が信じて救はれざらん爲なり。
一三石の上の者は、是れ聴く時喜びて言を受くれども、己に根なくして暫く信じ、誘惑の時に背く。
一四棘の中に遺ちし者は、是れ聴きて去り、而して度生の慮と貨財と宴樂とに蔽はれて、實を結ばず。
一五沃壌に遺ちし者は、是れ言を聴きて、清潔良善なる心に之を守り、忍耐して實を結ぶ。(之を言ひて呼べり、耳ありて聴くを得る者は聴くべし。)
一六灯を燃し、而して器を以て之を覆ひ、或は牀の下に置く者あらず、乃灯台の上に置く、入る者が光を見ん爲なり。
一七蓋隱れて顯れざる者なく、藏して知られず、且露ならざる者なし。
一八故に爾等聴くことの如何を慎め、蓋有てる者は之に與へられ、有たざる者は、其有てると意ふ物も、之より奪はれん。
一九時に彼の母及び兄弟彼に來りしに、群衆の爲に近づくを得ざりき。
二〇或彼に告げて曰へり、爾の母及び爾の兄弟外に立ちて、爾を見んと欲す。
二一彼は之に答へて曰へり、我が母及び我が兄弟とは、神の言を聴きて行ふ者是なり。
二二一日彼は門徒と偕に舟に登りて、彼等に謂へり、我等湖の彼の岸に済るべし、乃行けり。
二三行く時彼寝ねたり。颶風湖に吹き下し、水舟に滿たんとして、危きこと甚し。
二四門徒就きて
彼を
醒まし