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る今日に於ては吾人に對するプロシヤの支配は何等の意義を有せず、况んや其政府が墮落せる今日の伯林政府なるに於ては到底吾人の堪ふる所に非ざる也、吾人は伯林が現政府治下の危險なる狀態を脫却して再舊態に復歸する日の俄に來るべしとは信ずる能はず、現に國防大臣ノスケ氏は自らワイマールの社會黨會議に於て伯林は永久の危險なりと吿白せり、要するにライン人民の性質及思想と現今の支配者たる伯林政府との相違を思ふ時は兩者が决して繁榮なる共同團體を組織し得るものに非ざる事を認め得べし、兩者の不和は延いて獨逸全國內の不和を來さしむ、これ吾人がライン地方の分離を以て獨逸國內の和協の爲にも必要なりと云ふ所以也。