イオアン彼の事を證し、呼びて曰へり、我が嘗て、我の後に來る者は、我の前と爲れり、蓋其本我より先なる者なりと言ひしは、即斯の人なり。
一六彼の充滿より我等皆恩寵の上に恩寵を受けたり。
一七蓋律法はモイセイに由りて授けられ、恩寵と眞實とはイイススハリストスに由りて來れり。
一八神を見し人未だ嘗てあらず、惟獨生の子、父の懷に在る者は、彼を彰せり。
一九イオアンの證は左の如し、イウデヤ人イエルサリムより司祭及び「レワィト」等を遣して、彼に爾は誰たると問ひし時、
二〇彼承けて諱まざりき、承けて曰く、我はハリストスに非ず。
二一又彼に問へり、然らば何ぞ、爾はイリヤなるか。曰く、非ず。預言者なるか。答ヘて曰へり、否。
二二彼等之に謂へり、爾は誰ぞ、我等を遣しゝ者に答を爲さしめよ、爾は己の事を如何に云ふか。
二三彼曰へり、我は野に呼ぶ者の聲、主の道を直くせよと云ふ者なり、預言者イサイヤの言ひしが如し。
二四遣されし者はファリセイ等に屬せり。
二五彼等又之に問ひて曰へり、爾ハリストスに非ず、イリヤに非ず、預言者に非ざれば、何ぞ洗を授くる。
二六イオアン彼等に答へて曰へり、我は水を以て洗を授く、然れども爾等の中に立てる者あり、爾等の識らざる者なり。
二七彼は
則我