Page:Yojo-shichifuka.pdf/6

提供:Wikisource
このページはまだ校正されていません


飲與食不過度   (飲と食とは度を過すべからず)

飲食の二つは其品を賞し其味を樂しむ爲にあらず。唯是を以て一身を養ふ爲に飲み食ふものなり。されば細胞によりて氣力に强弱を見はすこと其著しき正?なり。如何となれば飲食一度腹中に入て自然の力を以て是を消化し、其の度宜しき時は、清潔の血液を生じ、能一身を養ひ種々の妙用を便す。?物は?り新物は養ふこと、人々自然に受得る所なり。若度に過る時は養に剰餘あり。その得る所の物ぜんぜんに?物となり、終には病を生るの因となる。古人も守口如甁と箴たり。故に飲食は度に應ずるをよしとす。

正物不苟食   (正物に非ざれば苟も食すべからず)

食は五味の調和を賞すといへど、食に對して品數多く交へ食ふべからす。椀中にては其品別なりといへども、胃中に下るときは混じて一となり、消化して不潔の血液を生ず。費へば五色の間して何の色とも名くべからざるが如し。殊に饐餲せる物、魚鳥の肉不鮮の物最食ふペからす。是また化して不第の血液となる。共に病を生るの因となる。唯新鮮にして品數少く食ふをよしとす。