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りき。又かの全力を傾けて人種案の粉碎に力めたる濠州首相ヒユーズ氏の面上には此時得意の色の輝けるを見逃がす能はざりき。男は尙ほ最後に左の如く言へり、『吾人は此際に於て次の如く宣言するを以て吾人の義務なりと思考す、即ち日本の政府及人民は彼等の正當なる要求が遂に委員會の容るゝ所とならざりし事を以て深く遺憾とし今後尙此提案が國際聯盟によりて採用せらるゝに至る迄之を主張して止まざるべし』と。男の演說も亦佛語に飜譯せられたり。

 牧野男の後にはウルグワイ、パナマ其他小國の委員代る起ちて英語又は佛語にて演說をなせしが、是等の演說も亦一一佛語又は英語に飜譯せらるゝ事なれば滿場漸く惰氣を生じ私