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き成上り者󠄃のために組み敷󠄃かれた。本氣な政治的鬪爭はもはや問題にならなくなつた。彼らに殘されたものは、ただ文󠄃筆上の爭ひであつた。しかし、その文󠄃筆の方面でも、ブルボン王朝󠄃復活時代(一八一四年から一八三〇年まで)の古い言葉ではとほらなくなつた。彼ら貴族が世間の同情󠄃を喚び起󠄃すためには、自分󠄃の利害󠄆關係を隱蔽して、ただ搾取されてゐる勞働階級の利害󠄆關係においてのみ、ブルジョアジーに對する訴狀をつくらねばならなかつた。かくて彼らは、新しい支配者󠄃を讒謗する歌を歌ひ、また多少とも不祥󠄃らしい豫言をその耳に囁いて、纔かに自ら腹いせをしてゐたのである。

 封建󠄄的社󠄃會主義はかやうにして起󠄃つた。半󠄃ばは哀歌、半󠄃ばは皮肉、半󠄃ばは過󠄃去の餘音、半󠄃ばは將來の脅威、そして時には深酷󠄃痛烈な批判󠄃をもつて、ブルジョアジーの腸を刺すことがあつても、近󠄃世史󠄃の進󠄃路を理解する能力が全󠄃く缺けてゐたので、その效果は常にただ滑𥡴であつた。