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Page:NDL925789 白隠禅師法語録 part1.pdf/11

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夜船閑話序

白隠慧鶴

寳曆丁丑の春、長安の書肆松月堂何某とかや聞こへし、 遠く草書を栽して近侍の左右に寄せて云く、伏して承る、老師の古紙堆中、夜船閑話とかや云へる草稿あり、書中多く氣を鍊り精を養ひ人の營衛をして充たしめ專ら長生久視の祕訣を聚む、謂ゆる神仙鍊丹の至要なりと。是故に世の好事の君子、是をおもふ事、荒旱の雲霓の如し。偶々雲水の徒侶纔かに傳寫し來るあるも、祕重し珍藏して人おして見せしめす、天瓢むなしく櫃におさめて匿したるが如し。願くば是を梓に壽がうして、以て其渴を慰せん。聞く、老師常に人を利するを以て老後を樂しみ給ふと、 もしそれ人に利あらば、師豈是を吝しみ給はんやと、二虎含みて師に呈示す、師微々として笑ふ。此において、諸子舊書櫃を開けば、草稿蠹魚の腹中に葬らるゝ者中葉に過ぎたり。諸子即ち訂正傳寫して、既に五十來紙を見る、即ち封裹し以て京師に寄