けて彼等に曰へり、
四 爾等の中何人か、一百の羊ありて、其一を失はば、九十九を野に舎き、往きて、亡はれし者を獲るに至るまで之を尋ねざらんや、
五 之を獲て、喜びて己の肩に任ひ、
六 家に歸りて、其友及び隣を呼び集めて、彼等に謂はん、我と共に喜べ、蓋我は亡はれし羊を獲たりと。
七 我爾等に語ぐ、是くの如く天には一の悔い改むる罪人の爲の喜は、悔改を要せざる九十九の義人の爲の喜に勝らん。
八 或は何の婦か、金銭十枚ありて、其一枚を失はば、灯を燃し、室を掃ひ、獲るに至るまで、勤めて尋ねざらんや、
九 之を獲て、其友の及び隣を呼び集めて曰はん、我と共に喜べ、蓋我は失ひし金銭を獲たりと。
一〇 我爾等に語ぐ、是くの如く神の使等の前には、一の悔い改むる罪人の爲に喜あり。
一一 又曰へり、或人に二の子あり、
一二 其次子父に謂へり、父よ、我が得べき産業の分を我に與へよ、父其産業を彼等に分てり。
一三 幾日も経ざるに、次子は其得たる者を尽く集めて、遠き地に旅行し、彼處に放蕩に生活して、其産業を浪費せり。
一四 尽く耗ししに及びて、其地に大なる飢饉起り、彼始めて乏しきを覚えたり。
一五 乃往きて、其地の住民の一に身を寄せたれば、其人彼を田に遣して豕を牧はしめたり。
一六 彼は
豕の
食ふ