Page:Sengo ōbei kenbunroku.pdf/175

提供:Wikisource
このページは検証済みです

に及ばんとする危險を防止せむとする消極的理由の外に次の如き積極的理由を有す。

 第一、獨逸國家內部に於ける新離合の必要

革命後に於ける獨逸國家の再造に伴ふ新組織を如何に定むべきやに付きては單一國家制を探るべきか或は聯邦制を探るべきかの問題あれど單一國家制は歷史的理由よりして到底實行不可能なるが故に聯邦制を探るの外なし、然して聯邦制を探るに就きては國內の調和を第一主眼とし合理的基礎の上に之を樹立せざる可らず、從來の獨逸聯邦は此合理的基礎を缺き隨つて絕えず國內の爭を釀せり、ライン地方の如きも亦然り、抑もライン地方は地理上より云へばライン流域を形造る地方にして