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の時代となりても毫も渝らざるなり、然して此必要に應ぜむが爲に現代の日本に於て最も緊急なる一事は外交官制度の刷新に他ならず。

 いかにして外交官制度の刷新を行ふべきか、第一には人材登用の門戶を開放する事是也、第二には外交家養成の方針を改むる事是なり。

 今日の外交官制度にては採用の人員少なきが故に一旦採用せられたる後は淘汰せらるゝ事なく能不能を擧げて悉く昇級し得る仕組となり居れり、是を民間の事業界に見るに三井三菱の如き大會社に於ては每年官私立大學の卒業生百數十名を採用すと云ふ、而して材能あり實力ある者は是等の者の中より次