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四、講和會議所感

 所感第一、講和會議地としての巴里に於て先づ第一に感ずる事は力の支配てふ鐵則の今も尙儼然として其存在を保ちつゝある事是なり、思ふに正義は力に代るべしとは今次戰爭中列國政治家によりて屢唱へられたる所なりしのみならず過去四個年に亘れる生命と財貨との驚くべき絕大なる犧牲は戰後の今日に於て人心の一新を招來せるやの觀なきに非ずと雖世界が依然として力の支配を免る可らざるの事實は已に吾人の眼前に於て講和會議が最明白に之を立證しつゝあるを如何せむ、乞ふ先づ講和會議の組織に就て之を見よ。