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- 數百金を投ぜるを目撃す。併せて指環は其人の手に、時計は其人の胸に存在せるを目撃す。依然財產たり。
- 聚めんと欲せば、先づ散ぜよといふは、轉んでも只は起きぬの同義なりと信ず。
- 公益を計らんものは、私益をも計らざる可からず。生命、榮譽、財產を擲つと稱する際いも、猶萬一といふ語を、成功の上に置かず、失敗の上に置くなり。
- 誰にもあれ、一事一業を起さんとするを見たる時は、荐に之れに親めよ、寧ろ狎れよ。其漸く成らんとするを見る時は、窃に之れを羨めよ、寧ろめよ。而して不幸、半途に敗るゝに遭はヾ、其時は唯其人の自業自得なりと言へよ。是れ今日の秘傳也。
- 羅綾を穿ち、錦繡を纒ふ。之を今朝に見て駭ぐが如きは、都人士の事に非ず。昨夜に聞かばよその藏に、拘禁せられ居たるは言ふ迄も無し、風嫋かに花を吹きて、春面白き小袖幕も、實は番頭を泣かせたるものなり。
- 拘禁といふに若語弊あらば、改めて保管といふべし。吾家なるは鄭重にし、質屋なるは嚴重にす。俱に與に、字は重んずるなり。
- 體裁は夏向ならず、冬向なり。入りて悄然たる者は、出でゝ