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吉宗はまた、さつまいもの栽培を諸國にひろめて、飢饉に備へるとともに、朝鮮にんじんやさたうきびの移植を試みて、金銀が海外に流出することを防ぎました。諸大名も、吉宗にならつて、それぞれ產業の發達をはかり、國々の特色ある名產が、しだいに增すやうになりました。

このやうに、吉宗は、よいと思つたことをよく實行しました。幕府の財政を整へるために、參勤交代のおきてを、一時ゆるめたことさへあります。また、產業を發達させるには、ヨーロッパの學問を取り入れることも必要であると考へ、天主敎に關係のない洋書にかぎつて、讀むことを許しました。特に、靑木昆陽を長崎へやつて、オランダ語を學び、天文學を硏究して、農業に必要な曆の改良を企てさせました。だいたい、紀元二千四百年ころのことです。