Page:Sengo ōbei kenbunroku.pdf/84

提供:Wikisource
このページは検証済みです

せられたり、又同じホテルに在りし黑山國王も其首相及び外相を侯の許に遣して其要求する所を陳述せしめたり、思ふに白耳義と云ひ黑山國と云ひ我國とは直接何等の利害關係なきなり、然も今日の我國は從來の如く『歐羅巴の事は我の知る所に非ず』と云ふて濟しては居られざるなり、是れ余が日本人の心胸を今一層世界的に開拓する必要を力說する所以なり。

(千九百十九年六月初旬巴里、ホテル、コンチネンタールにて)