たる少者(せうしや)が右(みぎ)の方(かた)に坐(ざ)せるを見(み)て駭(おどろ)けり。 六彼(かれ)は之(これ)に謂(い)ふ、駭(おどろ)く勿(なか)れ、爾等(なんぢら)は十字(じふじ)架(か)に釘(てい)せられし ナザレトの イイススを尋(たづ)ぬ、彼(かれ)は復活(ふくくわつ)して、此(こゝ)に在(あ)らず、觀(み)よ、此(こゝ)は彼(かれ)を置(お)きし處(ところ)なり。 七往(ゆ)きて、其(その)門徒(もんと)及(およ)びペトルに語(つ)げて言(い)へ、彼(かれ)は爾等(なんぢら)に先(さき)だちて ガリレヤに 往(ゆ)く、爾等(なんぢら)彼處(かしこ)に於(おい)て彼(かれ)を見(み)ん、其(その)爾等(なんぢら)に言(い)ひしが如(ごと)しと。 八婦(をんな)急(いそ)ぎ出(い)でゝ、墓(はか)より奔(はし)り、戦(おのゝ)き且(かつ)つ驚(おどろ)きて、一言(いちごん)も人(ひと)に語(つ)げざりき、懼(おそ)れしが故(ゆゑ)なり。