に違はざれども、爾未だ嘗て小山羊を我に與へて、我を友と共に樂しましめざりき。
三〇 然るに此の爾の子、妓と共に爾の産業を耗しし者の來たりし時は、爾彼の爲に肥えたる犢を宰れり。
三一 父彼に謂へり、子よ、爾は常に我と偕に在り、我に屬する者は皆爾に屬す。
三二 惟此の爾の弟は死して復生き、失はれて、又得られたるが故に、我等喜び樂しむべきなり。
第十六章
一 イイスス又其門徒に謂へり、或富める人に管理者ありて、其主の産業を耗すと彼に訴へられたり。
二 主彼を呼びて曰へり、我が爾に付きて聞く事は斯れ何ぞや、管理の報告を出せ、蓋爾は仍管理するを得ず。
三 管理者意に謂へり、我が主我より管理の職を奪ふ、我何を爲さんか、鋤くには力なく、乞ふは耻づ。
四 我爲すべき事を知る、我が管理の職の解かれん時、人々に我を其家に接けしめん爲なりと。
五 乃其主の負債者を一一呼びて、其第一の者に謂へり、爾我が主に負ふこと幾何ぞ。
六 曰へり、油百斗なり。彼に謂へり、爾の券を取り、亟に坐して、五十と書け。
七 次に他の者に謂へり、爾負ふこと幾何ぞ。曰へり、麦百斛なり。彼に謂ふ、爾の券を取りて、八十と書け。
八 主は
不義な