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り、もつぱら吉宗の方針にならひ、眞心こめて政治にはげみました。節約させて殘つた米や錢を、飢饉に備へさせたのも、治績の一つです。かうして、幕府の政治も人々の氣分も、ひとまづひきしまりました。

吉宗や定信が、りつぱな政治をすることのできたのは、皇室を尊び、藩主であつたころの苦勞を忘れず、眞心をこめて事に當つたからです。このころ國々でも、すぐれた藩主が、續々と現れました。中でも、米澤藩主上杉治憲と熊本藩主細川重賢とは、いづれも、學問をすすめ產業を興し人々をいたはつて、東西に名藩主のほまれを殘しました。

ところで、このころわが國は、もう國内の太平にばかり安んじてゐることができなくなりました。海外の形成がすつかり變つて、