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死霊解脱物語聞書
作者:殘壽
元禄三年
1690年12月23日
元禄時代に出版された仮名草子の掉尾を飾る傑作。「古今犬著聞集」に収められた下総国(現在の常総市)での祐天上人にまつわる怨霊憑依の怪事件の説話から題材を採り、浄土宗門の監修で勧化本として整えた仏教説話だが、時にユーモラスで時に息詰まるストーリー展開や累、祐天、村名主などの人物の性格、心理描写、またおそらく読み語りを意識した「平家物語」ばりの七五調など、後世の戯作本にも通じる娯楽性を持ち、「残寿」と名乗る作者は不詳だが力量を持った作家が後ろに付いていたと思われる。出版後大評判となって重版を続け、多数の歌舞伎、浄瑠璃演目に翻案された。スピンオフ作品として円朝の「真景累ケ淵」があり、映画化され現代まで語り継がれている。
底本:「死霊解脱物語聞書上下」本石町三丁目山形屋吉兵衛 元禄三年十一月廿三日 国立国会図書館蔵書 ※ 底本は旧字、異字と略字の混交した行書体であり、原書に新字体と近い略字が使われている場合は新字体(例:仏、実、与、昼、尽)旧字体を崩した行書体の場合は旧字体(例:錢、氣、來)を採用し、異字体や略字体がJIS第2水準にないものは第3水準まで対応(例:「灵」第3水準1-87-36」、「异」第3水準1-84-18)した。原書で「仏」の字は「仏、佛」の兩方が混交して使われているが、これも原書どおりとして統一はしなかった。灵-霊、国-國、声-聲なども同様で、可能なかぎり原書の印象を保存したために、結果的に新字体、旧字体混交の形になった。漢字の繰り返しは原書どおり「〻」とし句読点も原書どおり全て「。」とした。ただ変体かなと片かなは全て現代の平がなに統一した。漢字の使われ方に現代と異なるものがあり、(例:甥(むこ)、呼喚(きやうくわん)、聞絶(もんぜつ)、吊(とふらい))また仮名遣いも、直(じき)と直(ぢき)など不統一が見られ、また明らかに誤記とみられる個所もあるが、これも原書どおりとした。一方あとから書き込まれたと見られるふり仮名等もあり、これは他の印影本を参照して排除した。本書は重版が続けられ、元禄三年版と挿絵の入った正徳二年版の二種が知られているが、それぞれの版の中に記載されないいくつかの改版修正があり、誤記の訂正や新たな誤記の導入が見られるため要注意である。本作品中には、身体的障害に関する不適切な表現が見られるが、作品の古典としての歴史的価値を損なわぬよう底本のままとした。
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