すか。五〇 彼婦に謂へり、爾の信は爾を救へり、安然として往け。
第八章
一厥後彼は
諸の
邑及び
村を
巡りて、
敎を
宣べ、
神の
國を
福音せり、
彼と
偕に
十二徒あり、
二亦曽て
惡鬼及び
諸病より痊されたる
数人の
婦あり、
即七の
魔鬼の
出でたるマリヤ、
稱してマグダリナと
云ふ
者、
三又イロドの
家宰フザの
妻イオアンナ、
又スサンナ、
及び
其他多くの
婦、
其所有を
以て
彼に
事へし
者なり。
四衆くの
民諸の
邑より
集りて、
彼に
就きたれば、
彼譬を
設けて
曰へり、
五播く
者は
其種を
播かん
爲に
出でたり、
播く
時路の
旁に
遺ちし
者あり、
乃践まれたり、
又天空の
鳥之を
啄めり。
六石の
上に
遺ちし
者あり、
萌え
出でて
稿れたり、
潤澤なきが
故なり。
七棘の
中に
遺ちし
者あり、
棘共に
長びて、
之を
蔽へり。
八沃壌に
遺ちし
者あり、
萌え
出でて、
實を
結ぶこと
百倍せり。
之を
言ひて
呼べり、
耳ありて
聴くを
得る
者は
聴くべし。
九其門徒彼に
問ひて
曰へり、
此の
譬は
何ぞ。
一〇彼曰へり、
爾等には
神の
國の
奥義を
知ること
與へられたれども、
他の
者には
譬を
用ゐる、
彼等視れども
見ず、
聴けども
悟らざる
爲なり。
一一此の
譬の
義は
左の
如し、
種は
神の
言なり。
一二路の
旁の
者は、
是れ
聴けども、
後惡魔來りて、
其心より
言を
奪ふ、
彼等