坐せる時、彼餅を取りて、祝福し、擘きて彼等に與へたり。
三一 其時二人目啓けて、彼を識れり、而して彼忽に見えずなりき。
三二 彼等互に言へり、途中彼が我等と語り、且我等に聖書を解き明しし時、我等の心我が衷に燃えしに非ずや。
三三 即時に起ちて、イエルサリムに歸り、十一門徒及び之と偕に聚れる者に遇へり。
三四 僉言ふ、主は實に復活せり、而してシモンに現れたり。
三五 二人も亦途中に在りし事、及び如何に其餅を擘く時彼等に識られし事を述べたり。
三六 此等の事を語れる時、イイスス親ら彼等の中に立ちて曰へり、爾等に平安。
三七 彼等驚き且懼れて、見る所は神゜なりと意へり。
三八 イイスス彼等に謂へり、何ぞ懼れ惑ふ、胡爲れぞ此の意は爾等の心に起れる。
三九 我が手我が足を視よ、是我自なり、我に捫りて視よ、蓋神゜には骨肉なし、其我に有るを見るが如し。
四〇 此を言ひて、手足を彼等に示せり。
四一 彼等喜に因りて、猶未だ信ぜず、且異める時、彼曰へり、此に食ふべき物あるか。
四二 彼等は炙りたる魚一片と蜜房とを彼に與へたれば、
四三 取りて、彼等の前に食へり。
四四 又彼等に
謂へり、
我猶爾等と
偕に
在りし
時、
爾等に
語りて、モイセイの
律法、
諸預言者、
及び
聖詠に、
我を
指して
録されし
事、
皆應ふべし