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したので、米や
天皇は、かうして國がゆたかになるのも、ひとへに神々のおかげであるとお考へになり、神代の昔、大神をたすけてまつつて、農業や養蠶のことにおつくしになつた
もうこのころは、神武天皇の御代から、千年以上もたつてゐます。「青山にこもる大和」も、名實ともに國の中心となり、「やまと」といへば、海をめぐらす日本全體をさすほどになつてゐました。また、海をへだてた大陸に對し、おごそかにかまへる「
大和の國原
二 法隆寺
このやうに、國の勢がのびて來ると、國民の心に、ゆるみを生じるおそれがあります。朝廷に仕へるものは、家がらによつて、代々役目がきまつてゐるので、しぜん