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分數に關する整數論的の硏究

より小にして と素なる凡ての整數を網羅し, を分母とせる旣約分數の展開は斯の如くにして盡く求め得られたりといふべし.例へば なるとき なるが如きは此場合なり.

然れども若し なるときは [1] 數の外尙 より小にして と素なる數存在す,其一つを と名づけ, につきて前の如く剩餘の週期を求むれば,此週期を組成せる剩餘の數は前と同じく なり.此等の剩餘を

[2]

と名づくれば [2] 數は盡く相異なる, より小にして と素なる數なり.此等の數の中の一つ例へば より發足するときは同一の [2] が同一の順序に,唯 を其起點として循環し來るべきこと前に同じ.

さて [2] に現はれたる 個の數と [1] に現はれたる 個の數との中に同一の數あることなし.げにも若し假に なりとせば