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○文庫 館内の西にあり、

演武館府城の南、 坂本村造士館の北隣にあり、安永三年、 大信公始てこれを起し、武を講し兵を教るの所とす、夫れ吾  大日本上古細戈千足國と稱ず、武備の盛なること知るべし、能く獨り、海中に立て、外夷を御し、數千萬年、この王を王とし、この人を人とす、各其道に據り、其徳を愼み、文武二柄の兼資を以てなり、夫吾薩藩能獨り九州に雄とし、威名四海に轟きて、外の侮を受ず、數十百年この君を君とし、この臣を臣とす、亦各其道に、據り、其徳を愼み、文武二柄の兼資を以てなり、夫れ大日本固より武を以て體とす、薩摩固より武國と號せらる、この武國に立ちこの武人として、この武それ講せざらんや、治に亂を忘れず、文事あり武備あり、或は劒を撃ち、或は鎗を刺し、射を習ふあり、馬を御するあり、諸家各流、日に此館に出