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カムながら安國ヤスクニタヒラけく所知シロシしける大御國になもありければ、

書紀の難波ナニハノ長柄ナガラノ朝廷ミカドノ御卷ミマキに、惟神カムナガラトハイフ隨神道亦カミノミチニシタガヒタマヒテオノヅカラ有神道カミノミチアルヲ也とあるを、よく思ふべし、神道にシタガふとは、天ヲサめ賜ふしわざは、たゞ神代より有こしまに、物し賜ひて、いさゝかもさかしらをクハへ給ふことなきをいふ、さてしか神代のまにオホらかに所知シロシせば、おのづから神の道はたらひて、ホカにもとむべきことなきを、オノヅカラとはいふなりけり、かれ現御神アキツミカミ大八洲國オホヤシマグニしろしめすと申すも、其御世々々の天皇の御政ミヲサメ、やがて神の御政ミヲサメなる意なり、萬葉集の歌などに、神隨カムナガラ云云シカとあるも、同じこゝろぞ、神國カミグニ韓人カラビトの申せりしも、ウベにぞ有ける、

オホ御世ミヨには、ミチといふ言擧コトアゲもさらになかりき、

古語フルコトに、あしはらの水穗ミヅホの國は、カムながら言擧コトアゲせぬ國といへり、

はたゞ物にゆく道こそ有けれ、

美知ミチとは、此記にウマシ御路ミチと書る如く、山路ヤマヂ野路ヌヂなどのに、てふ言をソヘたるにて、たゞ物にゆく路ぞ、これをおきては、上代に、道といふものはなかりしぞかし、

物のことわりあるべきすべ、ヨロヅヲシへごとをしも、ナニの道くれの道といふこ