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第一章

太初はじめことばり、ことばかみともり、ことばすなはちかみなり。 ことば太初はじめかみともり。 萬物ばんぶつかれりてつくられたり、およつくられたるものには、いつかれらずしてつくられしはし。 かれうち生命いのちり、生命いのちひとひかりなり。 ひかりくらやみり、くらやみこれおほはざりき。 かみよりつかはされしひとあり、其名そのなはイオアンなり。 かれしょうためきたれり、ひかりことしょうし、衆人しゅうじんをしてかれりてしんぜしめんためなり。 かれひかりあらず、すなはちひかりことしょうせんためつかはされたり。 まことひかりあり、およきたひとてらものなり。 一〇かれかつり、かれりてつくられたり、しかうしてかれらざりき。 一一おのれぞくするものきたれり、しかうしておのれぞくするものかれけざりき。 一二かれけ、其名そのなしんずるものには、かれかみけんたまへり。 一三血氣けつきるにあらず、情欲じやうよくるにあらず、人欲じんよくるにあらず、すなはちかみりてうまれしものなり。 一四ことば肉體にくたいりて、我等われらうちりたり、恩寵おんちょう眞實しんじつとに滿てられたり。我等われらかれ光榮くわうえいたり、ちゝ獨生子どくせいしごと光榮くわうえいなり。

一五