Page:Kyoosantoo-Sengen.pdf/57

提供:Wikisource
このページは検証済みです

さうでないが)、最初は一國的である。各國のプロレタリアートは、必ずまづ、自國のブルジョアジーを處分せねばならぬのである。

 我々は今、プロレタリアートの發達󠄃について、その最も一般的なる諸󠄃段階を叙述󠄃し、現社󠄃會の內部における、大なり小なり覆面された內亂から、遂󠄅にそれが爆破して公󠄃然の革命となり、ブルジョアジーを顚覆してプロレタリアートの支配を樹立するところまで到達󠄃した。

 從來のすべての社󠄃會は、前󠄃に述󠄃べたとほり、壓伏階級と被壓伏階級との敵󠄂對の上に立つてゐた。けれども一階級を壓伏するためには、その階級が少くとも奴隷的存在を續けうるだけの、ある生活條件が保證されてあらねばならぬ。農奴は農奴制の下において、その村邑の公󠄃民に立身することが出來たし、小町人はまた、封建的專制政治の抑壓のもとにあつて、ブルジョアになることが出來た。しかるに近󠄃世の勞働者󠄃は、產業の進步とともに向上するのではなく、却つ