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逸全國に亘りて軍閥反對の氣勢揚り社會黨を始め議會の多數は宰相不信任を决議する迄になりしが時の宰相ベートマン、ホルウエツヒは頑として其職に止まり一方軍閥の頭目連は此氣勢を外に轉ぜんとして遂に此度の戰爭を企らむに至りしとまで云はるゝなり、ザーベルンより鐵道は運河に沿うて走る、此運河は奈翁の作りしものにしてストラスブルグよりナンシーに通ず、蓋し奈翁は大陸封鎖と相呼應して大陸內部の交通運輸に資せん爲此運河及ラインよりエルベに至る運河を利用したるものなり、而して此運河は今日も尙其重要を失はず、佛國政府は更に之を改造擴張せん計畫なりと云ふ、奈翁が先見の明と組織の才とは驚嘆に値するなり。