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(十)
乘法及除法

て上の例に倣ふべし.

比例式の定理によりて數の乘法及除法を定むることを得. なる二つの數の與へられたる時, の積

なる比例式に適合すべき數なり.乘法の轉倒は の中の一つを與へて他の一つを求めんとするものにして,こは畢竟比例式の未知項の所在を移せるに過ぎず.

此定義に從ふときは乘法の交換の法則は定理三の直接の結果なり,然れども一般に乘法の諸性質を直接に上の定義より得來らんと欲せば稍,複雜なる徑行を要すべし.

(十一)

乘法の諸性質を證明せんが爲に,先づ前節に擧げたる其定義を便利なる形に改めんとす.