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物理の學を授けたる後に「第一哲學」を講ずるを以て正當の順序となしたるに基づき之れを物理の論に關する著作の後に置きて τὰ μετὰ τὰ φυσικὰ と名づけたるにあり。〈此の語物理に關するものの後に置かれたるものと謂ふほどの意味なり、此の編集上の順序を意味せる語が後には或は事相上の義理を含めて物理以上の論即ち形而上學と云ふ意義を有するかの如くに解せられたり。〉
物理的科學に關する著作には先づ其の物理論(Φυσικὴ ἀκρόασις 又は單に Φυσικά とも又 τὰ περὶ φυσικὰ とも名づく)、天體論(π. οὐρανοῦ)、生成及び潰壞を論じたるもの(π. γενέσεως καὶ φθορᾶς)、及び氣象論(π. μετεώρων)あり、生物に關しては動物彙類(π. τὰ ζῷα ἱστορια)、及び此の種の著作に屬するものと見るべき動物の部分を論じたるもの、生殖論、動物の行動を論じたるものあり、心理に關しては περὶ ψυχῆς 三卷及び此の種に屬すべき小篇數種あり。アリストテレース自らプロブレーマタを作りたりしならむと思はるゝが今ある所は後に蒐集されたるものならむ。
アリストテレースの倫理學書として傳はれるもの三種あり、中に就きてニコマカイア倫理學(ἠθικὰ Νικομάχεια)を以て最もよく彼れが自ら組織せる所を保存せるものと見るが現今學者の定論なり。これはアリストテレースの子ニコマコスの公に