百人一首

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はじめに[編集]

百人一首は藤原定家による秀歌撰を基にしてつくられたかるたの一種です。この編纂を京都小倉山で編纂したという由来から小倉百人一首ともいいます。

百人一首の内容などについてはw:百人一首に譲ります。ここでは、百人一首のかるたを用いたゲームについて解説します。

かるた[編集]

上達のコツ~決まり字[編集]

百人一首のカルタを上達するには歌を覚えるのが鉄則です。しかし、いっぺんにすべてを暗記するのは不可能です。効率よく覚えるための方法の一つが決まり字を覚えることです。

1字決まり[編集]

決まり字の基本です。以下の歌は最初の一文字で歌が分かるものです。6つありますが、その最初の文字をとった「む・す・め・ふ・さ・ほ・せ(娘、(ふさ)干せ)」と覚えましょう。

  • らさめの→きりたちのほるあきのゆふくれ:寂蓮法師
  • みのえの→ゆめのかよひぢひとめよくらむ:藤原敏行朝臣
  • ぐりあひて→くもがくれにしよはのつきかな :紫式部
  • くからに→むべやまかぜをあらしといふらむ:文屋康秀
  • びしさに→いづこもおなじあきのゆふぐれ:良暹法師
  • ととぎす→ただありあけのつきぞのこれる:後徳大寺左大臣
  • をはやみ→われてもすゑにあはむとぞおもふ:崇徳院

散らしとり[編集]

左・作者名、歌、絵が描かれたものが読み札。右、下の句のみのものが取り札。
散らしとり
読み手 必要
人数 読み手を除いて2人以上
推奨年齢 小学生以上

普通のカルタ取りとほぼ同じです。

まず、読み手を一人選び、読み手が読み札をとります。そして、取り札を適当に重ならないようにして散らします。このとき、なるべく公平になるように取り札の頭はバラバラな向きになるようにします。また、お手付きのペナルティも決めておくといいでしょう。一般的には一回休みが多いようです。

準備ができたら、読み手が歌を読みます。取り手はわかった時点で取り札をとりましょう。同時に何人もが同じ札を押さえた場合には、手が一番下にある人のものです。

慣れていない場合、なかなか札をとれないかもしれません。その時には、読み手が下の句を繰り返し読むようにしましょう。

こうして、取り札がすべてなくなったら終了です。順位はとった札の多い順となります。

源平合戦[編集]

競技かるた[編集]

その他[編集]

坊主めくり[編集]

概要[編集]

坊主めくり
読み手 不要
人数 2人以上(4~8人くらいがベスト)
推奨年齢 全年齢(字が読めなくてもOK)

このゲームでは読み札(絵札)のみを用います。百人一首の内容を覚える必要はありません。

駆け引きなどの「実力」はほとんど必要なく、ほぼ運のみのゲームです。しかし、それゆえに参加者同士の知的・身体的な差に関係なく遊べるので、年齢差の大きいグループや、高齢者、外国人などの日本語の読めない人でも問題なく遊べます。また、ルールがシンプルなのにシーソーゲームとなるために、意外に盛り上がりやすいです。そのため、打ち解けるためのちょっとした遊びにも向いています。ほか、勝ち負けに強くこだわりすぎる子どもに、負けを受け入れるためのソーシャルスキルトレーニングの一環としても向いています。

もちろん、百人一首の歌の内容などにも興味を広げることもできます。

基本ルール[編集]

  1. 絵札をよくきります。枚数が多いので、分けるなどしましょう。
  2. 絵札を山にします。このとき、3~4つくらいの山にすると「自分で選んだ」という感じがします。
  3. 参加者が一枚ずつめくります。めくった札の種類によって何かが起こります。
    1. 殿(男)は自分の手元に置き、自分の手札とします。
    2. 坊主(僧侶)が出ると、自分の手札をすべて捨てなければなりません。
    3. 姫を引くと、捨てられたすべての札を自分のものにできます。もし、捨てられた札がなければもう一枚引けます。
  4. 山札がなくなったらゲーム終了です。その時点での手札の数で順位が決まります。普通は札の多い方が勝ちです。

ローカルルール[編集]

坊主めくりの特徴でもあり、魅力でもあるのはローカルルールが非常に多いことです。そのため、参加者同士のルール確認はしておきましょう。ここでは、よく知られているルールを紹介します。

また、慣れてきたらいろいろとアレンジをしても面白いですよ。

蝉丸ルール[編集]
蝉丸札

ローカルルールの代表が蝉丸札です。蝉丸札の扱いについては以下のようなルールがあります。

  • 蝉丸を引いた人は手札の枚数に関わらず最下位決定(ただし、最後の一枚が蝉丸だったら引いた人の勝利)
  • 蝉丸を引いた人は一回休み
  • 蝉丸を引いた人以外全員の札を捨てさせる
  • 蝉丸を引いた人はすべての参加者の札を没収して自分のものにできる

このように、ルールが最も多様なので、蝉丸の扱いは真っ先に確認しておきましょう

天皇札[編集]

天智天皇、持統天皇、陽成院、光孝天皇、三条院、崇徳院、後鳥羽院、順徳院の8人は天皇札と呼ばれることがあります。この中でも、天智天皇札持統天皇札は特別扱いされることがあります。

  • 天智天皇か持統天皇を引けば、他の人の札と捨てられた札を総取りできる
  • 天智天皇か持統天皇を持っている人は蝉丸札の影響(札を強制的に捨てられるなど)を無視できる
  • 他の天皇札を引いた人は追加で2枚、山から引ける
武官札(弓持ち札)[編集]

弓を持っている人物を武官札(または弓持ち札)と呼ぶことがあります。該当するのは、参議篁、在原業平朝臣、藤原敏行朝臣、壬生忠岑、参議等、壬生忠見、藤原道信朝臣、藤原基俊の8人ですが、メーカーによっては弓を持っていない場合があります(特に壬生忠見札は弓を持っていないことが多い)。プレイ前に確認しておきましょう。

武官札の扱いには以下のようなものがあります。

  • 左隣の人の札をすべてもらう(または5枚もらう)
  • 札をとる順序が逆転する、いわゆるリバースカード
  • 武官札を引いた人は、一人を選んでその人の手札にタッチすると札をとれる。ただし、持ち主からブロックされると札をとれない。
その他のローカルルール[編集]
祐子内親王家紀伊。繧繝縁の札の一つ。
  • 勝者は手札の少ない方とする
  • 姫札を引いた場合は捨てられたすべての札を自分のものにしたうえで、山からもう一枚引く
    • 皇族姫(持統天皇・式子内親王)は2枚引ける
  • 天皇札に親王(元良親王・式子内親王)を含める
    • さらに繧繝縁(うんげんべり)(畳のヘリがカラフルな色)の畳に座っている人物まで拡張して天皇札とみなす。対象となるのは祐子内親王家紀伊などの一部女流歌人。天皇以外の繧繝縁(うんげんべり)の人物もメーカーによって違いがあります。

などなど。

以上のルールを色々と組み合わせて遊んでみてください。

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