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- り。人より秘密を語げられたる時は、われらが最も戒心すべき時なり。
- 人の世に最大不必要なるもの、唯一つあり、名けて識者とにふ。
- 學問は宜しく質屋の庫の如くなる可からず、洋燈屋の店の如くなる可し。深く内に蓄ふるを要せず、廣く外に揭ぐべし、ぷら下ぐべし、さらけ出すべし。其庫の窺知し難きも、其店の透見し易きも、近寄る可からざるは一なり、危險は一なり。
- 換言すれば、古の學者は、不透明體なり、今のは透明なり。更に其説く所に由りて判すれば、古のは固體、今のは氣體なり。
- 鏡を看よといふは、反省を促すの語也。されどまことに反省し得るもの、幾人ぞ。人は鏡の前に、自ら恃み、自ら負ふことありとも、遂に反省することなかるべし。鏡は悟りの具にあらず、迷ひの具なり。一たび見て悟らんも、二たび見、三たび見るに及びて、少しづゝ、少しづゝ、迷はされ行くなり。
何人 か鏡 を把 りて、魔 ならざる者 ある。魔 を照 すにあらず、造 る也 。即 ち鏡 は、瞥見 す可 きものなり、熟視 す可 きものにあらず。- 老たる人の肖像といふを見るに、何處にか鬼相を止めざるは