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上、現在の社󠄃會に立ち止まりながら、その現在の社󠄃會に關する忌はしい思想を取去れと要求するものに過󠄃ぎない。

 この社󠄃會主義の、一そう非學理的な、しかし一そう實際的な第二形式は、勞働階級の利益󠄃が政治的變化󠄃の中に存せず、ただ物質的生活關係、すなはち經濟關係の變化󠄃の中にのみ存することを論證して、それによつて勞働階級にあらゆる革命運󠄃動を嫌󠄃はせようとするのである。しかし、この社󠄃會主義がいふところの物質的生活關係の變化󠄃とは、決してブルジョア的生產關係の廢絕を意味するのではない。その關係の廢絕は、革命によつてのみなしとげられるものであるから、彼らはただ、その生產關係の地盤の上に行はれる行政上の改善を意味するのである。從つてそれはまた、資󠄄本と賃銀勞働との關係に何らの變化󠄃を與へるものでなく、たかだかブルジョアジーをして、その支配費用を節󠄄減せしめ、その國家財政を單純化󠄃せしめるに過󠄃ぎない。