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あふきか
夕顏のしろきあふきの
花の
さそな昔さきけん春の花の谷跡の名迄も猶匂ふ哉
いにしへ阿佛此里にくたり、月影の谷にかりのやとりして居玉ふ跡と聞て、
其身こそ露ときへてもなき玉や今もすむらん月影の谷
かくて爲相もくたり給ひて、もろともにこゝにてなく成給ひぬとか、爲相の石塔とて、慈恩寺の上の山にあり、名の手向に、
石の
谷〳〵を見めくるに、爰ハたれそれかし、かしこハ其なにかしとかや、古き跡とも限もなし、
建久封疆多變㆑寺 寺終廢壞又平蕪 千旋萬化不㆑留㆑跡 昔日英雄骨亦無
九代のあとゝいふを見て、
見てぞけふおもひあはする麻ハなく心の儘のあとの蓬生
新勅撰に入とやらん歌に、
世の中にあさハ跡なく成にけり心の儘の
とあるを今思ひ出てなり、又