を盡く殺せり。一七是に於て預言者イエレミヤの言ひし事應へり、云く、一八ラマに悲み哭き甚しく號ぶ聲は聞ゆ、ラヒリは其子の爲に哭きて、慰むるを欲せず、子の無きが故なりと。一九イロドの死せし後、視よ、主の使エギペトに於て夢にイオシフに現れて二〇曰く、起きて、嬰兒と其母とを携へて、イズライリの地に往け、蓋嬰兒の生命を索むる者は死せり。二一彼起きて、嬰兒と其母とを携へて、イズライリの地に來れり。二二惟アルヘライが其父、イロドに繼ぎて、イウデヤに王たりと聞きて、彼處に往くことを懼れ、乃夢の中に黙示を得て、ガリレヤの境に往き、二三ナザレトと名づくる邑に來りて此に居りたり、諸預言者を以て、彼はナゾレイと稱へられんと、言はれし事に應ふを致す。
第三章
一彼の
日授洗イオアン來り、
イウデヤの
野に
於て
敎を
宣べて
二曰く、
悔改せよ、
蓋天國は
邇づけり。
三此の
人は、
乃預言者イサイヤの
言ひし
者なり、
曰く、
野に
呼ぶ
者の
聲ありて
云ふ、
主の
道を
備へ、
其径を
直くせよと。
四イオアンは
駱駝の
毛衣を
衣、
腰に
皮の
帶を
束ね、
蝗蟲と
野蜜とを
其食とせり。
五當時イエルサリムと、
全イウデヤと、
イオ