Page:Shinshiki Sanjutsu Kogi 00.djvu/324

提供:Wikisource
このページは校正済みです
308
量の連續性及無理數の起源

よりも大又は小なりといふ.卽ち

卽ち と共に

例へば を一邊とせる平方形の對角線となすとき, となさば なるが故に

となさば なるが故に

第一定義は なる者に,有理數に對する大小の順序に於て一定の位置を與ふ. なる者には本來定まれる意義あるにあらずして,吾輩のユークリツドと與に今新に其意義を定めんとするものなるが故に, と有理數との大小の關係は自家撞着に陷らざる限り,隨意に之を定めて不可あることなし.然れども大小相等の語には旣に慣用の意義あるが故に,此意義に協はざる凡ての新定義は無益にして有害なり.玆に於て次の三點につきて,上文の第一定義を詮衡するの必要を生ず.