但最後の等式にありては は正數を表はせり.此等式は數學的歸納法を用ゐて容易に證明すべきものなれば,其證明をば讀者の練習に資せんとす.
今後 を表すに常用の記法
を以てせんとす.
上文說明せる廣義の數を整數といふ.
此處に正數負數の大小の關係及加法,減法に關する事實の中特に二三を反復して思想の明確を期すべし.
共に正數にして, は より小なるときは なる減法は自然數の範圍內にては不可能なり.今正數 を と名づくれば
にして此減法の結果は負數なり.
凡て正數は より大,負數は より小なり,從て凡て正數は負數より大なり.