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極めたるソフィスト等の說に對して漸々自家の立場を明らかにせるもの也。彼れ初めはソフィスト等の說に對せしむるに彼れ自らの解したるソークラテースの敎義を以てし前者を抑へて後者を揚げ專ら破邪を事とせしが如し。但し此等破邪を事とせる著作の中已にソークラテースの範圍を越えてプラトーン自家の立塲を拓きつゝありしを看るべし。此の種類の對話篇中主なるものは『プロータゴラス』、『オイティデーモス』、『クラティロス』、『テアイテートス』、『ゴルギアス』、『メノーン』等なり。他を破する方面よりして漸次自らを立する方面に移り來たり其の自說を顯はすことを主意としたるは『ファイドロス』、又彼れが對話篇中最も美なりと稱せらるゝ『シムポジオン』、又其の書の成立に關して議論の紛々たる『ポリタイア』等なり。此等の著作に於いては旣にプラトーンがイデア論の略〻其の形を成せるを見る。要するに此の期の著述は更に之れを細別するを得べけれど、其の順序は到底審かにするを得ざるを以て今は姑らく凡べて之れを第二期に收む。
其の三期に屬するは彼れのイデア論が其の形を成し而して漸々其の論理的方面より轉じて目的論を形づくるに至れる時代の著作にして『ファイドーン』、『フィレーボ