Page:Sengo ōbei kenbunroku.pdf/178

提供:Wikisource
このページは検証済みです

府は飽く迄自己の權力を維持せむとするの目的を以てライン地方の獨立運動を妨げつゝあり、如此にして焉んぞ獨逸國內の和協を圖る事を得む、其の和協は各自が其意志によりて事を處理し以て共同の利益を圖るにより始めて實現せらるゝものなれば也、抑もライン地方及ウエストフアリヤは千八百十五年維納會議に於て强制的にプロシヤに併合せられたるものなり、次でナツサウも亦千八百六十六年人民の意志に反してプロシヤに併呑せられたり、爾來我等ライン人民は何れも忠實なるホーヘンツオルレルン家の臣下としてプロシヤの支配の下に甘んじ居たりしも其關係たるや單に右王家に對するパーソナルのものに過ぎざりき、故にその恭順の的たりし王朝の覆滅を見た