がなされています。スキャンした文章は、しばしば原本で現れたものに合わせるように、各行の終わりの改行を表現します。そのような改行は印刷の過程における人工物と考えられます。底本からウィキソースのページへ文章を複写しているときのベスト・プラクティス(最善慣行)は、このような空白行は除くというものです。ウェブ・ブラウザは個々の読者のため、文章を自然に回り込ませますが、空白行をそのままにしておくと問題が起きると判明することがあります。編集作業の校正の段階で複数の空白行を除くのは、検証段階で注意散漫の原因を減らすために推奨されます。
2行にまたがっているハイフンつきの単語は、再びつなげる。
2行にまたがっている単語は、再び1語につなげるべきです。たとえば、行の終わりが"bad-"で次の行の始まりが"ger"であるときは、改行とハイフンを除いて"badger"だけにすべきです。しかしこれを行う際は、"twenty-nine"や"three-fourths"、または"Saxe-Coburg"のようにもともとハイフンがついている語のハイフンを除かないように注意してください。これらの語が行末で分かれるとき、通常どおり改行によってハイフンがついているだけの単語のように見えますが、実際はもとからハイフンがついている単語です。この2つの状況の違いを認識するにはいくらかの常識が必要であり、それだけではなくさらに、空白とハイフンのいずれも国によってさまざまであって何度も変わっているということを意識しなければなりません。たとえば、"today"という語は一部の古い作品では"to day"や"to-day"と書かれることがありました。作品の複数ページを拾い読みしたり、近くの段落に目を向けたりすることで、ハイフンをそのままにすべきか取り除くべきかという疑問を解決できる可能性がしばしばあります。
文と文の間の空白は1つで十分である。
伝統的に印刷版作品のスタイル・ガイドは終止符(ピリオド)や感嘆符、疑問符、あるいは他の種類の文末句読点の後に2つ空白を置くことを推奨していました。そのようなスタイル・ガイドのもとタイピングやキーボードを学んだ方々は習慣的にこうしてしまうかもしれません。しかし、ウェブ・ブラウザは通常、行上の2つ以上の連続する空白は1つにまとめます。そのため、同じ段落の文と文の間は空白を1つだけ含める必要があります。余分な空白は表示されません。

上述のフォーマットはほとんどの場合は標準的ですが、例外も一部あります。たとえば、詩歌では意図的に複数行にかいてあり、改行をすべて除くのは不適切です。整形済み詩歌は、より上級的項目でありヘルプ:詩を編集するで扱っています。また、ハイフン付きの単語がページの終わりにあり、次のページの始めに続いているときは特殊なフォーマットが必要です。これは以下の複数ページで考えます。

テキストのフォーマット[編集]

この見出しのもとにおいては、太字斜体などのテキストのスタイル、それだけでなく大きさ、フォント(テンプレート:Blackletterなど)、および特殊文字の問題も含まれます。

テキストの書式[編集]

下の表のようにテキストの両側にアポストロフィを加えることで、斜体または太字のテキストを入力できます。

フォント/スタイル ウィキ・コード 説明
斜体 ''斜体'' テキストを斜体にするには、テキストの両側にアポストロフィを2つ加えてください。
太字 '''太字''' テキストを太字にするには、テキストの両側にアポストロフィを3つ加えてください。
太字かつ斜体 '''''Bold italics''''' テキストを同時に太字斜体にするには、テキストの両側にアポストロフィを3つ加えてください。

(つまり、3つのアポストロフィの外側に2つアポストロフィがあることで、同時に両効果が実現できます。)

テキストの大きさ[編集]

テキストの大きさを変えるには以下のテンプレートを使うことができます。これは特に章題や脚註に便利で、テキストのあらゆるところでも使われる可能性があります。


文字の大きさ テンプレート ウィキ・コード 段落用
テンプレート:Xx-smaller {{xx-smaller}} {{xx-smaller|Foo}} によってテンプレート:Xx-smaller {{xx-smaller block}}
テンプレート:X-smaller {{x-smaller}} {{x-smaller|Foo}} {{x-smaller block}}
smaller {{smaller}} {{smaller|Foo}} {{smaller block}}
normal normal テンプレートや修正が全くない
larger {{larger}} {{larger|Foo}} {{larger block}}
テンプレート:X-larger {{x-larger}} {{x-larger|Foo}} {{x-larger block}}
テンプレート:Xx-larger {{xx-larger}} {{xx-larger|Foo}} {{xx-larger block}}
テンプレート:Xxx-larger {{xxx-larger}} {{xxx-larger|Foo}} {{xxx-larger block}}
テンプレート:Xxxx-larger {{xxxx-larger}} {{xxxx-larger|Foo}} {{xxxx-larger block}}


縮小サイズを比較する表[編集]

 
テンプレート 通常 太字 斜体 太字かつ斜体
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
{{fine block}} テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
{{smaller}} テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
{{x-smaller}} {{x-smaller block}} テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs
{{xx-smaller}} {{xx-smaller block}} テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs テンプレート:Fs

他のテキスト効果[編集]

テンプレートで可能となるさまざまなテキスト効果があります。下の表はもっとも一般的なものの一部です:

フォーマット テンプレート ウィキ・コード 効果
Small capitals {{smallcaps}}, {{sc}} {{smallcaps|foo lorem}}, {{smallcaps|Foo Lorem}} テンプレート:Smallcaps, テンプレート:Smallcaps
落とし大文字 (drop cap) {{dropinitial}}, {{di}} {{dropinitial|F}}oo テンプレート:Dropinitialoo テンプレート:Lorem ipsum これが段落でどう見えるか見せるため、後ろに続く文章は{{lorem ipsum}}テンプレートを使用しています。
突き出し大文字 (raised initial) {{largeinitial}}, {{li}} {{largeinitial|F}}oo テンプレート:Largeinitialoo テンプレート:Lorem ipsum 同様に理由によりこちらも後ろに文章を追加しています。
ぶら下げインデント {{hanging indent}}, {{hi}} {{hanging indent|lorem ipsum}} テンプレート:Hanging indent この文章にも{{lorem ipsum}}で追加しています。

フォントの書体[編集]

ほとんどの場合、ウィキソースはテキストに対してフォントの選択を指定していません;この選択はブラウザや読者に任されています。しかし、特定のフォントを指定するのが有益な状況があり、以下のテンプレートで行うことができます:

フォーマット テンプレート ウィキ・コード 効果
Blackletter {{blackletter}}, {{bl}} {{blackletter|für Elise}} テンプレート:Blackletter 他の効果やテンプレートと組み合わせられます
Polytonic {{polytonic}} {{polytonic|Προμηθεὺς Δεσμώτης}} テンプレート:Polytonic 古代ギリシア語の表示に使用します。
等幅 {{monospace}} {{monospace|print "Hello world!"}} テンプレート:Monospace ソース・コードや、あるいはこのテンプレートを使用しなければ非斜体の代替書体を使ってマークされるテキストに使用できます。

記号や特殊文字[編集]

Unicode、あるいは"What about these funny characters?"(この可笑しい文字はいかが?)としても知られる

作品にはしばしば一般的でない外国の文字があり、想定の範囲内ですが、投稿者の多くはこれらを入力する方法が分かりません。これを支援するために、新たなツールバーや編集ページの下部に、こういった文字を追加できるようにする編集ツールが含まれています。利用可能な文字セットには全文字が含まれているわけではなく、特に非常に古い組版の場合は存在しない可能性が高くなります。以下のサイトで、その文字が現代のフォントで利用可能か確かめることができます。

文字を見つけたら、ウィキソースの作品にコピー・アンド・ペーストするだけです。あるいは、HTMLの文字実体参照を使うことがでできます;たとえば、‡(二重短剣符)は‡と入力すると表示されます。

レイアウト[編集]

ヘッダ、フッタ、および編集領域のオリエンテーション[編集]

テンプレート:FI

ヘッダとフッタの表示はツールバーの[+]コントロールでコントロールでき、編集ページを開いたときの表示に関するデフォルト状態は利用者設定の編集タブでセットできます。

編集領域を横並びにするか縦並びにするかもツールバーのxコントロールでセットでき、編集ページを開いたときの表示に関するデフォルト状態も利用者設定の編集タブでセットできます。

 

ヘッダとフッタのテキスト位置[編集]

テンプレート 縮約形 使い方
{{RunningHeader}} {{rh}} ページ番号を含む、ヘッダとフッタの簡単なフォーマッティング
 
柱 (Running Header) の例
テンプレート 結果
{{rh|1|章題|[1830.}}
1
1830.
章題
{{fs|90%|{{rh|1|章題|[1830.}}}} テンプレート:Fs
{{rh||''書籍名''|55}}
55
書籍名
{{rh|2巻||101頁}}
2巻
101頁
 
 

文章位置[編集]

以下のテンプレートはテキストをフォーマットしません(テキストの大きさの調整など);ページ自体のフォーマットの手助けとなります。

テンプレート 縮約形 使い方
{{Center}} {{c}} 現在の行の中央に文章を配置する。
{{Hyphenated word start}} {{hws}} 2ページにまたがって分かれている単語を再びつなげる。
{{Hyphenated word end}} {{hwe}} 2ページにまたがって分かれている単語を再びつなげるのを完了させる。
{{nop}} n/a ページの最後の文章で、かつ段落の最後でもある場合、末尾に加える(これにより、段落分けが無視されることを防ぎます)。

たとえば、1ページが"contin-"で終わり、2ページが"-uation"が始まるとき、この文章を以下のように置き換えるべきです:1ページには"{{hws|contin|continuation}}"を使い、2ページは"{{hwe|uation|continuation}}"を使ってください。保存すると、Page名前空間では依然として"contin-"と"-uation"のように表示されますが、どちらにも"continuation"というツールチップがあります。しかし、Main名前空間では"continuation"とだけ表示されます。

 

複数ページ(にまたがる場合)[編集]

書籍の文章は普通、ページをまたいで続いており、校正処理に使われるコンピュータ・プログラムもこれを想定しています。Main名前空間に文章が現れるとき、前のページの最後の単語と次のページの最初のページの間に空白文字を加えます。通常はこれが望まれるものです。しかし、テンプレートを使用してプログラムに違う動きをさせなければならない場合もあります。

  • ページの終わりに段落の終わりがある場合:改行してページの終わりの新しい行に{{nop}}テンプレートを追加してください。これによって次のページの最初の段落とくっつきません。
  • 単語が2ページに分かれているとき:前のページに{{hyphenated word start}}を、次のページに{{hyphenated word end}}を追加してください。
    たとえば、5ページが"bad-"で終わり、6ページが"-ger"で始まる場合、5ページの終わりを以下のようにします
{{hyphenated word start|bad|badger}}
6ページは以下のように始めます
{{hyphenated word end|ger|badger}}
 
ページがMain名前空間に読み込ませると、"badger"のようにだけ表示されます。

[編集]

表は、表を作るとき(原本に存在する場合)にも、文章のレイアウトを指定するときにも使うことができます。これは複雑になる可能性があります。

関連情報[編集]